6ヶ月間病院で栄養指導を経験して感じたこと6選

こんにちは!

私はゆとり世代ど真ん中の管理栄養士です。

2017年1月~6月の半年間色々と訳がありまして管理栄養士として病院で働いてきました。

今回は、もう今後の人生で経験することがないであろう病院での管理栄養士業を終えて感じたことなどについて書いていこうと思います。

この記事は完全に自己満、そして超独断と偏見で書かれた記事です!

そして、科学的根拠もありませんのでご了承ください。

病院栄養士に興味のある方や、これから病院で働こうとしている方などに少しでも役に立てば嬉しいです!

病院栄養士として働くことになった経緯

2016年8月末、私は都内で働いていた仕事を退職しました!

そして退職翌日の9月1日に都内の部屋を引き払い、荷物のみ実家へ送りその足で10月半ばまで全国各地に旅行に行きました!

退職してからたったの45日間で退職金のほとんどを使い果たしてしまいました・・・

そりゃもう楽しい毎日でした!

10月半ばから12月までは実家でのんびりと、特に何をするということでもなく、ただただ時間が過ぎていきます。

そんな12月に入ったある日のことでした。

大学の後輩からこんなLINEが来ます。

後輩「突然なんですが、お願いがあります・・・」

「いきなりどうした?」

後輩「母(病院管理栄養士の母)が休職中で半年間だけ代理で働いてくれる人を探しているんですが、なかなか見当たらず・・・」

「病院なんて全く知識も経験も無い私なんかで良いのであれば・・・」

LINE上でこんな会話が交わされました。

しかし、とりあえず話だけでも聞いておこうという感じだったので内心迷っていました・・・

迷っていた理由は2つありました。

  • 理由その1 病院内のあの匂いが昔から嫌いだった・・・( ;∀;)
  • 理由その2 そもそも退職後1~2年は働かず全力でニートすると決めていた・・・笑

 

その後色々話を聞くと、一家の大ピンチということでどうしても半年間休みをもらう予定とのことでした。

もちろん色んな人に声をかけたが、なかなか半年という短い期間で来てくれる人が見つからなかったそうです。

確かに半年間のみの契約でOKしてくれる人いないですよね・・・

しかし、ここにいました!自称日本一暇で元気な管理栄養士!(^^♪

ご家庭の事情はなんとなく理解したので、その人の力になれるかはわからないけれど引き受けてみることにしました!

このような経緯で病院管理栄養士として働くことになりました。

私が6か月間主に担当することになった仕事とは?

私の働くにあたっての仕事内容は主に栄養指導でした。

もちろん病院の管理栄養士は様々な業務内容がありますが、半年ということもあり患者さんの栄養指導を主に担当することになったのです。

特に私の働いた病院は急性期患者を受け入れている病院で入退院が非常に激しく日々のルーティンワークもその分とても多かったです。

また、直営で給食業務を行っていたので献立作成から発注まで先輩たちは本当に毎日忙しそうにしていました。

もちろん栄養指導をしていない時間はその他の業務のお手伝いをしていました。

ですが今回は栄養指導をしてわかったこと、感じたこと、学んだことなどに絞って記事を書いていきたいと思います。

そして今回の記事では主にたくさんの生活習慣病の患者さんとお話をして感じた事という観点で書いてあります。

肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧、またはそれが原因で起こる様々な病気など、そういった病気を持つ患者さんを中心に栄養指導を行ったということを前提に読んでいただけると幸いです。

では早速見ていきましょう!

その1 高齢化を肌で実感する

まず病院で半年間働いて一番感じたのは高齢化です。

もちろん年齢を重ねていけば、病気になったり身体を痛めたりするリスクは上がってきます。

ですので入院患者さんの年齢はある程度高くはなると思います。

それは何となくですが、働く前から予想はできていました。

ですが実際に働いてみると自分がしていたイメージとは違っていました。

私が言いたいのは、年齢はもちろんですが70代はもっと元気な人たちだと認識していたのです。

私のおばあちゃんは85歳ですが、ぴんぴんしていますしご飯ももりもり食べます。

70代以上の患者さんが入院している患者さんの大多数を占めることはわかっていましたが、今まで元気なお年寄りの方としか接していなかったので驚きました。

前職は販売業をしていたので、買い物に来るような元気なお年寄りの方としか接していなかったんだと気が付きました。

そして、一番驚いたのが患者さんを介護していたりお世話をしている人も高齢の方ということです。

80代後半の患者さんに付き添っている娘さんが60代後半だったり、90代の患者さんの面倒をみている方が70代だったり・・・

話には聞いていましたが、こういうことが現実で起きていることに驚きました。

これはどこの病院でも小児専門など特殊な病院でない限り同じような感じだと思います。

日本全体の問題を肌で実感することが出来たのですが、同時に問題意識も強くなりました。

その2 笑顔で前向きな人は体調も検査値も改善しやすい!?

ここからは実際に栄養指導を行って感じたことです。

私はたった6ヶ月間しか病院で働いていませんでした。

ですので関わった患者さんの数も約500人程度です。

しかし、たった6ヶ月間という短い間で感じたということはそれ以上働いている方も同じようなことを感じているのではないか?と思います。

そして一番感じたのはこの「前向きで明かるい人は体調などが改善しやすい」ということです。

このような患者さんは割合的には多くはありません。

ほとんどの患者さんは、これまでの生活習慣を改めようとするのに大きなエネルギーが必要となります。

それは今までの自分の生活スタイルや食事などを否定しなければいけないからです。

しかし患者さんとお話をしていると、「この方はきっと退院しても数値や病態も改善するなぁ」と感覚的に分かります。

そういった患者さんに共通するのが、性格が明るかったり前向きだったりするということです。

患者さんの中には、栄養指導なんて受けても無駄だ!という方もいます。

病気の原因の一つが食事であるという結びつけが出来ていない方もいますが、自分の過去を否定されてしまうのが嫌だという人が多かった気がします。

「これがいけないからから食べるのをやめましょう。」というような栄養士側からの否定ではなく、新しい習慣を手にするということは過去の自分を否定しなければいけないという患者さん自身の自己否定です。

きっと年齢を重ねれば重ねるほど、自分の生活習慣や価値観を改めるのは難しいんだなと思いました。

そういう患者さんが多い一方で、常に未来やより良い今を求めて前向きな患者さんは何を言っても素直に実行してくださいました。

もちろんその結果一か月後、二か月後の体重の変化や血液検査の変化は医師も驚くようなものです。

そのような患者さんと話してると、

「病気になってしまったものはしょうがないね。もう一生病院にはお世話にならないように色々学んで帰らないと。」

このような言葉をみんな口にしていました。

本当に素敵な考え方だなと私も患者さんから多くのことを学びました。

その3 40代以上の独身男性は生活習慣病になりやすい!?

私の働いている病院では40代男性の患者さんが非常に多く驚きました。

一般的には40代は働き盛りです。

私が出会った患者さん達も、その会社の第一線で頑張っている方ばかりでした。

そしてそのほとんどが、独身で実家または一人暮らしをしているか、結婚はしているけれど一人暮らしをしているという方でした。

こうして40代の男性の患者さんを多く見てきたので、40代の方は少し体調の変わり目というか、生活のあり方を見直す時期なのではないかと思います。

患者さんに話を聞くと、だいたい今のような生活は20代の社会人になったころから続いていると言います。

20年近くしてきた身体に負担のある生活習慣に加え、ストレスは会社での役職が上がるにつれて比例して大きくなってきます。

そして20代、30代の頃のように身体は無理がきかなくなってきます。

ですのでこれらが重なってしまい病気になりやすくなるのではないかと感じました。

独身男性だから、一人暮らしをしているから生活習慣病院なりやすいという直接的な原因にはなりません。

もちろん独身男性でも健康な方はたくさんいますし、一人暮らしをしていても健康な方もたくさんいます。

しかし、傾向として独身男性や一人暮らしをしている方は食や生活習慣に無頓着になってしまいやすい人が多くいたと感じました。

または一人暮らしなどで健康的な生活をしたいけれど、協力してくれる人がいないというのが現状です。

40代で実家で生活している患者さんの多くは親御さんが60代後半~70代でした。

ですので、家族で一緒に食事をしている人はほとんどいませんでした。

自分が食べるものは外で買ってきたり、コンビニ食だったり、外食で済ませてきたりと・・・

どうしてもこのような環境にある人が多かった感じがします。

男の人は自分の将来の健康のためにも結婚するというのもありだと思いました。

その4 大学で勉強した事はほとんど現場では使えない

大学生の皆さんには悲報だと思います。

しかし、実際に働いている人はここで言うまでもないという感じではないでしょうか?

ではどういったことなのでしょう。

まず、病態を理解する上で学んだ臨床栄養学や解剖学は勉強して無駄にはなりません。

もちろ教科書だけでは不十分すぎるので、社会人になってから日々知識をグレードアップしていく必要がありますが・・・

私がここで言っていることは、栄養指導する際の知識や技術についてです。

例えば、糖尿病の交換表や腎臓病の交換表についてですが、患者さんに授業で習った通りに伝えてみて「やってみてください!」といったところでできるのは100人中1人いればよいと思います。

あの交換表の概念は非常に素晴らしく、かつ簡単になっています。

しかし実際に患者さんの生活にリンクさせて使うとなると厳しい部分が出てきます。

もし交換表通りにできたとしても長くは続かないですし、やっている本人がストレスで病気になってしまいそうです。

私も交換表はかなり使いましたが、使う部分とそうでない部分をしっかり患者さん一人ひとり吟味しながら使いました。

また、この患者さんにとって優先順位が高いものは何なのか?など、色々な情報を集めながら使う道具や与える情報を変えていかないといけません。

糖尿病の患者さんに、「指示エネルギーがこのくらいだから○○単位でやってくださいね。」なんて指導は自己満足に過ぎません。

30分間指導の時間があったら、そのうちの20分くらいは「なぜこの患者さんはこうなってしまったのか?」についての情報収集を徹底的に行わないと意味がありません。

もっと言うならば、指導以前に患者さんから信頼してもらって色々お話を聞き出せる技術も必要になります。

そういったことは学校ではほとんど学べません。

なので私自身も社会人になって働きながら自分で勉強しました。

私は前職が販売・接客業でしたので、そこでの経験が栄養指導の場に非常に活きました。

「どうしたら、私を信頼し私の話をきいてくれるか?」

そんなことを日々考えながら働いていたので、病院で働いてみて改めて販売・接客業をしていて良かったなと思いました。

そのベースがないと、いくら良い栄養指導の媒体や知識、技術が良いものでも患者さんの行動変容にはつながりません。

ですので、この記事を見てくれている方が学生であれば今学んでいることは一生懸命勉強して、社会人なってからもますます勉強に励んでほしいと強く思います。

その5 自分が健康に日々生活できている事へのありがたみを感じる

半年間、約500人くらいですが様々な患者さんに出会いました。

そして様々な病態の患者さんとお話をさせていただき、自分が今こうして健康に毎日生活できているということが、何かのきっかけである日突然当たり前ではなくなる可能性があるんだなと感じました。

もちろん、自分自身日々の食生活やその他様々なことに気を付けています。

しかし身体の中を毎日異常がないか見られるわけではありません。

「こうなる前にあなたの話を聞きたかったよ。」という患者さんも実際にとても多かったです。

なので自分の身体の健康は自分でしっかり管理していかないといけないし、もっとそのように生活習慣で病を患う患者さんに対しては管理栄養士としてもっと力になれると思いました。

目が見えて、ごはんが普通に食べられて、会話ができて、歩けて・・・と、今私が日常で当たり前にできていることに感謝しようと思いました。

そして自分の身体を酷使し過ぎず、たまにはしっかり自分をいたわってあげる時間や、身体の声に耳を傾ける時間をしっかり作ろうと思いました。

その6 健康は一つの価値観でしかない

私は立場上、健康への価値観というものを中心に患者さんに接してきました。

それは管理栄養士として、患者さんの健康に少しでも役に立とうと仕事をしていたからです。

しかし、人それぞれ人生の生き方やそれを決める価値観があります。

家族や友との愛情を大切に生きる人もいれば、お金を大切にする人もいます。

仕事に生きる人もいれば、健康こそが第一!という価値観の人もいます。

なので健康は様々な価値観の中の一つの価値観、または様々な価値観を支えるベースにしか過ぎません。

みんな不健康よりは健康に生きたいと思いますが、人によっては健康よりも大事なものがある人も少なくありません。

実際に私もたくさんの患者さんに出会って、そのような人ともたくさん話もできました。

ある患者さんは、70台後半で凄い理解力があり、質問もたくさんしてくる意欲的な方でした。

聞くと、いわゆる企業戦士で寝る暇も惜しんで仕事に没頭していたそうです。

現役の時には部下は1000人を超え、特許も持っているほどの方でした。

年齢を重ねるにつれて、自分が病気であることはわかっていたそうです。

しかし特に治療はせずに、今目の前にある目標の達成と部下のためにと引退するまでは治療はせず全力疾走だったと言っていました。

引退してから治療を始めて10年以上経つそうですが、もう少し早く治療していればもっと良くなっていたとは医師には毎回言われていると笑っていました。

本人は自分が選んだ道に全く後悔はないそうです。

そういう生き方をする人は非常に稀ですが、必ず健康でいるべきと私の価値観を押し付けてしまうのも違うなと感じました。

健康そのもは生きる上でのベースにはなりますが、それが全てではないと様々な患者さんから学びました。

今自分を取り巻く環境の中で幸せに生きていく姿をたくさん見ることができたので本当に勉強になった半年間でした。

最後に

病院で働いた半年間は本当に毎日が想像を超えることばかりで衝撃の連続でした。

学生の時は教科書の中だけで病気について学んでいましたが、実際に目の前にすると様々な感情や思いが沸いていきました。

【生きること】や【死ぬこと】ついても日々考えさせられる毎日で、本当に経験して良かったと思います。

また、実際に病気が良くなって退院される方や退院後の努力で改善される方を見ると本当に嬉しかったです。

外来の病棟を歩いていると、数か月前に退院された患者さんが私を見つけて今の検査値や病状が回復したことを報告に来てくださったりしてくれました。

そういった経験も私の人生の大きな財産となりました。

病院はもっと暗いイメージだったのですが、それは自分の働き方次第なんだなと思いました。

もちろん、病院の形態や方針によっては管理栄養士が求められる仕事や働き方、患者さんへの貢献の仕方は変わってくると思います。

しかし【患者さんをより健康に・より元気に】というところは変わりません。

もしこの記事を読んでくださった方の中で病院で働いてみたい!と思った方がいたら嬉しいです。

長文をここまで読んでくださりありがとうございました。