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【食品の二次機能】五つの基本味とその他の呈味物質

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こんにちは!元高校球児の管理栄養士あじです。 スポーツ選手の食事や栄養学について『わかりやすく!』をモットーに情報発信しています!
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こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です!

ここ最近はずっと代謝系の記事ばっかりだったので、少し気分転換に違う種類の記事を書きたいなと思います!

いつも同じような記事を毎日書いていると、どうしても飽きがきますね・・・

代謝系の記事を心待ちにしていた方すみません(。-人-。)

ということで、今回はタイトルにもあるようにについてです。

何かを口にした時に感じるあの『味』について少し化学的に見ていこうと思います!

五大基本味とは?

いきなりですが、あなたは五大基本味を言えますか?

五大基本味とは次の5つです!

  1. 甘味・・・あまぁ~い味
  2. 酸味・・・酸っぱい味
  3. 塩味・・・しょっぱい味
  4. 苦味・・・にがぁ~い味
  5. 旨味・・・なんて表現すればよいのかわからず・・・

 

最初は基本味というのは、甘味、酸味、塩味、苦味の4つでした。

しかし、化学的に刺激を与える味として旨味も認知されています。

この旨味こそ日本食の良いところ、日本人の味覚の優れている感覚ではないでしょうか!

この5つの基本味以外にも味がありますよね?

  • 辛味
  • 渋味
  • えぐ味

 

これらは化学的な感覚だけでなく、痛覚などの皮膚感覚が混じったものです。

もちろんこれらの味も食品がもつ固有の『味』を構成する要素であることは間違いありません。

今回は主に5つの基本味について、どのような化学的成分が存在しているのか解説していきたいと思います!

それでは早速見ていきましょう!

基本味その① 甘味

甘味は私たち人間が本能的に好む味とされています。

そしてこの甘味を代表する成分は糖類です!

糖類はエネルギー源ですので、私たちは本能的に生きるためのエネルギー源である糖類を好むのです!

疲れた時に食べるスイーツや、イライラした時に食べる甘いものって幸せになりますよね!

そんな甘味はどのような成分によってもたらされるのでしょうか?

以下にまとめておきますのでご覧ください!

甘味物質の種類と性質
種類 名称 所在 甘味度
糖類 スクロース サトウキビ、甜菜 1
異性化糖 でんぷん 1~1.2
グルコース 果物、ハチミツ 0.6~0.7
フルクトース 果物、ハチミツ 1.2~1.8
キシロース 木材、稲わら 0.5~0.6
乳糖 0.2~0.3
トレハロース カビ、酵母 0.45

アルコール
マルチトール 麦芽糖 0.8~0.9
ソルビトール グルコース 0.4~0.7
エリスリトール グルコース 0.8~0.9
キシリトール キシロース 0.9~1.2
砂糖の
誘導体
カップリングシュガー 砂糖 0.5~0.6
フラクトオリゴ糖 砂糖 0.6
パラチノース 砂糖 0.4
たんぱく質

アミノ酸
タウマチン アカテツ科植物の果実 1600
モネリン アカテツ科植物の果実 3000
グリシン 0.9
D-トリプトファン 35
D-フェニルアラニン 5
アスパルテーム L-フェニルアラニン
L-アスパラギン酸
200
配糖体

その他
サッカリン 合成甘味料 300~500
グリチルリチン 甘草 150~200
ステビオシド ステビアの葉 250~300
フィロズリチン 甘茶 200~300
ぺリラルチン 青シソ 2000
プロピルメルカプタン 玉ねぎ 60

基本的に甘味度というのはスクロースの1を基準に設定されています。

つまり、砂糖の甘さを1とした時にその他の甘味成分がどのくらい甘いかということです!

タウマチンや、モネリンなんて数千倍・・・

どのくらい甘いのか想像できないですね・・・

甘さを通り越してもはやえぐ味がすごそうですよね!

基本味その② 酸味

レモンや梅干しって想像するだけで唾液が出てきますが、それだけ酸味は強い刺激ということです。

酸味を感じる能力は腐敗を察知するために発達しているといわれています。

何かが腐ったり、発酵すると酸が生じます。

人間は昔、食品を食べる際どのくらいの腐敗度でその食品が食べられるのか否かを判断していたとされています。

酸味を呈する物質は全て水溶液中で解離して水素イオンを生じます。

酸味を呈するもので水素をイオンを生成しないものはないのです!

味の質は、陰イオン(-イオン)の種類によって影響を受けます。

一般的には無機酸は渋味、苦味を伴うので味が良くないですが、有機酸は美味しい酸味とされることが多いです。

食品に含まれている酸味成分を表にまとめてみたいと思います!

酸味物質の種類と味の特徴
分類 名称 所在 味の特徴
無機酸 炭酸 炭酸飲料、ビール 酸味というよりは爽快感
リン酸 清涼飲料水 渋味と刺激のある酸味
有機酸 酢酸 食酢、漬物 刺激的臭気のある酸味
乳酸 乳酸飲料、ヨーグルト 渋味のある温和な酸味
コハク酸 日本酒、貝、果実 こくのある旨い酸味
リンゴ酸 りんご、梅、桃 かすかに苦味のある酸味
酒石酸 ぶどう、パイナップル やや渋味のある酸味
クエン酸 柑橘類 爽快な酸味
L-アスコルビン酸 果実、野菜 爽快な酸味
L-グルコン酸 干し柿 丸みのある酸味

基本味その③ 塩味

塩味は塩に味と書くので、塩味の代表者は塩です。

一般的には食塩(NaCl)ですね!

この食塩(NaCl)はNaのナトリウムイオン部分が塩味に関わっていると思っている人が多いと思います。

しかし、Clの塩素イオン部分も塩味に関わっているのです。

塩味のあるものにはNaClのように無機塩に多いのですが、有機酸にも塩味をもつものが存在します。

例えばリンゴ酸ナトリウムなどがありますが、これは無塩醤油などに利用されています。

また最近では、高血圧を避けるためにナトリウムの過剰摂取を控えるという風潮があります。

高血圧をもっている人は食塩の摂り過ぎを注意されるということです。

高血圧にはもっと様々な原因があるのですが、世の中の風潮は『高血圧=食塩の摂りすぎ』となってしまっています。

話を戻して、このように食塩からのナトリウム摂取を抑えるために塩化カリウム塩化アンモニウムなどが用いされています。

しかしこれらの塩化カリウムや塩化アンモニウムなどは、食塩に比べると味質が落ちてしまいます。

基本味その④ 苦味

苦味は一般的には嫌われる味です。

人間がもつ本能としては、その食品に毒物が含まれているどうかを確認する味とされています。

基本的には嫌われる苦味ですが、少しの苦味は好まれる場合もありますよね!

例えば、コーヒーやお茶、チョコレートなどです!

個人的には、チョコレートやコーヒーは好んで食べたり飲んだるすることはありません。

しかし緑茶はすごく好きで、あのお茶特有の苦みが最高です!

また、お酒でいうとビールなんかも苦味が適度にあることで美味しさがあるのではないでしょうか!

食品に含まれている代表的な苦味成分を下の表にまとめておきますのでご覧ください!

食品中の主な苦味物質
種類 苦味成分 所在 作用など
アルカロイド カフェイン コーヒー、緑茶、紅茶 神経興奮作用
テオブロミン ココア、チョコレート 神経興奮作用
ソラニン ジャガイモの芽 毒性を示す
ポリフェノール フムロン ビール(ホップ) 熱処理により
苦味を示す
ナリンギン 柑橘類の皮
テルペノイド リモニン 柑橘類の種子 加熱や貯蔵により
苦味が増す
ククルビタシンA きゅうり、ウリ類
ペプチド 苦味ペプチド チーズ、豆味噌、醤油 たんぱく質分解物
発酵食品の味に
深みを与える
無機塩 マグネシウム塩 にがり 豆腐の凝固剤

基本味その⑤ 旨味

 

最後の基本味である旨味。

私はこの旨味を言葉でどう表現すればよいかわかりません。

旨味は日本特有の基本味で、海外でも旨味はumamiとしてそのまま使われています。

旨味の成分には主にアミノ酸や核酸、有機酸塩などがあります。

旨味成分の代表と呼ばれるのは昆布ですね!

出汁にも使われる昆布ですが、含まれている旨味成分はL-グルタミン酸です。

今では、そのL-グルタル酸の塩であるL-グルタル酸ナトリウムの方が強い旨味成分を呈するということで発酵法によって生産されたりもしています。

その他にも出汁に使われるものとしては煮干しやかつお節、シイタケなどがありますね!

煮干しやかつお節に含まれているのは核酸の一種である5′-イノシン酸シイタケに含まれているのは5′-グアニル酸です。

また、これらの旨味成分は相乗効果でより一層旨味が強くなるということも知られています。

その他の旨味成分についてもまとめてありますのでご覧ください!

主なうま味物質の種類と所在
系列 旨味物質 所在
アミノ酸系 L-グルタル酸 昆布、食酢、チーズ、味噌、醤油
L-アスパラギン酸 野菜類、味噌、醤油
テアニン 玉露、緑茶
トリコロミン酸 キノコ
イボテン酸 キノコ
核酸系 5’-イノシン酸 かつお節、煮干し、肉類
5’-グアニル酸 干しシイタケ、キノコ類、肉類
その他 コハク酸ナトリウム 貝類
ベタイン イカ、タコ

その他の味

その他の味の中でも一番人気?の味は辛味だと思います。

辛味は味覚だけではなく、痛覚を伴う感覚です。

つまり、痛いということです・・・!

個人的には辛いものは得意ではありません。

そんな辛味成分は唾液の分泌を促進したり、食欲を増進させたり、エネルギー代謝を亢進したりと様々な生理作用があります。

そんな辛味成分にも様々な種類がありますので、表にまとめておきます!

辛味成分の種類と所在
種類 辛味物質 所在
酸アミド類 カプサイシン トウガラシ
ピぺリン コショウ
チャビシン コショウ
サンショウオール サンショウ
バニリルケトン類 ジンゲロン ショウガ
ショウガオール ショウガ
イソチオシアネート類 アリルイソチアシアネート ワサビ、黒カラシ
p-ヒドロキシベンジル
イソチオシアネート
白カラシ
4-メチルチオ-3-
ブテニルチオシアネート
大根

渋味やえぐ味

渋味は、舌の粘膜であるたんぱく質が食品中の渋味成分と結びつくことによって生じる舌の感覚です。

基本的にこの渋味は好まれません。

しかし、お茶やワインなどではこの渋味は非常に重要な要素でもあるのです。

お茶ではカテキン類がその苦味成分にあたります。

ワインではアントシアニジンなどポリフェノールがその渋味を呈しているのです。

渋味といったら渋柿を想像する方もいると思いますが、渋柿に含まれているのはシブオールという渋味です。

その名前からして、もう渋いですね!

また、コーヒーの渋味はクロロゲン酸ですし、栗の渋味はエラグ酸という成分です。

渋味に似て嫌われている味としてはもう一つえぐ味というものがあります。

えぐ味にもいくつか種類があります。

たけのこ、なす、ふき、ごぼうなどのえぐ味としては、ホモゲンチジン酸という成分です。

ほうれん草にのえぐ味はシュウ酸という成分です。

これらのえぐ味は、あく抜きすることで軽減することが可能です!

まとめ

今回は5つの基本味について紹介してきました!

ここでまとめておきたいと思います!

 

甘味

甘味物質の種類と性質
種類 名称 所在 甘味度
糖類 スクロース サトウキビ、甜菜 1
異性化糖 でんぷん 1~1.2
グルコース 果物、ハチミツ 0.6~0.7
フルクトース 果物、ハチミツ 1.2~1.8
キシロース 木材、稲わら 0.5~0.6
乳糖 0.2~0.3
トレハロース カビ、酵母 0.45

アルコール
マルチトール 麦芽糖 0.8~0.9
ソルビトール グルコース 0.4~0.7
エリスリトール グルコース 0.8~0.9
キシリトール キシロース 0.9~1.2
砂糖の
誘導体
カップリングシュガー 砂糖 0.5~0.6
フラクトオリゴ糖 砂糖 0.6
パラチノース 砂糖 0.4
たんぱく質

アミノ酸
タウマチン アカテツ科植物の果実 1600
モネリン アカテツ科植物の果実 3000
グリシン 0.9
D-トリプトファン 35
D-フェニルアラニン 5
アスパルテーム L-フェニルアラニン
L-アスパラギン酸
200
配糖体

その他
サッカリン 合成甘味料 300~500
グリチルリチン 甘草 150~200
ステビオシド ステビアの葉 250~300
フィロズリチン 甘茶 200~300
ぺリラルチン 青シソ 2000
プロピルメルカプタン 玉ねぎ 60

 

酸味

酸味物質の種類と味の特徴
分類 名称 所在 味の特徴
無機酸 炭酸 炭酸飲料、ビール 酸味というよりは爽快感
リン酸 清涼飲料水 渋味と刺激のある酸味
有機酸 酢酸 食酢、漬物 刺激的臭気のある酸味
乳酸 乳酸飲料、ヨーグルト 渋味のある温和な酸味
コハク酸 日本酒、貝、果実 こくのある旨い酸味
リンゴ酸 りんご、梅、桃 かすかに苦味のある酸味
酒石酸 ぶどう、パイナップル やや渋味のある酸味
クエン酸 柑橘類 爽快な酸味
L-アスコルビン酸 果実、野菜 爽快な酸味
L-グルコン酸 干し柿 丸みのある酸味

 

苦味

食品中の主な苦味物質
種類 苦味成分 所在 作用など
アルカロイド カフェイン コーヒー、緑茶、紅茶 神経興奮作用
テオブロミン ココア、チョコレート 神経興奮作用
ソラニン ジャガイモの芽 毒性を示す
ポリフェノール フムロン ビール(ホップ) 熱処理により
苦味を示す
ナリンギン 柑橘類の皮
テルペノイド リモニン 柑橘類の種子 加熱や貯蔵により
苦味が増す
ククルビタシンA きゅうり、ウリ類
ペプチド 苦味ペプチド チーズ、豆味噌、醤油 たんぱく質分解物
発酵食品の味に
深みを与える
無機塩 マグネシウム塩 にがり 豆腐の凝固剤

 

旨味

主なうま味物質の種類と所在
系列 旨味物質 所在
アミノ酸系 L-グルタル酸 昆布、食酢、チーズ、味噌、醤油
L-アスパラギン酸 野菜類、味噌、醤油
テアニン 玉露、緑茶
トリコロミン酸 キノコ
イボテン酸 キノコ
核酸系 5’-イノシン酸 かつお節、煮干し、肉類
5’-グアニル酸 干しシイタケ、キノコ類、肉類
その他 コハク酸ナトリウム 貝類
ベタイン イカ、タコ

 

おまけ

辛味成分の種類と所在
種類 辛味物質 所在
酸アミド類 カプサイシン トウガラシ
ピぺリン コショウ
チャビシン コショウ
サンショウオール サンショウ
バニリルケトン類 ジンゲロン ショウガ
ショウガオール ショウガ
イソチオシアネート類 アリルイソチアシアネート ワサビ、黒カラシ
p-ヒドロキシベンジル
イソチオシアネート
白カラシ
4-メチルチオ-3-
ブテニルチオシアネート
大根

 

いかがでしたか?

それでは次回の記事も楽しみに!

 

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