ビタミンB₁₂の生理作用・食事摂取基準・多く含む食品などを簡単にまとめてみた!
こんにちは!
今回はビタミンB₁₂について書いていこうと思います。
このビタミンB₁₂は体内で必要とされる量は本当に少しですが、不足すると困ったことがたくさん起こります。
そんな縁の下の力持ちビタミンについて今日もできるだけ簡単に優しく解説していきたいと思います!
もくじ
ビタミンB₁₂を動画で学びたい人はこちら
※動画内では食事摂取基準2015を使用しています。(動画作成時は最新だったため)現在の最新版である食事摂取基準2020はこの記事内に記載しています。
ビタミンB₁₂のプロフィール
ビタミンB₁₂は金属のコバルトを含むのが特徴です。
なので化学名もコバラミンと、コバルトの要素が入ってきます!
このビタミンB₁₂は貧血の治療の研究を進めている過程で発見されました。
ですので、血液を作ることに関わっていることがわかりますね!
実際にビタミンB₁₂には造血作用があり、不足すると貧血になってしまいます。
そんなビタミンB₁₂に関してもう少し詳しく見ていきましょう!!
ベジタリアンがビタミンB₁₂不足になりやすい理由とは?
ベジタリアンとは菜食主義の方を指します。
ひとくくりにベジタリアンと言っても様々で、どこまでを許容するかが違ってきます。
なのでベジタリアンの人は絶対ビタミンB₁₂が不足しやすい!とは言い切れません。
ベジタリアンの中には
- 動物性食品は全てにおいて避ける
- 乳・乳製品はとる
- 卵はとる
- 乳・乳製品と卵はとる
- 魚介はとる
などなど、細かく分かれていきます。
このような食事は、価値観・文化・宗教など様々な要因から食べるものを取捨選択していくのだと思います。
このように動物性食品を食べない人たちはビタミンB₁₂が不足しやすいのです。
それはこのビタミンB₁₂は主に動物性食品に多く含まれている栄養素だからです。
動物性食品を食べないとなると植物性食品から摂るわけですが、なかなかこのビタミンB₁₂を植物性食品から摂るのが難しいのです。
今日から動物性食品をできるだけ避けて菜食主義になりたい!!
そう思って実行される場合は、このビタミンB₁₂の不足には十分注意していただきたいと思います。
ビタミンB₁₂の生理作用
ビタミンB₁₂は体内での必要量が他のビタミンに比べても非常に少ないのが特徴です。
他のビタミンB群がmg単位で必要なの対して、このビタミンB₁₂はμg単位です。
ですが、非常に重要な働きがこのビタミンB₁₂にはあります。
たんぱく質や核酸の合成をはじめ、中枢神経系機能の維持、脂質代謝など多岐にわたります。
ビタミンB₁₂は葉酸と仲良しで、葉酸とセットで覚えてくれたら良いと思います!
ビタミンB₁₂は葉酸と共に骨髄で正常な赤血球を作り出すのです。
これはビタミンB₁₂や葉酸の核酸の合成に関わっているためできるのです。
この核酸とは何かというと遺伝子に関わっている物質なので、細胞分裂には欠かすことが出来ません。
新しい細胞を作ったり、細胞が生まれ変わったりする時にこのビタミンB₁₂が必要になるという事です。
赤血球に話を戻すと、この赤血球は骨髄で常に作り続けられるのでこのビタミンB₁₂や葉酸が不足すると赤血球も不足し貧血になります。
これを一般的には悪性貧血(巨赤芽球性貧血)と呼びます。
また、ビタミンB₁₂は脳にも非常に重要な役割があります。
中枢神経系という、私たち人間が生きていくために非常に重要な神経系の機能を維持する働きもあるのです。
睡眠障害がある人や、認知症の人は、体内においてこのビタミンB₁₂濃度が低いとも言われているのです。
もちろんこれらの障害や症状はビタミンB₁₂のみが原因でなるわけではありません。
様々な要因が重なって起こるのですが、その要因の一つとしてビタミンB₁₂が深く関わっているというのは確かです。
ビタミンB₁₂の欠乏症
ビタミンB₁₂はビタミンB₆同様に腸内細菌が多少合成してくれているので、一般的には不足は考えにくいとされています。
極端に偏った食事をしなければ、まず不足することはないでしょう。
では実際に不足した場合はどのような症状が現れるのでしょうか?
一番有名なビタミンB₁₂の欠乏症はやはり悪性貧血です。
これはビタミンB₁₂に造血作用があるため、それが不足することで赤血球を作れず貧血になってしまいます。
悪性貧血の場合、全身の疲労や、めまい、動悸、食欲不振などの症状が起こります。
その他にも、ビタミンB₁₂が不足することで神経系の不調が起こったりもします。
ビタミンB₁₂が不足しやすい人とは?
先ほども説明したように普通の食事をしていればまず不足することはありません。
しかし不足しやすい人が全くいないわけではないので、ここで少しだけ説明したいと思います!
まずは、一番最初にも紹介したようにベジタリアンの人は不足しやすいです。
ベジタリアンの人は、もともと摂取する量が不足するために体内でも不足してしまいます。
特にベジタリアンの中でも厳格に動物性食品を避けている人は不足しやすいといえます。
次に高齢の方です。
高齢の方はどうしても吸収が悪くなりがちです。
さらに食事量も減りますから 摂取量+吸収 という面で不足しやすいと言えます。
最後に胃を摘出した人です。
このビタミンB₁₂は小腸で吸収される栄養素です。
小腸で吸収されるためには、胃の壁から分泌される糖たんぱく質が必要なのです。
これによってビタミンB₁₂が小腸から吸収されるのです。
ですので胃を病気などで摘出してしまった人は、この胃から分泌された助けがないので吸収されにくくなってしまうのです。
この場合、吸収が低下するために不足するというパターンです。
逆にこのビタミンB₁₂という栄養素は、このような特別なことがない限りは不足することはありません。
ビタミンB₁₂の食事摂取基準
ビタミンB₁₂の食事摂取基準を、年代別、性別にそれぞれまとめていますのでご覧ください!
あなたに合った摂取量を見つけることは出来ましたか?
それでは、ビタミンB₁₂がどのような食品に多く含まれているか見ていきましょう!
ビタミンB₁₂を多く含む食品
食品名 | 一食分の目安量(g) | 成分含有量(µg) | |
穀類 | 精白米 | 150(1膳) | 0 |
玄米 | 150(1膳) | 0 | |
豆類 | – | – | – |
いも類 | – | – | – |
種実類 | – | – | – |
きのこ類 | – | – | – |
海藻類 | 焼きのり | 3(小10枚) | 1.7 |
青のり | 1(小さじ1) | 0.3 | |
野菜類 | – | – | – |
果物類 | – | – | – |
魚介類 | 牡蠣 | 70(小2個) | 19.7 |
あんこう肝 | 50(1切れ) | 19.6 | |
サンマ | 150(1尾) | 18.6 | |
アサリ | 30 | 15.7 | |
シジミ | 20 | 12.5 | |
イワシ | 40(1尾) | 11.7 | |
サバ | 80(1切れ) | 8.5 | |
肉類 | 牛レバー | 50 | 26.4 |
鶏レバー | 50 | 22.2 | |
豚レバー | 50 | 12.6 | |
卵 | – | – | – |
乳製品 | – | – | – |
これらがビタミンB₁₂を多く含む食品です。
ビタミンB₁₂は特に肉や魚などの動物性食品に多く含まれていることが分かります。
中でも肝臓(レバー)に多く、魚介類だとサンマや牡蠣に多いですね!
植物性のものだと海藻類にわずかに入っている程度です。
やはり動物性食品は栄養価が高いですね!!
ビタミンB₁₂の効率的な摂取方法
ビタミンB₁₂は水に溶けるので他の水溶性ビタミン同様に、煮汁やゆで汁ごと食べられる調理法がオススメです。
また、ビタミンB₁₂は光や空気によって酸化が進むので肉や魚など冷凍保存する時にはしっかりと密閉すると良いです!
主に肝臓系に多く含まれているので、魚や貝類を食べる時も内臓を食べると多く摂取することが出来ます!
ベジタリアンの方は発酵食品である納豆や海藻類から上手に摂るようにしましょう!
まとめ
今回はビタミンB₁₂について要点を解説してきました!
それでは最後にビタミンB₁₂についてポイントをまとめていきたいと思います。
ポイント1 ビタミンB₁₂の主な生理作用
- たんぱく質の合成
- 核酸の合成
- 中枢神経系の機能維持
- 脂質代謝
ポイント2 ビタミンB₁₂の欠乏症
- 悪性貧血(巨赤芽球性貧血)
- 神経系機能の低下
ポイント3 ビタミンB₁₂が不足しやすい人
- ベジタリアンの中でも厳格に動物性食品を避けている人
- 高齢の方
- 胃を敵出した人
ポイント4 ビタミンB₁₂を多く含む食品と効率的な摂取方法
- 動物性食品に多く含み特に肝臓(レバー)に多い
- 水溶性ビタミンなので汁ごと食べられる調理法がオススメ
- 魚介類を食べる時は内臓も一緒に食べる
いかがでしたか?
次回の記事も楽しみにしていて下さい!