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【力説!】グルコース以外の単糖類の解糖系への合流とは?

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こんにちは!元高校球児の管理栄養士あじです。 スポーツ選手の食事や栄養学について『わかりやすく!』をモットーに情報発信しています!
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こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です!

前回は糖質代謝のメインでもあるグルコースの解糖系という代謝系について解説しました!

今回は糖質代謝③ということで、グルコース以外の糖質代謝についてです!

解糖系の記事をまだご覧になっていない人は、こちらの記事をご覧ください!

【日本一優しい!?】解糖系について簡単に解説してみた!

この記事を読んだ人は、もしかするとこう思ったのではないでしょうか?

「グルコースの代謝はなんとなく理解したけど、その他の糖質はどのように代謝されていくの?」

今回はそんな疑問を解決すべく、グルコース以外の単糖類の代謝について解説していきたいと思います。

糖質の消化・吸収の簡単な復習

グルコース以外の糖質の代謝を理解するためには、まず糖質の消化と吸収を理解する必要があります。

ここでは、糖質を食物中から摂った後どのようにして消化吸収するのか復習していきましょう!

一からしっかりと詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください!

【必見!】炭水化物や糖質の消化吸収の仕組みを簡単にまとめてみた!

参考記事にもあるように、糖質は単糖類・少糖類・多糖類と大きく分類されます。

そして、私たちが日常的によく摂取する糖質一覧はこちらです。

糖類名 多く含まれる食品例
多糖類 でんぷん 米、パン、イモ
グリコーゲン 馬肉、レバー
デキストリン でんぷん分解物
少糖類 マルトース(麦芽糖) 麦芽、水あめ
スクロース(ショ糖) 砂糖、甜菜
ラクトース(乳糖) 牛乳、母乳
単糖類 グルコース 米、パン(でんぷんとして)
フルクトース 果物類
ガラクトース トマト、スイカ、乳製品
  • 多糖類・・・でんぷん、グリコーゲン、デキストリン
  • 少糖類・・・マルトース、ラクトース、スクロース
  • 単糖類・・・グルコース、フルクトース、ガラクトース

 

食物中に多く含まれている糖質は上記のようなものです。

これらを私たち人間は消化し吸収して利用していくのですが、上記で紹介した糖質は分解するといくつかの代表的な単糖類にまで分解されます。

こちらの図をご覧ください!

上の図を見てもわかるように、多糖類であるでんぷんは最終的には全てグルコースに分解されます。

でんぷん以外にも、グリコーゲンやデキストリンもグルコースのみで構成されているので、小腸で吸収されるときには全てがグルコースとなっています。

少糖類を見ていくと、ラクトースはグルコースとガラクトースに、スクロースは、グルコースとフルクトースに分解されます。

マルトースはグルコース同士が結合した二糖類なので、最終的にはグルコースに分解されます。

単糖類はそのまま吸収されるの、結果的に全ての糖質は最終的に数種類の単糖類になるのです。

まとめると以下のようになります。

糖類名 吸収時の最終分解物
多糖類 でんぷん グルコース
グリコーゲン グルコース
デキストリン グルコース
少糖類 マルトース(麦芽糖) グルコース
スクロース(ショ糖) グルコース、フルクトース
ラクトース(乳糖) グルコース、ガラクトース
単糖類 グルコース そのまま吸収
フルクトース そのまま吸収
ガラクトース そのまま吸収

 

このようになるのです。

ということは、糖質の代謝を考える時に重要なのはグルコースが主であって、その他フルクトースやガラクトースも少し理解しておけば良いということです!

私個人的な考えでは、グルコースのみをしっかり理解しておけば糖質の代謝に関しては全く問題ないと思います。

そして、フルクトース・ガラクトースその他いくつかの糖質に関しては頭の片隅になんとなく入れておけばそれ以上は必要ありません!

それでは前置きが長くなりましたが、グルコース以外の糖質の代謝を見ていきましょう!

全て糖質は解糖系に合流する

今から紹介しようとしている糖質は次の通りです。

  1. ガラクトース
  2. フルクトース
  3. マンノース

 

実はこれらは全て解糖系に合流するのです。

なので、1分子のグルコースが2分子のピルビン酸になるまでの過程である解糖系を理解さえしてしまえば、その他の糖質代謝は覚えなくても大丈夫です。

「最終的にグルコース以外の糖質もピルビン酸になるんだなぁ~」くらいで覚えて頂ければまず間違いありません!

なので、糖質代謝で最も大事なのは何回も繰り返しになりますが、解糖系なのです!!

下に解糖系の簡略図を載せておきますので、是非解糖系をマスターしてください!!

ガラクトースの代謝

ガラクトースはガラクトース特有の代謝経路を経て、解糖系に合流します。

ではどのように解糖系に合流すか簡単に解説したいと思います。

ガラクトースはまずガラクトース-1-リン酸になります。

次にガラクトース-1-リン酸は、UDPガラクトースとなります。

次にUDPガラクトースは、UDPグルコースになります。

UDPグルコースは、グルコース-1-リン酸となり、グルコース-6-リン酸となって解糖系に合流するのです!

グルコース-6-リン酸は解糖系のこの場所に当たります!

こうしてガラクトースは解糖系に合流して代謝されていくのです。

グルコース-6-リン酸以降はグルコースの代謝と全く同じです。

フルクトースの代謝

フルクトースは、肝臓に存在する酵素であるケトヘキソキナーゼによってフルクトース-1-リン酸となります。

その後、アルドラーゼによる反応でジヒドロキシアセトンリン酸グリセルアルデヒドに分解されます。

ジヒドロキシアセトンリン酸は解糖系に合流してグリセルアルデヒド-3-リン酸となります。

一方グリセルアルデヒドは、グリセルアルデヒド-3-リン酸になり、こちらもまた解糖系に合流します。

ここで説明した経路は肝臓にて代謝される経路です!

実はフルクトースの代謝経路には、フルクトースからフルクト-6-リン酸に変化しそのまま解糖系に入る経路も存在します。

これは筋肉での代謝経路です!

なのでフルクトースも最終的には解糖系に入ると覚えてくれれば問題ないです!

肝臓においては

  • フルクトース→フルクトース-1-リン酸→ジヒドロキシアセトンリン酸&グリセルアルデヒド
  • ジヒドロキシアセトンリン酸→解糖系へ
  • グリセルアルデヒド→グリセルアルデヒド-3-リン酸→解糖系へ

 

筋肉においては

  • フルクトース→フルクトース-6-リン酸
  • フルクトース-6-リン酸→解糖系へ

 

この経路があるということです!

それぞれ解糖系の全体図でみるとどこに当たるのか見ていきましょう!

特にこの肝臓と筋肉の代謝経路の違いを覚える必要はありません!

大切なのはフルクトースも解糖系に合流するということです!!

マンノースの代謝

単糖類の中にはマンノースという糖質もあります。

このマンノースは糖タンパク質の構成成分として非常に重要な働きをしています。

たんぱく質はアミノ酸のみで構成された単純たんぱく質と、アミノ酸以外の物質も含む複合たんぱく質があります。

マンノースはこの複合たんぱく質を構成する時に非常に重要な役割を担っているのです。

そんなマンノースはヘキソキナーゼという酵素によってマンノース-6-リン酸に変えられます。

次にマンノース-6-リン酸イソメラーゼという酵素によってフルクトース-6-リン酸に変えられるのです。

フルクトース-6-リン酸からは解糖系に合流しますので、グルコース代謝と同じ代謝経路をたどります。

マンノースは私たち人間ではあまり代謝されません。

食物から摂取してもマンノースはほとんど解糖系には入ってこないのです。

なので、「そんな糖もあるんだなぁ~」くらいの感覚で覚えておいて頂ければ大丈夫です!

脂質の一部も解糖系で代謝される?

グリセロールという物質をご存知でしょうか?

グリセロールというのは脂質の一部です。

私たちがいつも言っているいわゆる【脂肪】は、中性脂肪のことを指していますが、構造的にはこのようになっています。

物質の名前としては、トリアシルグリセロール(TG)と呼ばれています。

中性脂肪(トリアシルグリセロール)はこのグリセロールに3つの脂肪酸が結合しています。

逆に、中性脂肪(トリアシルグリセロール)は分解されたときにはグリセロールと3つの脂肪酸に分かれます。

脂肪酸は脂肪酸特有の代謝経路によって代謝されていくのですが、グリセロールは実は糖質代謝の一部を借りて代謝されていきます。

少し難しく思うかもしれませんが、考えてみればごく自然なことです。

「ご飯や甘いものなどの糖質を摂りすぎると太るよ?」このようなことをあなたもたくさん耳にしたことがあると思います。

これは糖質を食べ過ぎると、余った糖質が中性脂肪に変わり体脂肪として蓄えられるということですよね?

糖質は摂りすぎると中性脂肪(体脂肪)に変わります。

なので、糖質代謝と脂質の代謝は一部でつながっているのです!

つまり糖質代謝と中性脂肪を作ったり分解したりする代謝はつながっていて、

  • 糖質を食べ過ぎて太る・・・糖質の代謝→中性脂肪を作る代謝
  • 蓄えた脂肪を燃やす・・・中性脂肪を分解する代謝→糖質の代謝・脂肪酸の代謝

 

このようになるのです。

今から説明するグリセロールの代謝はグリセロールが脂肪が分解されてできたものなので、ダイエットする時に起きている代謝と同じ代謝ということです!

それではグリセロールの代謝について解説していきたいと思います。

グリセロールの代謝

脂肪が分解されて生じるグリセロールは、グリセロールキナーゼという酵素によって、グリセロール-3-リン酸となります。

グリセロール-3-リン酸は、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼという酵素によってジヒドロキシアセトンリン酸となります。

ここまで学んだ人はもうお分かりだと思いますが、このジヒドロキシアセトンリン酸以降は解糖系に合流するのです。

この反応は逆行もすることができ、ジヒドロキシアセトンリン酸から、グリセロールを作ることが可能です。

「糖質を食べ過ぎて太った。」

というときはこの反応が逆に進んだことによって中性脂肪(トリアシルグリセロール)の合成が促されたということです。

多量の糖質が体内に入ってきたときは、糖質を脂肪に変えるためにこのような代謝の流れになるので覚えておいて損はないと思います。

またこの反応の向きや反応性というのは、その他の様々な代謝によって制御・コントロールされています。

解糖系はもちろん、糖を新たに作る糖新生、脂肪を蓄える脂肪合成系、脂肪を分類する脂肪分類系などです。

これらの代謝は常に同時進行であるので、それぞれが相互作用してここで紹介した代謝の向きや反応性を決めているのです。

まとめ

今回はグルコース以外の糖質の代謝について見ていきました!

少しまとめてみたいと思います。

 

ガラクトースの代謝

  1. ガラクトース→ガラクトース-1-リン酸
  2. ガラクトース-1-リン酸は→UDPガラクトース
  3. UDPガラクトース→UDPグルコースになります。
  4. UDPグルコース→グルコース-1-リン酸
  5. グルコース-1-リン酸→グルコース-6-リン酸
  6. グルコース-6-リン酸→解糖系へ

 

フルクトースの代謝

代謝経路①

  1. フルクトース→フルクトース-1-リン酸
  2. フルクトース-1-リン酸→ジヒドロキシアセトンリン酸&グリセルアルデヒド
  3. ジヒドロキシアセトンリン酸→解糖系へ
  4. グリセルアルデヒド→グリセルアルデヒド-3-リン酸
  5. グリセルアルデヒド-3-リン酸→解糖系へ

 

代謝経路②

  1. フルクトース→フルクトース-6-リン酸
  2. フルクトース-6-リン酸→解糖系へ

 

マンノースの代謝

  1. マンノース→マンノース-6-リン酸
  2. マンノース-6-リン酸→フルクトース-6-リン酸
  3. フルクトース-6-リン酸→解糖系へ

 

グリセロールの代謝

  1. グリセロール→グリセロール-3-リン酸
  2. グリセロール-3-リン酸→ジヒドロキシアセトンリン酸
  3. ジヒドロキシアセトンリン酸→解糖系へ

以上です。

最後に全体図を簡略化するとこのようになります。

是非糖質代謝の全体図をこれでなんとなく理解してくださいね!

以上です!

次回の記事もお楽しみにぃ~!

 

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