体内の電解質分布と酸塩基平衡の調節システムについて

こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です!

今回の記事は電解質の分布と酸塩基平衡の調節という内容です。

ん?・・・電解質・・・酸塩基平衡・・・?

そう思われるかもしれませんが、とっても簡単!

電解質とはミネラルのことだと思ってください!

Na(ナトリウム)やK(カリウム)などです!

酸塩基平衡とは体内においての酸性と塩基性のバランスのことです。

体内においての酸性、塩基性のバランスとは人の体液の㏗のことです!

なので超簡単にイメージすると、ミネラルイオンの体内でのバランスや、体内での㏗の調節に関して今回の記事では解説していきたいと思います!

それでは早速見ていきましょう!

電解質(ミネラル)の分布

電解質とは、血液や体液中で電離してイオンになる物質のことをいいます。

栄養素では五大栄養素のうちミネラルがこれにあたります!

私たち人間の身体には水分が約60%存在しています。

約60%の水分うち、40%分は細胞内液20%分は細胞外液となっています。

細胞外液はさらに細胞間に存在している間質液と血液に分かれるのです。

人体の構成
固形物
40%
たんぱく質 18%
脂肪    15%
無機質   7%
水分
60%
細胞内液  40%
細胞外液  20% 間質液  15%
血液   5%

このように人間の水分は細胞の内側に存在している細胞内液と細胞の外にある細胞外液に分かれるのですが、それぞれに溶け込んでいる電解質の濃度は違います。

細胞内液には細胞内液の電解質のバランスがあり、細胞外液には細胞外液の電解質バランスがあるのです。

それぞれの電解質の分布を見ていきましょう!

イオン 細胞内濃度
(mEq/ℓ)
細胞外濃度
(mEq/ℓ)
Na⁺ 10 142
K⁺ 140 4
Ca⁺ 0.0001 2.4
Mg²⁺ 58 1.2
HCO₃⁻ 10 28
Cl⁻ 4 103
リン酸 75 4

上の表を見ると、細胞外液にはナトリウムや塩素やカルシウムが多く存在していることがわかると思います!

細胞内液においてはナトリウムや塩素やカルシウムは、細胞外液と比べて非常に少ないですね!

逆に細胞内液ではカリウムやマグネシウムやリン酸が多く存在しています。

細胞外液においてはカリウムやマグネシウムやリン酸は、細胞内液と比べて非常に少ないですね!

このように細胞内液と細胞外液には、それぞれ違ったバランスで電解質が存在しているのです!

こうすることで体内で起こる様々な生命活動をスムーズに行える環境を整えているのです!

上記の表に示されたミネラルについてもう少し詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

酸塩基平衡の調節システム

酸塩基平衡とは簡単に言い表すと、体液の㏗の調節ということになります!

酸は水溶液中では酸性になり、塩基は水溶液中ではアルカリ性になります。

つまり人の体液においても、様々な酸や塩基の物質が溶け込んでいることで㏗が一定に維持されているのです。

体液や血液の㏗は7.35~7.45の範囲で調節されています!

体内でどんなことが起きようが、このわずかな範囲に体内の㏗が常に一定に維持されているのですから、人間が持っている酸塩基平衡の調節システムはすごいなと感心します!

この酸塩基平衡の調節システムは主に4つありますのでそれぞれ簡単に紹介したいと思います!

H⁺の過剰の時の緩衝作用
種類 時間 作用
細胞外液緩衝 短時間 H⁺ + Buffer ⇄ H + Buffer
細胞内液緩衝 2~4時間 細胞内への移行
呼吸性緩衝 10~20分 H⁺ + HCO₃⁻ ⇄ CO₂ + H₂O
腎性緩衝 数時間~数日 腎臓による酸排泄

①細胞外液による緩衝作用

細胞外液にはいくつかの酸塩基平衡の調節システムが存在します!

それは以下の3つです!

  1. 重炭酸-炭酸緩衝作用
  2. リン酸塩の緩衝作用
  3. たんぱく質の緩衝作用

 

それぞれ見ていきましょう!

重炭酸-炭酸緩衝作用

血液の?が正常の時は炭酸水素イオン(HCO₃⁻)と炭酸(H₂CO₃)の濃度比は20/1に保たれます。

炭酸水素イオン(HCO₃⁻): 炭酸(H₂CO₃) = 20:1 ということです。

この比の値が小さい時には炭酸(H₂CO₃)または二酸化炭素が肺によって調節されます。

逆にこの比の値が大きい場合は炭酸水素イオン(HCO₃⁻)が腎臓で調節されるのです。

リン酸塩の緩衝作用

リン酸塩には、HPO₄²⁻とH₂PO₄⁻の2つがあります。

体液が何らかの要因でH⁺が増加して酸性の傾いた場合は、HPO₄²⁻がH⁺と結合してH₂PO₄⁻となることで㏗を調整します。

逆に体液が何らかの要因でH⁺が減少しアルカリ性に傾いた場合は、H₂PO₄⁻がHPO₄²⁻となってH⁺を解離して㏗を調整します。

このように細胞外液では、リン酸によっても㏗が調整されているのです。

たんぱく質の緩衝作用

血漿たんぱく質は、血液の㏗として一部弱酸性に作用します。

たんぱくを構成するアミノ酸は、陽イオンと陰イオンをもちます。

これによってたんぱく質も若干ではありますが、緩衝作用をもつのです。

②細胞内液による緩衝作用

細胞内には多量のリン酸塩が存在します。

また、Na⁺(ナトリウムイオン)、K⁺(カリウムイオン)、Mg²⁻(マグネシウムイオン)、たんぱく質、HCO₃⁻なども存在します。

こういった緩衝作用をもつミネラルが細胞内液において緩衝剤の役割を果たしているのです。

㏗が異常になった場合に、細胞内液と細胞外液でK⁺(カリウムイオン)とN⁺(ナトリウムイオン)の交換が行われます。

また、H⁺の交換も行われることで㏗が調節をしているのです。

③肺による緩衝作用

体内にH⁺が増加すると炭酸水素イオン(HCO₃⁻)が減少して、炭酸水素イオン(HCO₃⁻)/ 炭酸(H₂CO₃)が20以下になり、㏗が低下します。

このように㏗が低下する状態を専門用語ではアシドーシスと呼びます。

この時呼吸が速くなることで、肺から弱酸性を示す二酸化炭素(CO₂)が排泄されることによって、㏗が正常に戻ります。

逆にH⁺が減少すると炭酸(H₂CO₃)が減少して、炭酸水素イオン(HCO₃⁻)/ 炭酸(H₂CO₃)が20以上になり㏗が上昇します。

このように㏗が上昇すること状態をアルカローシスと呼びます。

この時は呼吸が抑制されて二酸化炭素(CO₂)が蓄積するために炭酸(H₂CO₃)が増えて㏗が正常に戻るのです。

こうして、弱酸である二酸化炭素の呼吸によっての排泄量でも体内の㏗は保たれているのです。

④腎臓による緩衝作用

腎臓による調節システムは、他の調節システムより速攻性には劣ります。

しかし、その緩衝作用の力は大きく㏗維持には強力な能力をもっているのです。

過剰にH⁺が体内に存在する場合は腎臓の尿細管という部分でH⁺が排泄されHCO₃⁻がキープされるのです。

逆にHCO₃⁻が過剰な時はHCO₃⁻が排泄されて、H⁺の保持が行われます。

このようにして㏗が正常になるのです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は体内においての電解質の分布や体内の㏗の調節システムについて見てきました!

㏗の調節システムはかなり難しいと思います。

実は各㏗の調節システムを覚えることは栄養学を学ぶ上ではそこまで重要ではありません。

もっと重要なのは、私たちの身体ではこのようなシステムで㏗が正常に保たれているということをザックリ理解するということです!

様々な調節システムが存在することで私たちの身体は一定に保たれているということを知るのが一番重要なことなのです!

なのでまとめも本当に理解してほしいところだけまとめておきますね!

 

体内の水分の細胞内・外液の内訳

人体の構成
固形物
40%
たんぱく質 18%
脂肪    15%
無機質   7%
水分
60%
細胞内液  40%
細胞外液  20% 間質液  15%
血液   5%

 

細胞内・外液の電解質の分布

イオン 細胞内濃度
(mEq/ℓ)
細胞外濃度
(mEq/ℓ)
Na⁺ 10 142
K⁺ 140 4
Ca⁺ 0.0001 2.4
Mg²⁺ 58 1.2
HCO₃⁻ 10 28
Cl⁻ 4 103
リン酸 75 4

 

酸塩基平衡の調節システム

H⁺の過剰の時の緩衝作用
種類 時間 作用
細胞外液緩衝 短時間 H⁺ + Buffer ⇄ H + Buffer
細胞内液緩衝 2~4時間 細胞内への移行
呼吸性緩衝 10~20分 H⁺ + HCO₃⁻ ⇄ CO₂ + H₂O
腎性緩衝 数時間~数日 腎臓による酸排泄
  1. 細胞外液による緩衝作用
  2. 細胞内液による緩衝作用
  3. 肺による緩衝作用
  4. 腎臓による緩衝作用

 

以上です!

それでは次回の記事も楽しみにしていてください!