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【超簡単!?】グリコーゲンの合成と分解について解説してみた!

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こんにちは!元高校球児の管理栄養士あじです。 スポーツ選手の食事や栄養学について『わかりやすく!』をモットーに情報発信しています!
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こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です!

今回の記事は糖質代謝④ということで、内容はグリコーゲンの合成と分解についてです。

グリコーゲンとは、簡単い言えば糖質のエネルギーの貯蔵です。

そんなグリコーゲンについて、合成や分解についてその代謝経路をできるだけわかりやすく解説していきたいと思います!

それでは早速見ていきましょう!

グリコーゲンとは?

グリコーゲンは動物がもつ糖質の貯蔵システムです。

グリコーゲンはグルコースが多くつながったもので、脳や赤血球を除くほとんどの細胞に存在しています。

簡単にグリコーゲンの構造をイメージできる図を用意しました!

このような感じです。

グルコースが枝分かれしながら長く結合しているのが分かると思います。

最初にグリコーゲンは動物がもつ糖質(グルコース)の貯蔵システムと言いましたが、植物ではでんぷんとして糖質(グルコース)が貯蔵されます。

でんぷんにはアミロースやアミロースペクチンなどの種類があります。

こちらもまたグリコーゲンのようにグルコースが枝分かれしながら長く結合しています。

なので私たち人間は、

  1. 植物版グルコースの貯蔵物であるでんぷんを食べて
  2. 一度単糖類であるグルコースにまで消化して吸収し
  3. 各細胞で動物版グルコースの貯蔵物であるグリコーゲンを生成する

という流れで私たちの身体に合う形でエネルギー源を貯蔵し直しているのです。

グリコーゲンが多く含まれている肝臓と筋肉

グルコースは全身の細胞に存在していますが、その多くは主に2つの場所に貯蔵されています。

それは肝臓筋肉の2つです。

肝臓はその重量の約5%が、筋肉にはその重量の約1%のグリコーゲンが貯蔵されています。

おおよその量は肝臓で約100g程度、筋肉では約300g程度です。

グルコースは1g約4kcalなので、エネルギー量に換算すると、肝臓で約400~500kcal、筋肉で約1200~1500kcalくらいの貯蔵量になります。

性別や体格によってその貯蔵量は違いますが、約1500~2000kcalくらいのエネルギー貯蔵量になっているのです。

筋肉に蓄えられたグリコーゲンは血中グルコースにはなりませんが、肝臓は必要に応じて血中グルコースを供給するので血糖値が維持されるのです。

食事をしない時間が長くなると、血糖値はだんだん下がってきます。

それは各細胞で常に様々な活動が行われているからです。

そうすると、血糖(血中グルコース)が徐々に下がってくるので肝臓のグリコーゲンを少しずつ分解して血糖値を一定の値に保っているのです。

さらに食事をしない状態が続くと、肝臓で蓄えられたグリコーゲンは空になり、今度は筋肉などに含まれているアミノ酸を分解し新たに血糖を維持しなくてはいけないのです。

肝臓のグリコーゲンは、このように血糖が不足した時のために貯蔵されているといっても過言ではありません。

一方で筋肉内のグリコーゲンは筋肉の細胞内で自家消費されます。

先ほども説明した通り、筋肉に蓄えられたグリコーゲンは肝臓のグリコーゲンのように直接血中グルコースを供給することはありません。

筋肉中のグリコーゲンは筋肉を動かすためのエネルギー貯蔵なのです!

こうしたグリコーゲンの合成や分解は、どちらかの代謝系が働くように、それぞれの代謝に対応する酵素が別々に制御・コントロールされているのです。

ここで大事なことをもう一度!

  • 肝臓・・・血中にグルコースを供給できる
  • 筋肉・・・血中にグルコースを供給できない

グリコーゲンの合成

グリコーゲンはグルコースが多数つながった多糖類です。

このグリコーゲンの構造内のグルコースとグルコースはグリコシド結合という結合によって結びついています。

グリコーゲンの生成にはエネルギーが利用されていて、UTPという高エネルギー結合をもつ物質が必要になるのです。

つまり、グリコーゲンの生成にはエネルギーが必要ということです。

エネルギーを使ってエネルギー源の貯蓄をするのです。

エネルギーがあるうちに緊急時に備えておく・・・

そんな感覚ですかね!

グリコーゲンの元はグルコースですが、その他の単糖類であるフルクトースやガラクトースもグリコーゲンの原料になります。

ここでは糖質代謝の主であるグルコースがグリコーゲンになる一連の代謝について解説していきます。

グルコースはまずグルコース-6-リン酸になります。

これは解糖系の一番最初の反応ですね。

グルコース-6-リン酸はホスホグルコムターゼという酵素によってグルコース-1-リン酸に変化します。

グルコース-1-リン酸はグルコース-1-リン酸ウリシリルトランスフェラーゼという酵素の作用によってUTPと反応してUDPグルコースとなります。

UDPグルコースはグリコーゲンシンターゼ(グリコーゲン合成酵素)によってグリコーゲンの一部とグリコシド結合しUDPを放出します。

このグリコーゲンの一部をプライマーと呼んだりしますが、特に覚える必要はありません。

ここで解説した一連の流れが続くとグリコーゲンの鎖はだんだん長くなります。

グリコーゲンはグルコース同士の結合の鎖が11分子にまで伸びると、枝分かれをしていくのです。

この枝分かれを作る酵素はアミロ-1.4-1.6-トランスグルコシダーゼといいます。

グリコーゲンはグルコースが11分子伸びると枝分かれし、さらに伸びて枝分かれし・・・と繰り返されて高分子になっていくのです。

特にこの枝分かれしていく過程は詳しく覚える必要はありません!

「グリコーゲンは枝分かれしてどんどん分子が大きくなっていくんだな」

くらいでなんとなく覚えておいてください!

グルコース以外の糖質のグリコーゲン代謝

糖質代謝の主はもちろんグルコースです。

しかし、その他の糖質についても気になるところですね!

ということで、その他の糖質であるフルクトースやガラクトースについても説明したいと思います。

フルクトースやガラクトースは全てUDPグルコースの形となってからグリコーゲンになるのです。

グリコーゲンの分解

グリコーゲンの合成は、いわば血糖(血中グルコース)値が下がった時のために余裕がある時に糖質を貯蓄しておくシステムです。

逆にグリコーゲンの分解は、血糖値が下がってしまった時に緊急的に下がってしまった血糖値を維持するためのシステムです。

グリコーゲンの合成と分解は逆の反応なので、

「グリコーゲンの合成と同じような代謝経路をたどれば良いのではないか?」

そう思う人もいると思いますが、実際にはそうではありません。

グリコーゲンの分解の第一段階は、グリコーゲンホスホリラーゼという酵素によって無機リン酸を結合し、グリコシド結合を切断します。

こうしてできたのがグルコース-1-リン酸です。

グリコーゲンは枝分かれしているので、その枝分かれ部分は少し特殊な分解のされ方をするのですがそこは特に気にしなくても大丈夫です。

グリコーゲンはグリコーゲンホスホリラーゼによってグルコース-1-リン酸に分解されるということだけで大丈夫です!

ここで生成されたグルコース-1-リン酸は、ホスホグルコムターゼによってグルコース-6-リン酸になります。

グルコース-6-リン酸は肝臓や腎臓ではグルコース-6-リン酸ホスファターゼという酵素が存在しているので最終的にグルコースを生成することができます。

肝臓では下がった血糖値を維持するために血中にグルコースを供給することができると最初に説明しましたが、それはこのような原理だったのです。

肝臓にはグルコース-6-リン酸ホスファターゼがあることでグリコーゲンからグルコースを作り出し血中に放出できるのです。

しかし、肝臓同様にグリコーゲンの主な貯蔵先である筋肉にはこのグルコース-6-リン酸ホスファターゼがありません。

ですので、グルコース-6-リン酸以降は解糖系に入りエネルギー産生されるだけなのです。

これが最初に説明した、筋肉内で貯蔵されたグリコーゲンは筋肉にて自家消費されるということです。

肝臓はグリコーゲンから新たにグルコースを作ることができますが、筋肉では新たにグルコースは作れないということです

まとめ

今回はグリコーゲンについて詳しく解説してきました!

ここでは、最低限覚えてほしいことをまとめてみたいと思います!

 

グリコーゲンとは?

  • グリコーゲンは動物版のでんぷん
  • グルコースが分岐しながらつながって結合している
  • グルコースが余っている場合・・・緊急時に備えて蓄える(合成)
  • グルコースが足りない場合・・・グリコーゲンからグルコースを供給(分解)

グリコーゲンが多く含まれているのは肝臓と筋肉

  • 肝臓・・・肝臓の約5%の重量(約100g程度)【約400~500kcal分】
  • 筋肉・・・筋肉の約1%の重量(約300g程度)【約1200~1500kcal分】
    ※体格や性別など個人差あり

 

グリコーゲンの合成

  • グリコーゲンはグルコース同士がグリコシド結合して作られている
  • グリコーゲンの生成にはUTPという高エネルギー物質からのエネルギーが必要である

グルコースの代謝

  1. グルコース→グルコース-6-リン酸
  2. グルコース-6-リン酸→グルコース-1-リン酸
  3. グルコース-1-リン酸→UTPと反応してUDPグルコース
  4. UDPグルコース→グリコーゲンの一部になる

その他の単糖類であるフルクトースやガラクトースもUDPグルコースになりグリコーゲンの原料になる

グリコーゲンの分解

  1. グリコーゲン→グルコース-1-リン酸
  2. グルコース-1-リン酸→グルコース-6-リン酸
  • 肝臓・・・グルコース-6-リン酸ホスファターゼ有り
  • 筋肉・・・グルコース-6-リン酸ホスファターゼ無し
  • 肝臓・・・グルコース-6-リン酸→グルコースを生成可能
  • 筋肉・・・グルコース-6-リン酸→解糖系にてエネルギーの産生

肝臓のグリコーゲン分解経路

 

筋肉のグリコーゲン分解経路

いかがでしたか?

それでは次回の記事も楽しみにしていてください!

 

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