これがビタミンC誕生の歴史だ!!~なぜ人間はビタミンCを作ることをやめたのか?~

こんにちは!勝手ながらゆとり世代代表を名乗っている管理栄養士です!

 

みなさんにとってビタミンCはどのような存在ですか?

私はビタミンCを食品からできるだけ摂るようにしています。

ですので、できるだけ旬な野菜や果物は食べるように心がけています!!

 

という事で、今回はビタミンCの歴史について少し触れたいと思います!

私たちは残念ながらビタミンCを作ることはできません。

ですので毎日の食生活の中でビタミンCを食物から摂取しないといけないのです・・・

それが十分にできないと、ビタミンCの欠乏が起こります。

するとどうなるか?

徐々に身体の不調が起こり、最後には死に至ります。

その欠乏症は壊血病と言うものです。

皮膚の乾燥や脱力感に始まり、毛穴の周囲から点状の出血が起こります。

さらに症状が進むと、歯ぐきや消化管など身体のあらゆるところから出血してしまうのです。

歴史的にもこのビタミンCの不足で起きる壊血病との戦いは紀元前から始まってると言われています。

その中で、はっきりとその症状が断定できるのは15世紀以降の大航海時代の航海日記からだそうです!!

壊血病にはレモンやオレンジが効く!それがビタミンC発見のきっかけに!

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大航海時代に船員達を苦しめてきたこの病の原因の解明は18世紀の中頃に一筋の光が見え始まました!

それはイギリス海軍の船医であるジェイムス・リンドという人物によってです!

ジェイムス・リンドは壊血病にかかってしまった船員を同じ条件下で生活させ、少しずつその食事内容を変えていき、何の食品が壊血病に良いのか実験をしたのです!

そしてその食品はレモンとオレンジであると結論付けました。

こんな歴史もあってビタミンCを連想する食品はレモンなどのかんきつ類なのかもしれませんね!?

ビタミンCの発見までには様々な科学者の苦悩があった?

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ジェイムス・リンドによってレモンやオレンジは壊血病に有効であることが分かりました。

しかし、どんな物質や、どんな栄養素がそれに有効なのかはしばらくの間は謎のままだったんですよね・・・

そして時は20世紀になりました!!

え?もう20世紀の話??( ゚Д゚)

ビタミンCの歴史って意外に浅いんです!!

1907年にノルウェーのアクセル・ホルストがモルモットに壊血病を起こす実験に成功します。

この成功によって壊血病の原因を動物実験にて研究することが可能になりました!

次いで1919年にイギリスのドラモンドがオレンジ果汁も中に壊血病を防ぐ栄養素があるという事を発見します。

そしてそれを水溶性因子Cと名付けました。

翌1920年にドラモンドは水溶性因子Cを初めてビタミンCと命名したのです。

今年は2016年ですから、意外にもビタミンCはほんの100年しか歴史がないんですね・・・

1927年にハンガリーのアルベルト・セント・ジェルジがビタミンCを純粋な物質として単離しました。

ヘキスロン酸という名前で発表したのです!

しかしこの時、セント・ジェルジはこのヘキスロン酸がビタミンCであることに気づきませんでした・・・

1932年にジェルジ(←どんどん友達っぽくなってきていますが・・・笑)がヘキスロン酸に壊血病の治療効果があるという事を証明したのです。

この時に初めてヘキスロン酸がビタミンCであるという事がわかったのです。

時を同じく1932年に、アメリカのチャールズ・キングもレモン汁からビタミンCの結晶を単離することに成功しました!

翌1933年にはイギリスのウォルター・ノーマン・ハースらが、ビタミンCの構造を決定しアスコルビン酸と名付けました。

また、同じく1933年にはポーランドのタデウシュ・ライヒスタインらが有機合成によってビタミンCの化学合成を成功させました!

これらを見ても分かるように、この頃は国の威信をかけて科学者たちが様々な研究を「我こそが!」と必死にしていたんです。

そうして私たちが日々このような病気を心配することなく生活できているのです。

先代の方々に本当に感謝ですね!!

そして、ハンガリーのジェルジ氏とイギリスのハース氏はノーベル賞にを受賞しています!!

このようにビタミンCの発見・単離の成功から数年でビタミンCを化学合成できるところまで一気に進んだ事で、人間は壊血病という恐ろしい病から克服できたのです!

はぁ~良かった!!

どうして人間はビタミンCを作れないの??

猫ちゃん

知っていましたか?

実は私たち人間、サル、モルモットなど限られた動物を除いてほとんどの動物は体内でビタミンCを作り出すことができます!

例えば、犬も猫もビタミンCを自分で作っているんですよ!

栄養学において、ビタミンの定義というものがあります。

それは、「身体の中では作れない、または作られたとしてもごくわずかであるため十分ではない、そのため食物から摂取しなければならない栄養素」というものです。

ですので、人間にとってはビタミンCはビタミンです。

しかし犬や猫などにとってはビタミンCはビタミンでも何でもないのです!笑

私たちはこのビタミンCを食物から摂取しないといけません!!

ではどうしてビタミンCを私たちは作ることができないのでしょうか?

それは、簡単に言うとビタミンCを作るための酵素がないからです!

ほとんどの動物はこの酵素が存在しますので十分な量のビタミンCをつくる事ができます。

たった一つの酵素を体内で作ることができるかできないか・・・この差だけなのです。

人がビタミンCの合成を体内でできなくなった理由は?

先ほどたった一つの酵素の有無がビタミンCの合成を可能にするか否かという話をしました。

人間は長い歴史の中で、その酵素を作る遺伝子に変異が起きてしまいました。

それがおよそ2500万年前と言われています。

2500万年前・・・想像もつかないですね。

そしてその時、なぜ人間はビタミンCを体内で作るという事を手放してしまったのか・・・?

そこには3つの仮説があるのです。

①食物から摂れるから作らなくてもいいのでは・・・?説

お猿さん

遠い昔2500万年前、私たちの先祖であるお猿さんは木の上で生活していました。

気候も温暖な地域に住んでいましたから、ビタミンCを多く含む果実類を簡単に手に入れることができたと想像できます。

毎日摂取できる栄養素ですから、体内ではこんな会議が行われていたのではないでしょうか?

「毎日摂れる栄養素をわざわざ作る必要ってあっけ?」

「ねぇ~べよ」(ないよね)

「んじゃ作んのやめっぺ!」(では作るのはやめよう)

「んだっぺ!」(そうだね)

まさかの茨城弁ですがお許しください!笑

という事で、その酵素を作りだす遺伝子を自ら破壊しビタミンCを作る事をやめたのではないか?という説です。

②紫外線で遺伝子が壊れ作れなくなってしまった・・・説

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お猿さんたちは今のように家の中で暮らしているわけではありません。

ですから紫外線を常に浴び続けることになります。

紫外線には細胞の中のDNAの二重らせんを構造を破壊して障害を与えてしまう働きがあります。

この傷ついたDNAを持つ細胞は時にはがん化したり、突然変異を起こすこともあります。

それによってビタミンCを作り出す酵素を作る遺伝子が壊れてしまい、作れなくなってしまったという説です。

 

でもここで疑問が出てくるのです。

①も②も、もしこのような説が正しければ、間違いなくビタミンCを作れる猿と作れない猿の両方が共存した時代があるはずです。

そして今でもその名残として、ビタミンCを作れる人間と作れない人間がいないとおかしいのです。

世界のどこかで一人でも体内でビタミンCを作れる人が見つかればこれらの仮説は信憑性が高くなります。

しかし世界中でビタミンCを体内で作れる人はまだ見つかっていないそうです。

そこで次の第3の仮説が浮上します。

③そもそもビタミンCは人間にとっては害があった?

まさか

人間全員がビタミンCを体内で作ることができないという事は、生きている環境などは全く関係なく、猿や人間そのものにいらない理由があったのではないでしょうか?

ビタミンCがなければ私たちは壊血病を引き起こし、命に危険が迫ります。

しかし、その反面まだ明らかになってはいないビタミンCの悪い作用があるかもしれないという説です。

どうしてもビタミンCを体内で作る時に邪魔だったという事が起きていたかもしれません。

 

間違いなく、昔はビタミンCを体内で作れる猿と作れない猿が共存していた。

しかし、ビタミンCを体内で作ると何か不都合が起きてしまい、ビタミンCを体内で作る猿がそのビタミンCの悪い作用によって絶滅してしまう。

そしてビタミンCを体内で作れない、もしくはあえて作れないようになった猿のみが生き残り、それが人間に進化した。

 

というストーリーです。

もちろんこの仮説の真偽を明らかにすることはできていません。

またそれを知る方法もありません。

しかし非常に興味深いものではありますよね!?

ビタミンCの正体が解明されたのがたったここ100年近くの出来事ですから、今後さらに研究が進むと思います。

むしろ100年後は、ビタミンCが悪いものである!なんて栄養素になっているなんてこともあり得るかもしれません・・・

これらの真相が解明されるのは非常に楽しみですね?

まとめ

ビタミンCの歴史は非常に浅いという事を知って頂けましたでしょうか?

発見されるまで、人間は常に壊血病という全身から出血してしまう病気との戦いでした。

それまでは壊血病は感染症だと考えられていたのです。

しかし、世界中の科学者が研究に研究を重ねて壊血病に有効なビタミンCという栄養素を見つけ出しました。

そして発見から間もなく科学的に合成することにも成功し、壊血病という病気との戦いに終止符を打つことができたのです。

また、そもそもなぜ人間がビタミンCを体内で作り出すことができなくなってしまったか?という疑問については解明はされていないのが現状です。

しかし、ここ100年でビタミンCの歴史が大きく動いたように、この先近い将来それが解明される日が来るかもしれません。

その時私は生きているだろうか・・・