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【これで納得!】ケトン体の生成過程と代謝についてわかりやすく解説してみた!

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こんにちは!元高校球児の管理栄養士あじです。 スポーツ選手の食事や栄養学について『わかりやすく!』をモットーに情報発信しています!
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こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です!

今ちまたでよく耳にするケトン体という言葉。

名前は聞いたことがあるけれど・・・そもそもケトン体とはどんなものなの?

そんな疑問を持つ人もいるかと思います!

今回はそんなケトン体についてできるだけ簡単に、さらにわかりやすく解説していきたいと思います!

それでは早速見ていきましょう!

ケトン体という物質の名前が一般的に知られるようになった理由とは?

ケトン体という言葉はもしかするとあなたも聞いたことがあるかと思います!

では最近どのような情報からケトン体というワードが広まって一般的になりつつあるかを少し探っていきましょう!

ココナッツオイルブーム

私が考えるに、ケトン体の火付け役の一つがこのココナッツオイルブームです。

私は以前、都内で健康食品を販売する仕事をしていましたが、このココナッツオイルブームはまさに異常でした。

販売の勢いがすごすぎて入荷が見込めず、何か月先の予約にもかかわらず数百本単位で予約が埋まっていたのを鮮明に覚えています。

この顔や髪の毛に塗ったり、食べたりと美容に良し健康に良しと謳われたココナッツオイル。

このココナッツオイルを食べることで体内でケトン体が生じ、それが脳のエネルギー源になるということで認知症予防に効果が!?と連日TVなどで放送されていました。

そしてそれを追うようにネットでもケトン体という文字が日常的に目に入るようになったのです。

糖質制限ダイエット

専門家の間でも面白いくらい賛否両論分かれるこの糖質制限ダイエット

2017年現在もこの糖質制限ダイエットは非常に世間を賑わせているのは事実で、近年最も注目されているダイエット法の一つであることは間違いないと思います。

この糖質制限ダイエットでは、ケトン体が体内で生じます。

ケトン体は後で詳しく解説しますが、糖質が体内で無くなった時の緊急時のエネルギー源として作られるのです。

ケトン体とは糖が体内で不十分の状態で行われる脂質の代謝過程で生成されます。

なので糖質制限ダイエットというのは、摂りすぎると脂肪に変換されやすい糖質を制限して、脂質による(ケトン体も含む)エネルギーに頼って生命活動をしていくということになります!

 

以上の2つの事例がケトン体という名前が世に知れ渡ったきっかけになったのではないか?

私個人的にはそのように感じています。

最近ではケトジェニックダイエットなんて言葉も出ていますね!

ジェニックとは「○○によって作られた」のようなニュアンスがあるので詳しくはわかりませんが、これはケトン体によるダイエットみたいな意味ですかね!

ということで、ここからはそんなケトン体というものがどのようなものか具体的に解説しています!

ケトン体とは?

ケトン体って何・・・?

なんかプリン体に名前が似ていますね!

このビールのCMなんかで良く耳にするプリン体は、プリン骨格を持った塩基全てをプリン体と呼びます。

つまり、プリン体はプリン環というを基本骨格をもっている物質の総称のことです。

これと同じでケトン体も何かの総称なのです。

では何の総称なのでしょうか?

ケトン体とは次の3つの物質の総称を示しています!

  1. アセト酢酸
  2. β-ヒドロキシ酪酸
  3. アセトン

 

この3つの物質を全てひっくるめてケトン体と呼んでいるのです。

なのでココナッツオイルを摂取した時や、糖質制限ダイエットによって体内でケトン体が生じた時、体内でケトン体という名前の物質が生成されていたわけではありません。

アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンが体内で生成されているということなのです!

ではそれぞれの物質がどのように生成されていくか見ていきたいと思います!

肝臓でのケトン体の生成

まずケトン体が生成される条件として、体内に糖が十分に供給されていないということがあります。

糖質をしっかり外界から摂取していて、体内において糖が十分に充足している状態であればケトン体は生じません。

それは、TCAサイクルがスムーズに回転するので脂肪酸の分解によって生じたアセチルCoAが速やかに利用されるからです。

TCAサイクルについてよくわからない方はこちらの記事を先に読むと理解が深まると思います!

【必見!】TCAサイクルについてできるだけ簡単に解説してみた!

何も食べないような飢餓状態などや、糖が体内にあるにも関わらず上手く利用されない糖尿病では、糖の供給が不十分な状態なります。

このように糖が体内で不十分になると、オキサロ酢酸が不足します。

それによってTCAサイクルによるアセチルCoAの処理が低下していしまうのです。

このような状態によって肝臓で脂質が代謝された際にケトン体が生じるのです!

  1. 糖が不十分になる
  2. 糖質由来のオキサロ酢酸が不足する
  3. アセチルCoAの処理も低下する
  4. 肝臓でアセチルCoAからアセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸が生成される

 

このような順序を追って肝臓でアセチルCoAからアセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸が生成されます。

そしてそのアセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸は全身に運ばれていきます!

もう少しその代謝内容を詳しく見てみましょう!

まずアセチルCoAはアセトアセチルCoAとともにHMG-CoA合成酵素によって、HMG-CoA(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA)を生成します。

アセチルCoAは、HMG-CoAを経てアセト酢酸になり、β-ヒドロキシ酪酸やアセトンとなるのです。

アセト酢酸からβ-ヒドロキシ酪酸になる反応では、D-3-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼという酵素によって触媒されます。

また、アセト酢酸から炭酸が抜けてアセトンになるのです。

このアセト酢酸から炭酸が抜ける反応は、酵素の力を必要とせず炭酸が抜けるので専門的には「非酵素的脱炭酸」と呼びます。

アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸はその後体内で利用されますが、こうして生じたアセトンだけは呼気として排出されます。

ここで復習ですが、ケトン体は何の総称でしたでしょう?

  1. アセト酢酸
  2. β-ヒドロキシ酪酸
  3. アセトン

 

こうしてケトン体は体内で作られるのです。

ケトン体を生成する酵素は主に肝臓のミトコンドリア内に多く含まれています。

なのでこのケトン体の生成もほとんど肝臓で行われています。

糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットなどで検索したときに肝臓というキーワードが出るのはそのためです!

それでは次はケトン体の利用について見ていきたいと思います!

ケトン体は絶食時(飢餓時)の脳のエネルギー源!?

ケトン体が生成するところまで解説してきました!

では一体なぜケトン体というものが生じるのでしょうか?

それは飢餓時でもなんとかエネルギー源を生み出して生きていくためのシステムが私たち人間には備わっているからです。

ケトン体というのは、糖が枯渇した際に脳にとって唯一のエネルギー源となります。

もしかすると脳で使えるエネルギー源はブドウ糖(グルコース)だけと思っている方は多いかもしれません。

しかし実はこのようにケトン体も脳で利用することができるのです。

通常の状態では脳はブドウ糖(グルコース)のみをエネルギー源としています。

脂肪を分解して得られる脂肪酸は血液脳関門を通過することが不可能なので脳は脂肪酸をエネルギー源として利用することはできません。

ですので体内で糖が枯渇したときには、その糖に変わる脳のエネルギー源を作らないといけないのです。

その一つの手段としてこのケトン体を生成するシステムや、新たにグリセロールやアミノ酸から糖を作り出す糖新生というシステムがあります。

このようにケトン体は水に溶ける物質で血液脳関門を通ることができ脳で利用できますし、脳以外でも骨格筋や心臓やなどその他多くの臓器に運ばれて各細胞のミトコンドリア内で代謝されます。

こうして糖に代わるエネルギー源として利用されるのです。

肝外組織でのケトン体の利用と代謝

では実際にどようにしてエネルギー源としてケトン体が利用されていくのか見ていきたいと思います。

肝臓で作られたケトン体は肝臓で使うことができません。

なので肝臓以外の組織でエネルギー源として利用するしかないのです。

なぜ肝臓ではケトン体を作ることができるのに利用できないかというと、自分で作ったケトン体を自家消費しないように酵素がないからなのです!

人間の身体は本当にうまくできていますね!

ケトン体は脂肪酸とは違い、水に溶ける性質があるため特別な輸送体(運搬するためのたんぱく質)がなくても肝臓からその他の臓器に運ぶことができます。

こうして肝外組織へ運ばれたケトン体は再びアセチルCoAに戻されてTCAサイクルで代謝されていくのです。

この時エネルギー源として利用されるのはアセト酢酸のみで、β-ヒドロキシ酪酸はアセト酢酸に変換されてエネルギー源をとして代謝されるのです。

またアセトンは呼気中に排出されていきます。

このようにケトン体がエネルギー源として利用される際に最初の基質となるのがアセト酢酸になります。

アセト酢酸はスクシニルCoA-アセト酢酸トランスフェラーゼという酵素によってアセトアセチルCoAが生成されます。

アセトアセチルCoAはチオラーゼという酵素の作用によってアセチルCoAになります。

そしてアセチルCoAはTCAサイクルによって利用され、エネルギーを生み出していくのです!

 

以上がケトン体のエネルギー源としての代謝でした!

これまで記事を読み進めてもうおわかりだと思いますが、ケトン体とは飢餓時など緊急時の脳をはじめとする各組織のエネルギー源だということです!

これでケトン体の性質を利用したダイエットなどの情報を目にした時に、あなたはより一層理解が深まるのではないでしょうか?

まとめ

今回はケトン体について様々なことを解説してきました!

ここでまとめておきます!

 

ケトン体の名が知られるようになった理由

  1. ココナッツオイルブーム
  2. 糖質制限ダイエットブーム

※私の個人的見解です

 

ケトン体とは?

  • 糖質が体内に十分に供給できなくなった状態で脂質を主とする物質から肝臓で生成される
  • 糖が枯渇した際、脳の唯一のエネルギー源なる
  1. アセト酢酸
  2. β-ヒドロキシ酪酸
  3. アセトン

以上3つの物質の総称

 

肝臓でのケトン体の生成

 

肝外組織でのケトン体の利用

 

以上です!

いかがでしたか?

それでは次回の記事も楽しみにしていてください!

 

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