【必見!】たんぱく質やアミノ酸の消化吸収の仕組みを簡単にまとめてみた!
こんにちは!
私はゆとり世代ど真ん中で育った平成生まれの管理栄養士です。
ここ数ヶ月間はずっと栄養学入門として、たくさんの記事を書いていきました!
- 栄養学を学んだ事がない人
- 今学んでいるけれどいまいちよくわからない人
などなど、そういった人たちのためにできるだけ簡単に栄養学を学べるようにと日々ひたすらパソコンとにらめっこしています。
前々回は『【必見!】炭水化物や糖質の消化・吸収の仕組みを簡単にまとめてみた!』という記事を書きました!
前回は『【必見!】脂質の消化・吸収の仕組みを教科書より簡単にまとめてみた!』という記事です!
なので今回はもちろんたんぱく質やアミノ酸の消化・吸収の仕組みを簡単にまとめた記事です。
今回もできるだけ図などを使ってわかりやすく簡単に解説していますので、是非読み進めてください!
それでは早速見ていきましょう!
たんぱく質の消化吸収を理解するためにはまずたんぱく質の構造を知ろう!
たんぱく質の構造をご存知ですか?
糖質や脂質とたんぱく質には大きな違いがあります。
それは、分子量の大きさです!
たんぱく質はその分子量がとにかく大きいということです!
なので一つのたんぱく質を分解するのに、様々な種類の酵素たちが働きます。
そして最終的にたんぱく質を構成する最小単位であるアミノ酸に分解されて吸収されていくのです!
たんぱく質はアミノ酸の鎖でできている
それではたんぱく質の構造を解説していきたいと思います。
まずこちらをご覧ください!
適当過ぎてすみません( ;∀;)
しかし本当にこのようにたんぱく質は糸が絡まったような形をしているのです。
もちろんたんぱく質の種類によって、その量や大きさは全く変わってきますが全てのたんぱく質に共通して言えることは、アミノ酸のつながりでできたものがたくさん絡み合って形を作っているということです。
そしてその絡み合ったものをほどいていくとこのようになります。
このようにたんぱく質は、物理的にそうすることはできませんが一本のアミノ酸の鎖のようになっているのです。
最初の図のように一本のアミノ酸の鎖でできた塊がいくつか集まって構成されるたんぱく質もあります。
ですが、たんぱく質を構成する基本単位はアミノ酸のつながりでできた鎖だとイメージしてもらえればOKです!
そして、このアミノ酸のつながりをよーく見ていくと、次のような結合をしています。
このように、隣り合ったアミノ酸同士の結合はペプチド結合という結合でつながっているのです!
ということは、たんぱく質が腸の吸収上皮細胞で吸収されるためにはアミノ酸にならないといけないのですが、最終的にはこのペプチド結合を切ることがたんぱく質の消化吸収のゴールということです!
そしてたんぱく質を構成するアミノ酸の種類は20種類です!
これらのアミノ酸が様々な組み合わせで手をつなぎ結合して鎖を作ることで大きなたんぱく質を構成しているのです!
上の図にある20種類のアミノ酸のうち、赤枠で書いてある9種類のアミノ酸は必須アミノ酸と言って体内で作ることが出来ません。
なので日々食物からたんぱく質を摂取することで、この体内で合成できない必須アミノ酸9種類を取り入れなければいけないのです。
必須アミノ酸9種類はこちらです!
ということで、たんぱく質の構造を簡単に復習すると、
- たんぱく質を構成するアミノ酸が20種類存在する
- その20種類のアミノ酸がペプチド結合することでアミノ酸の鎖ができる
- たんぱく質はそのアミノ酸の鎖が複雑に絡み合った形をとる
- たんぱく質の種類によって、その一つのアミノ酸の鎖の塊の数や大きさが変わってくる
こんな感じになります。
ここまで何となく分かれば、たんぱく質やアミノ酸の消化吸収を理解するのは簡単です。
では実際にたんぱく質の消化吸収を見ていきましょう!
たんぱく質やアミノ酸の消化吸収の仕組み
たんぱく質を摂取すると、たんぱく質は胃液の影響を受けます。
胃液は強い酸性ですので、たんぱく質の立体構造に影響を与えたんぱく質が分解されやすくするのです。
それと同時に胃液に含まれるペプシンによってある程度分解されます。
そのたんぱく質が「ある程度分解された形」をポリペプチドと言います。
たんぱく質はアミノ酸の鎖が立体にぐしゃぐしゃと形を作ることでできているという話はしましたが、そのアミノ酸同士の結合はペプチド結合というのでしたね!
2つのアミノ酸がペプチド結合をしたものを専門用語でペプチドと呼びます。
ということは、ポリペプチドというのは『ポリ』なペプチドということです。
このポリとは「大きな」とか「たくさんの」という意味です。
私たちは日常的にもポリバケツや、ポリ袋なんて使い方をしていますね!
大きいバケツ、大きい袋をそう呼んでいます。
なのでポリペプチドも大きなペプチドという意味になります。
ペプチドがたくさん集まってはいるが、たんぱく質の構造を作るほど大きくない!といった感じでしょうか。
胃液に含まれるペプシンの力で、たんぱく質は何となく大まかにまず分解されるということです!
その後、十二指腸において膵液に含まれるトリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチターゼなどの酵素によってさらに分解されていきます。
そこではポリペプチドよりははるかに少ない分子量のオリゴぺプチドに分解されます。
- たんぱく質の分子量・・・約5000以上
- ポリペプチドの分子量・・・10~約5000程度
- オリゴペプチドの分子量・・・2~10程度
このような感じで、たんぱく質が徐々に分解されオリゴペプチドになることで、たんぱく質はかなり細かく分解されてきましたね!
そして最後は小腸の微絨毛での吸収上皮細胞によるアミノペプチダーゼやトリペプチダーゼなどの酵素によって最小単位であるアミノ酸か、2つのアミノ酸からなるジペプチドに分解されます。
こうしてたんぱく質から長きにわたって消化され続けてできたアミノ酸やジペプチドは吸収上皮細胞から吸収されるのです!
この時、ジペプチドは吸収上皮細胞内でさらにアミノペプチダーゼによってアミノ酸に分解されます。
ここまでの流れをざっと図を使って簡単にまとめてみました!
小腸の吸収上皮細胞での消化吸収を詳しく見ていこう
分子量が5000以上もあったたんぱく質は、胃でのペプシンに始まり、十二指腸で膵液によって様々な酵素の力で分子量が2~10個程度のオリゴペプチドまで分解されます。
そして最終的にこのオリゴペプチドは腸液に含まれるアミノペプチダーゼやトリペプチダーゼによってアミノ酸や2つのアミノ酸からできるジペプチドに分解されます。
こうしてできたアミノ酸やジペプチドは吸収上皮細胞に吸収され、ジペプチドはさらに吸収上皮細胞でアミノペプチダーゼによってアミノ酸に分解されます。
ここまではこれまで解説してきた大まかな流れです。
そして、吸収上皮細胞に吸収されたアミノ酸はいよいよ全身に運ばれていくわけです。
アミノ酸は糖質と同じで、水に溶けるため門脈を経由して肝臓へ運ばれ、全身に行きわたります。
- 糖質の消化吸収
- 脂質の消化吸収
- たんぱく質の消化吸収
この3つをまとめると、
水に溶けるので門脈経由・・・糖質、一部の脂質(中鎖脂肪酸、グリセロール)、アミノ酸
水に溶けないのでリンパ管経由・・・脂質(長鎖脂肪酸、リン脂質、コレステロールエステル、脂溶性ビタミンなど)
というようになるのです!
まとめ
- たんぱく質はまず胃液の酸にて立体構造に影響を受け、同時に胃液に含まれるペプシンによってポリペプチドに分解される
- 十二指腸で膵液に含まれる様々な酵素によってさらに分子量が小さいオリゴペプチドへ分解されいく
- 膵液に含まれる酵素は、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチターゼなど
- 腸液に含まれるアミノペプチダーゼやトリペプチダーゼによって、アミノ酸やジペプチドまで分解され吸収される
- アミノ酸はそのまま血管へ入り、ジペプチドは吸収上皮細胞内でアミノペプチダーゼによってアミノ酸まで分解され血管へ入る
- 血管に入ったアミノ酸は門脈を経て肝臓、そして全身に運ばれていく
いかがでしたか?
三大栄養素の消化と吸収の仕組みについての解説はこれにて終了です!