リンの生理作用・食事摂取基準・多く含む食品などを簡単にまとめてみた!

こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です。

今回は、ミネラルの中でもあまり馴染みのない栄養素を紹介したいと思います。

それはリンという栄養素です。

私も栄養学を学ぶまではリンという栄養素を知りませんでした。

私たちが日常的によく目にするものの中では、マッチの火をつける摩擦部分に多く使われています。

箱についている茶色い部分です!

そんなリンについて今回もできるだけ要点を絞ってまとめていますのでご覧ください!

リンのプロフィール

リンは体内に含まれているミネラルの中でも2番目に多い栄養素です。

1番多く含まれているのはカルシウムです。

リンはカルシウムに次いで多く存在しているのです。

リンの体内での存在する量は、だいたい成人の体重の約1%と言われています。

体重が60kgの人の場合、おおよそ0.6㎏(600mg)にもなるのです。

そのうち、約85%のリンがカルシウムやマグネシウムと共に骨や歯に含まれています。

骨は身体の骨格という機能を持ちながら、カルシウムやマグネシウム、リンといった栄養素の貯蔵庫という機能も併せ持っているということです。

また、骨に貯蔵されている以外の残りの約15%のリンは全身の細胞に存在します。

リンは糖質、脂質、たんぱく質などと結合してリン酸化合物として細胞膜や核酸の構成成分となっているのです。

それではもう少し詳しく生理作用を見ていきましょう!

リンの生理作用

プロフィールでも説明しましたが、リンの約85%は骨に含まれていて、それ以外の約15%は全身の細胞に存在します。

まずはリンが多く含まれている骨に関してですが、カルシウムと共に骨を作ります。

リンは肉や魚に豊富に含まれていて、糖質、脂質、たんぱく質と結合した有機リン酸化合物という形で体内に取り込まれます。

そして腸で消化されると化合物からリンが離れ、その遊離したリンが吸収されます。

体内のリンの量は食事からの摂取量やリンの骨への沈着量、骨から血液への溶け出る量、腎臓での再吸収量で調節されています。

リンの摂取量が多ければ、腎臓での再吸収が抑えられ多くが身体の外へ出ていきます。

逆にリンの摂取量が少なければ、腎臓での再吸収が促進し身体の外への排出をできるだけ抑えて体内量を調節するのです。

細胞膜やATPの構成成分として働くリン

リンは糖質や、脂質、たんぱく質に結合することで色々な場所で働けるようになるのです。

リンは部品の一部として糖質、脂質、たんぱく質たちと結合することで、それらが特別な機能を持つ成分に変わるのです。

細胞膜はリン脂質二重層といって、リン脂質が二重に重なった形をしています。

この二重に重なっているリン脂質こそ、脂質にリンが結合したものです。

このように、様々な細胞にリンは存在しているのです。

また、リンはエネルギーを蓄える物質の成分としても必要な栄養素です。

ATPという高いエネルギーを発生させる物質が体内にはたくさんありますが、このATPにリンは不可欠です。

ATPはアデノシン三リン酸という名前なのですが、簡単に説明するとアデノシンという物質に3つリン酸がくっついたものです。

こうして生命活動に不可欠なエネルギー物質にリンが大きな役割を果たしているのです。

リンの欠乏症や過剰症

現代の食生活においてリンが不足するということはまずありません。

それは加工食品から多くのリンを摂っているからです。

なのでむしろ過剰症の方が心配されています。

もしリンが欠乏した場合には、骨の石灰化が妨げられ弱い骨になってしまいます。

骨は石灰化することで強くなるのです。

またリンが不足すると、食欲不振や体重減少、筋萎縮などが起こりやすくなります。

一方で最近問題視されている加工食品の日常的な摂取からのリンの過剰についてですが、こういった状況が起こると骨が溶け出します。

一日当たり約2gを越えて摂取し続けると過剰摂取としての影響が出てきます。

リンの摂りすぎはカルシウムや鉄の吸収を妨げます。

こうして血中カルシウム濃度が下がるとカルシウム濃度を上げようと副甲状腺ホルモンの分泌が亢進し、骨が溶かされてしまいます。

カルシウムの貯蔵庫である骨を溶かすことで、血液中のカルシウム濃度を保とうとするのです。

リンの食事摂取基準

リンの食事摂取基準を、年代別、性別にそれぞれまとめていますのでご覧ください!

リン(mg/日)
性別 男性 女性
年齢 目安量 耐用上限量 目安量 耐用上限量
0~5 月 120 120
6~11 月 260 260
1~2歳 500 500
3~5歳 800 600
6~7歳 900 900
8~9歳 1000 900
10~11歳 1100 1000
12~14歳 1200 1100
15~17歳 1200 900
18~29歳 1000 3000 800 3000
30~49歳 1000 3000 800 3000
50~69歳 1000 3000 800 3000
70歳以上 1000 3000 800 3000
妊 婦 800
授乳婦 800

あなたに合った摂取量を見つけることは出来ましたか?

それでは、リンがどのような食品に多く含まれているか見ていきましょう!

リンを多く含む食品

食品名 一食分の目安量(g) 成分含有量(mg)
穀類 精白米 150(1膳) 44
玄米 150(1膳) 169
豆類 高野豆腐 30(2個) 282
大豆 30 174
いも類
種実類 カシューナッツ 15(10粒) 74
アーモンド 14(10粒) 67
きのこ類
海藻類
野菜類
果物類
魚介類 金目鯛 80(1切れ) 392
ワカサギ 80(3尾) 280
ドジョウ 40(5尾) 276
シシャモ 60(3尾) 258
たらこ 50(1腹) 244
煮干し 10(5尾) 150
肉類 牛レバー 80 264
全卵 60(1個) 92
乳製品 プロセスチーズ 30 219
ヨーグルト 210(1カップ) 210
牛乳 210(1カップ) 195

これらがリンを多く含む食品です。

リンは主に動物性食品に多く含まれています。

魚介類や乳製品類から豊富に摂取することが出来るのです。

人間の細胞膜の構成成分であるので、もちろん動物の細胞の細胞膜の構成成分でもあるということを考えれば良いかと思います。

リンの効率的な摂取方法

リンは現代ではほとんど不足するどころか過剰が懸念されています。

それはリン酸塩という食品添加物として加工食品に多く含まれているからです。

このような食品を日常的に摂取している人は、リンも多く摂取していると言ってまず間違いないと思います。

なので、リンはできるだけ加工食品のような食品から摂取するのは避け、生鮮食品などから摂るようにすることが大切です。

まとめ

今回はリンについてまとめてみました!

ということでポイントのおさらいをしていきましょう!

ポイント1 リンの主な生理作用

  • 骨や歯の形成
  • リン脂の構成成分として細胞膜などを形成
  • 高エネルギー物質であるATPの構成成分として生命活動を維持

 

ポイント2 リンの欠乏症と過剰症

  • 欠乏症・・・骨や歯が弱くなる
  • 過剰症・・・カルシウムや鉄の吸収を阻害する

 

ポイント3 リンを多く含む食品

  • 魚介類や乳製品類など動物性食品に多く含まれる
  • 加工食品にリン酸塩として多く含まれているため過剰摂取を控える

 

いかがでしたか?

次回も楽しみにしていてください!