【教科書よりも優しい】脂質の分類や働きを簡単に解説してみた!

こんにちは!

私は勝手にゆとり世代代表を名乗っています管理栄養士です。

前回は炭水化物、糖質の分類やその働きをできるだけ簡単に紹介した記事を書きました。

なので今回は、脂質の分類やその働きを見ていきたいと思います!

脂質って言われると、なんだかあんまり良いイメージってもしかするとないのかも・・・・(´;ω;`)ウッ…

これは近代の栄養学や医学でも脂質は悪というイメージがあるからです。

あくまでイメージなのですけどね・・・

なので今回は脂質の事を学びながら、それと同時に脂質がいかに身体にとって重要かつ絶対に必要なのかを知ってもらえれば嬉しいです!!

またこの栄養学入門シリーズは、これから栄養学を学びたい人向けのものです。

ですので非常に大まかな概要しか説明しません・・・

もっと詳しく知りたい!という方には物足りないかもしれませんがお許しください!

それでは早速見ていきましょう!

脂質にはどんな特徴や働きがあるのか?

まずは脂質の特徴です!

脂質とは次のように定義されます。

水に溶けず有機溶媒に溶ける物質の総称

水に溶けないのは何となくわかるけど、有機溶媒とは一体・・・

ここでの有機溶媒とは、エーテルやクロロホルムなどを指すのですが、こんなもの覚えなくて大丈夫です!(^^♪

脂質は水にとけない物質!!

これ以上は科学を本格的に勉強したい人以外無視!!笑

脂質のエネルギー量は1g当たり9kcalです。

日本人の一日の摂取カロリーの約20~25%はこの脂質から摂っているのとされています。

次は脂質にどんな役割があるかを紹介します!

脂質は図を見てもらってもわかるように、2つの役割があることが分かりますね!

  1. 熱量素としての役割・・・主なエネルギー源になる
  2. 構成素になる役割・・・体を構成する成分になる

糖質はエネルギー源だけだったのに対して、脂質は体を構成する一部としての役割もあるのです。

もう少しだけ脂質の働きを詳しく見ていきましょう!

脂質にはいろいろと種類があることはもちろんですが、それによって様々な働きがあります。

ここでは脂質の主な働きを3つほど紹介したいと思います!

このように最初に覚えてほしい主な脂質の働きは3つあるのですが、それぞれ一つ一つ詳しく見ていきましょう!

1、エネルギー源になる

脂質を体内に取り入れると、吸収・代謝されていきます。

その際、酸化される力によって1g当たり9kcalものエネルギーを生み出します。

前回紹介した糖質が1g当たり4kcalですから、なんと糖質の2倍以上のエネルギー量になるのです。

糖質だけでなく、実はたんぱく質も1g当たり4Kcalですから、三大栄養素の中で群を抜いてエネルギー量が高いのです!

なので脂質は燃料としての働きがあるのです!

車にはガソリンという燃料がエネルギー源として最も効率が良いですが、人間にとっても脂質という燃料がエネルギーを生み出すのに一番効率が良いのです!

そして体内で使われなかった余分な脂質は体脂肪としてしっかりと蓄えられるのです・・・笑

しかし食べられない状態が何日も続いても人間が生きていけるのは、この脂肪という蓄えがあるからです。

なので体脂肪は実は人間にとってなくてはならないものなのです。

もちろん体脂肪がありすぎるから、今こうして社会的にも問題になっているのですけどね・・・

2、生体膜の構成成分となる

生体膜の構成成分・・・?

そう思うかもしれませんが、生体膜とは簡単に説明すると細胞などを覆っている膜のことです。

実は、体の一つ一つの細胞というのは脂の膜で覆わています。

油の膜でコーティングされているのです。

肌が水をしっかり弾いてくれるのも、油の膜が皮膚を覆っている証拠ですね!

人間には約60兆個の細胞があるといわれています。

一つ一つの細胞が集まって組織をつくり、そして人の身体になっていくのです。

その一つ一つの細胞を油の膜が覆っているわけですから、いかに脂質が大事かわかりますね!

3、脂溶性ビタミンの吸収を助ける

ビタミンは聞いたことあるけれど、脂溶性ってなに?

そう思いますが、読んで字のごとくです!

脂溶性ビタミンとは脂質に溶ける性質をもつビタミンです。

これはビタミンのところでも詳しくやりますが、ビタミンには2つの種類があります。

  1. 水に溶ける水溶性ビタミン
  2. 脂質に溶ける脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは脂質に溶けるので、脂質を摂ることで上手く吸収されていくのです。

なので全く脂質を避ける食事をしていると、この脂溶性のビタミンが摂取しにくくなるということです。

ますます脂質がいかに重要かが分かってきましたね!!

脂質の働きがなんとなくわかったとところで、次は脂質の分類や種類を具体的に見てきましょう!

脂質の分類や種類

脂質と言っても色々な種類があります。

炭水化物もまず糖質と食物繊維に分かれて・・・糖質は単糖類、二糖類、少糖類、多糖類などがあって・・・

食物繊維は水に溶けるタイプと水に溶けないタイプがあって・・・と細分化されましたね!

脂質も糖質と同じように、色んな脂質があるのです。

ここでは最低限覚えておきたい脂質を、できるだけわかりやすく紹介したいと思います。

まず大きく分けると次の3つになります。

  1. 単純脂質
  2. 複合脂質
  3. 誘導脂質

まずは脂質はこのように3つに分類されるんだ!

と、大まかに覚えてください!

そしてこれをすこしだけわかりやすくすると次のようになります!

では、それぞれ少し詳しく見てきましょう!

1、単純脂質

単純脂質とは形が単純だから単純脂質なんだ!

そのくらいアバウトに覚えてくれたら大丈夫です!

単純脂質はその構造によって3種類に分けられます。

この図のように、単純脂質はグリセロール(グリセリン)というものに脂肪酸が、何個くっついているかで分けられるのです。

  • グリセロールに1つの脂肪酸・・・モノアシルグリセロール
  • 〃に2つの脂肪酸・・・アシルグリセロール
  • 〃に3つの脂肪酸・・・トリアシルグリセロール

このモノ、ジ、トリとは何のことかと言うと、1、2、3を表しています。

これはギリシャ数字と言うものですから、そうなんだ!と流してくれて構いません!

ちなみに昔のギリシャ数字はこんな感じです!

3人組をトリオと呼んだり、海のコンクリートの塊をテトラポットと呼んだり、五角形・六角形をそれぞれペンタゴン、ヘキサゴンと呼んだりするのはこれです!!

単純脂質の中で一番重要なものはトリアシルグリセロールなのですが、脂肪酸が3つだからトリアシルグリセロールです!!

上の図を見ても、グリセロール(グリセリン)に3つの脂肪酸がくっついていますね!!

 

このトリアシルグリセロールは自然界に最も多く存在する脂質です。

植物の種の中や、動物の脂肪として蓄えられています。

これは、いわば植物や動物のエネルギーの貯蔵庫です。

それ以外にも脂肪には衝撃を和らげるクッションとしての役割や体温を一定に保つ役割などもあります。

一方でモノアシルグリセロールや、ジアシルグリセロールは自然界にはあまり存在しません。

2、複合脂質

単純脂質はグリセロール(グルセリン)に脂肪酸がつながった単純な構造の脂質でした。

これに対して複合脂質は、この単純脂質にリン酸や糖を含んだりしたものです。

  • リン脂質・・・リン酸やそれを含む化合物を含む脂質
  • 糖脂質・・・糖やそれを含む化合物を含む脂質

このようにリン酸や糖が単純脂質にくっつくと複合脂質となります。

例えばですが、リン脂質の代表的なものにレシチンと言うものがあります。

近年だと大豆レシチンが動脈硬化を防ぎ・・・なんて感じで注目されています!

このリン脂質は水と油のどちらにも溶ける性質があります。

なので油と水は本来混ざり合わないのですが、このリン脂質というものを加えるとなんとこの油と水が上手く混ざります!

これを応用したのが例えばマヨネーズです!

油とお酢は本来混ざりませんが、卵を加えることで卵に含まれるレシチンによって混ざり合うのです。

 

体内ではこのリン脂質は細胞の膜や、脳、神経など様々な場所に存在しています!

細胞膜ではどのようにリン脂質が存在しているかというと次のような形で膜を構成しているのです!

脂質が体の構成成分となる理由が、このリン脂質にあるということが理解できますね!

リン脂質は上の図にもあるように、水に溶ける部分と油に溶ける部分のそれぞれを持ち合わせています。

そしてそのリン脂質が二重になって細胞の膜はできているのです!

これを私たちが学問的に習うときには、専門用語としてリン脂質二重層なんて言ったりしています。

 

リン脂質はさらに細かく細分化されていきますが、ここではそこまで重要ではないのでスルーします!笑

糖脂質も栄養学基礎としてはそこまで重要なものではないので、

「複合脂質にはリン脂質や糖脂質があって、リン脂質は細胞などの膜を構成しているんだな!」

こんな感じで覚えてください!

3、誘導脂質

誘導脂質はこれまでの単純脂質や、複合脂質から少し形を変えた脂質のことを言いいます。

少し形を変えたという部分ですが、化学的にはその変化を加水分解なんて言い方をしますが、もちろんこんなこと覚えなくても大丈夫です!

この誘導脂質で是非覚えてほしいのは次の3つです

  1. 脂肪酸
  2. コレステロール
  3. 脂溶性ビタミン

へぇ~誘導脂質には、こんな種類があるんだな・・

くらいで見てくれればいいです!

次は今紹介した単純脂質、複合脂質、誘導脂質の中で栄養学として「これは是非覚えておきたい!!」という脂質をいくつか紹介したいと思います。

コレステロール

このコレステロールは誘導脂質の分類のところで出てきましたね!

コレステロールは脂質の中で一番知名度が高いのではないかと思います。

善玉コレステロールや悪玉コレステロールなど、名前に触れる機会がとても多いと思います。

ここでは、コレステロールとは一体なんぞや?

そんなことを簡単にまとめました!

コレステロールの構造

コレステロールとはどんな構造をしているのかと言うと、簡単に説明すると「ステロイド骨格を持っている化合物」ということになります。

このステロイド化合物というのが非常に特徴ある形なのです。

このコレステロールがもつステロイド核をベースに、体内では他の様々な物質に変化していくのです!

この特徴的な形が、コレステロールを材料として作られる他の成分に活かされるのです!!

コレステロールの働き

コレステロールには大切な働きがあります。

なので私から言わせれば、善玉も悪玉もありません!

全部必要なコレステロールですから全部善玉です!

なぜ善玉や悪玉と言った名前がついたのかは違う記事に改めて紹介したいと思います。

ということでまずはコレステロールの働きです。

コレステロールには次の3つの働きがあるのが分かります。

  1. 細胞膜の材料
  2. 胆汁酸の材料
  3. ステロイドホルモンの材料

それぞれ詳しく見てみましょう!

 

1.細胞膜の材料になる

細胞一つ一つは脂の膜で覆われているということを説明しましたが、その材料としてこのコレステロールも一躍買っています。

他にもリン脂質、糖脂質、たんぱく質などと共に生体膜として利用されているのです。

 

2.胆汁酸の材料になる

肝臓でこの胆汁酸というものは作られます。

この胆汁に含まれる胆汁酸は脂質を腸で吸収する際にはなくてはならない存在です。

なぜなら胆汁が脂質を覆うことで腸から吸収されるようになるからです。

コレステロールはこの胆汁に含まれている胆汁酸の原材料となっているのです。

 

3.ステロイドホルモンの材料になる

体内には様々なホルモンが存在します。

それぞれが上手くバランスを取りながら私たちは健康な身体を保てているのです。

副腎というところから分泌される副腎皮質ホルモンや、精巣や卵巣から分泌される性ホルモン

これらはこのコレステロールを材料として作られるステロイドホルモンなのです。

 

他にもビタミンDの原料になったりと、コレステロールがいかに私たちにとって大事なのかがわかると思います。

少なすぎても多すぎてもダメということです。

要はバランスなのです!

コレステロールは体内でも作られている

コレステロールはだいたい400mg前後は日常の食事の中で摂っていると言われています。

そのうち50~200mgが体内に吸収されています。

一方で体内はどうか?

体内では一日にだいたい1500m~2000mgくらい作られているのです。

gに直すと、食事から吸収される量が0.05~0.2g、体内で作られるのが1.5~2gですね!

コレステロールは肝臓で合成されますが、食べ物のコレステロールの影響がいかに小さいかわかりますね?

私が大学生のときは、国の指針で食べ物から摂るコレステロール量には制限がありました。

病院の実習でも先輩栄養士さんに「コレステロールを食事から摂るのを控えるようにアドバイスしてね!」

そう言われたのですが、はい!と言いながらも「でも食事由来のコレステロールはほとんど影響しないのになぁ・・・」

そんな事を思っていた記憶があります。

案の定、2015年にこの食事由来のコレステロール摂取量の制限は撤廃されました。

仮に食事から入ってくるコレステロール量が多くなった場合、体内でのコレステロールを作る量を少なくすることでバランスを整えるメカニズムが私たちには備わっているのです。

逆も同じです。

食事量から少ない場合は体内で作る量を増やして補うのです。

この「食べる量が多ければ、体内合成量は一時的に減り、食べる量が少なければ、体内合成量を一時的に増やして補う」ということからも、体内でいかにコレステロールが必要かがわかると思います!

脂肪酸

脂肪酸は単純脂質や複合脂質が分解してできる誘導脂質の一つです。

鎖のように炭素がつながり、その鎖を作る炭素の数や結合の仕方によって分類されます。

この脂肪酸を構成する元素は実は炭水化物と全く同じなのです。

炭素水素酸素の3つです。

炭水化物と脂質の一種である脂肪酸を構成する元素が全く一緒なんて、なんだか不思議ですよね?

そのつながり方の違いでこんなにも性質が変わるんですから・・・

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

まず脂肪酸は飽和脂肪と不飽和脂肪酸の2つに大きく分類されます。

この違いは何かというと、炭素の鎖に二重結合があるかないかということです。

  • 二重結合がない・・・飽和脂肪酸
  • 二次重結合がある・・・不飽和脂肪酸

これは詳しくは違う記事で説明したいと思います。

ここではざっくりした説明をしますね!

こんな感じです!

不飽和脂肪酸は炭素の鎖の途中で二重結合が存在しているのです!

不飽和脂肪酸の種類

不飽和脂肪酸はさらに、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。

不飽和脂肪酸が、二重結合をもつ脂肪酸なのは説明した通りです。

これらの一価や多価の分類は、この炭素同士の二重結合の数で分けられるのです。

一価はその字の通り、二重結合が一つです。

多価はこの二重結合が二つ以上のものです。

  • 一価不飽和脂肪酸・・・二重結合1つ
  • 多価不飽和脂肪酸・・・二重結合2つ以上

この一価不飽和脂肪酸にはオレイン酸という脂肪酸がありますが、これはオリーブオイルに多く含まれている脂肪酸です。

そして多価不飽和脂肪酸はさらに次のオメガ3やオメガ6のように細分化されていきます。

オメガ3・オメガ6

TVとかでよくでてくる、このオメガ○系の油

○○オイルにはオメガ○の脂肪酸が多く含まれているから健康に良い!

なんて放送されていますね!

ではこのオメガ3、オメガ6はどうやって分類されているのでしょうか?

  • 炭素の鎖の端から数えて3番目に二重結合があるのがオメガ3系
  • 炭素の鎖の端から数えて6番目に二重結合があるのがオメガ6系

簡単にいうと、こういうことです!

オメガ3を多く含む油には、えごま油、あまに油、魚油などがあります。

オメガ6を多く含む油には、ごま油、サフラワー油などがあります。

必須脂肪酸

最後に脂質の中でも最も大事ではないかと言われるこの必須脂肪酸についてです。

読んで字のごとく、必須なわけですから大事そうですよね?

この必須脂肪酸は「体内では合成できない脂肪酸」ということです。

脂肪酸は先ほど分類や種類を見てきました。

その中に体内で作れない脂肪酸が3つあるということです。

体内で作れないということは、食事の中で摂らなければいけないということです。

ではその必須脂肪酸は何なのでしょうか?

  1. リノール酸
  2. アラキドン酸
  3. αリノレン酸

この3つです。

これらの必須脂肪酸は細胞膜や様々な細胞内の器官の膜を構成している成分になります。

なので、これらの脂肪酸がないと細胞は正常な機能を果たすことが出来なくなってしまうのです。

このリノール酸、アラキドン酸はオメガ6系の脂肪酸です。

そしてαリノレン酸はオメガ3系の脂肪酸になります。

この必須脂肪酸に関しても、脂肪酸を解説する記事で詳しく説明します。

なのでここでは、体内で作れない脂肪酸が人には3種類あるんだなぁ~と覚えてください!!

まとめ

今回は、脂質の分類と種類を簡単に説明しました!

何回か繰り返し見るうちに少しずつ理解できるかと思います。

ということで、脂質についてポイントをいくつかまとめてみましょう!

ポイント1 脂質の主な3つの働き

  1. エネルギー源になる
  2. 生体膜の構成成分になる
  3. 脂溶性ビタミンの吸収を助ける

 

ポイント2 脂質は大きく分けると次の3つに分類される

  1. 単純脂質・・・中性脂肪など
  2. 複合脂質・・・リン脂質、糖脂質など
  3. 誘導脂質・・・ステロール、脂肪酸、脂溶性ビタミン類など

 

ポイント3 コレステロールの3つの働き

  1. 細胞膜の材料
  2. 胆汁酸の材料
  3. ステロイドホルモンの材料

 

ポイント4 脂肪酸の分類

  • 脂肪酸は二重結合の有無で飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類される
  • 不飽和脂肪酸は二重結合が1つの場合は一価不飽和脂肪酸、2つ以上の場合は多価不飽和脂肪酸に分類される
  • 多価不飽和脂肪酸は最初の二重結合の位置によってオメガ3系、オメガ6系に分類される

 

ポイント5 体内では作れない3種類の必須脂肪酸

  1. リノール酸(オメガ6系)
  2. アラキドン酸(オメガ6系)
  3. αリノレン酸(オメガ3系)

 

いかがでしたでしょうか?

次回はたんぱく質の分類やその働きについてできるだけ簡単に解説していこうと思います!!

それではまた次回お楽しみに!!