【教科書よりも優しい】脂肪酸の分類や種類をわかりやすく解説してみた!

こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です!

どっぷりとゆとり教育に染まってきた人間です・・・

以前、脂質の分類を初心者でもわかるくらいできるだけ簡単に解説した記事を書きました!

栄養学を学んでいく中で最初に出てくる脂質は、脂肪酸、コレステロール、脂溶性ビタミン、リン脂質などです。

そして今回はそんな中でも、さらに細かく分類される脂肪酸に限定して解説していこうと思います。

私のブログ記事のモットーは「できるだけ簡単にわかりやすく」ですので、今回も頑張ります!!

脂肪酸とはどんな脂質?

ということで、まずは前回の復習をしていきましょう!!

まずはこちらをご覧ください!

前回の記事でも紹介しましたが、脂肪酸とは上の図の誘導脂質に分類されます。

誘導脂質とは、簡単にいうと単純脂質や複合脂質が分解されてできたものです。

実際に単純脂質の【中性脂肪】の構成要素として脂肪酸がどのように利用されていたかというと、このような形になっていましたね!

このように、単純脂質である【中性脂肪】の構成要素になっているのでした!

脂肪酸はこの単純脂質である中性脂肪から分解されたものですから、誘導脂質なのは納得できますよね?

ザックリとした脂肪酸のプロフィールを思い出してくれましたか?

中性脂肪の性質の違い=脂肪酸の性質の違い

先ほども説明しましたが、単純脂質の中性脂肪とはグリセロールと脂肪酸が結合したものですね!

グリセロールについている脂肪酸の数でモノアシルグリセロールなのか、ジアシルグリセロールなのか、トリアシルグリセロールなのか・・・

そんな分類ができるのです。さっきの図に示した通りです!

そしてこの世の中に存在する脂肪のほとんどがトリアシルグリセロールです!

ここで日常にある身の回りの油脂を思い出してみてください!

どの油脂もみんな性質は同じではないですよね?

牛の脂身のように固まっているものもあれば、オリーブオイルのようにサラサラしているものもある・・・

ココナッツオイルのように普通は固まっているけれど、少し温めればサラサラしてきたり・・・

どれも同じトリアシルグリセロールなのに、なんでこんなに性質が違うのか・・・

そう疑問に思う人もいるかと思います。

これは今から紹介する脂肪酸の分類や種類に答えがあるのです!

トリアシルグリセロールはグリセロールに3つの脂肪酸が結合し構成されています。

このトリアシルグリセロールに結合している3つの脂肪酸の種類や、その組み合わせによって油脂の性質が違ってくるのです。

このように、長いものがついていたり、短いものがついていたり、折れ曲がっているものがついていたり、真っ直ぐなものががついていたりと様々です。

グリセロールについている脂肪酸の種類や、それによってできた中性脂肪の割合や比率の違いによって油脂の性質が大きく変わってくるのです!

それでは、油脂などの性質を大きく左右する脂肪酸の分類や種類を見ていきましょう!

脂肪酸の分類や種類

今回はいきなり脂肪酸の分類や種類を一気に見ていきたいと思います!

まず表で見てもらった方が分類や種類がイメージできるかと思います。

こちらをどうぞ!!

飽和脂肪酸一覧表

分類 脂肪酸名 炭素数 二重結合数
飽和脂肪酸 酪酸 4 0
カプロン酸 6 0
カプリル酸 8 0
カプリン酸 10 0
ラウリン酸 12 0
ミリスチン酸 14 0
パルミチン酸 16 0
ステアリン酸 18 0
アラキジン酸 20 0

不飽和脂肪酸一覧表

分類 脂肪酸名 炭素数 二重結合数
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 n-9系 オレイン酸 18 1
多価不飽和脂肪酸 n-6系 リノール酸 18 2
γ-リノレン酸 18 3
アラキドン酸 20 4
n-3系 α-リノレン酸 18 3
EPA 20 5
DHA 22 6

どうですか?

なんとなくこんな感じに分類されます。

ここに書いてある具体的な脂肪酸の名前は全部が載っているわけではありません。

私たちが学問的に習うときにも脂肪酸の全てを覚えるわけではありません。

ホントに一握りの主な脂肪酸だけです!

なのでこの表にも主な脂肪酸のみ紹介しました!

脂肪酸の分類と種類がイメージできたところで、それぞれ詳しく見ていきましょう!!

二重結合の有無で飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類される

先ほどの表のオレンジ色の表とピンク色の表の分類について説明していきます!

まず脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。

これは二重結合があるかないかで分類されるのでしたね!

そして全ての油脂に、これらの飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸が含まれています。

この2つの脂肪酸の性質の違いは、溶ける温度が違います。

これはこれらの脂肪酸の構造式の違いが、溶ける温度の違いの差になっているのですが、それはまた後で説明しますね!

油脂が溶けるということはどういうことかと言うと、油脂が固まった状態からサラサラの状態に変わるということです。

つまり油脂が固体から液体になるということですね!

飽和脂肪酸を多く含む油脂はほとんどが常温(室温)で個体です。

一方で、不飽和脂肪酸を多く含む油脂は常温(室温)で液体です。

この時、

  • 常温で固まっている油脂を❝脂❞
  • 液体になっている油脂を❝油❞

とそれぞれ感じで表します!

豚の背脂や牛肉の脂身は固まっていますよね?なので脂と書きます。

オリーブ油や、ごま油、サラダ油は液体でサラサラしています。なので油と書くのです。

ご存知でしたか?

これを知っているだけで、結構周りの人に尊敬されると思いますよ!笑

それでは、その溶ける温度の差をつくる飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の分子の構造を簡単に説明します。

飽和脂肪酸は団結力がある!

飽和脂肪酸の共通した構造がこちらです!!

脂肪酸は、炭素C、水素H、酸素Oが鎖のようにつながっています。

そして炭素は手が4本、水素は手が1本、酸素は手が2本ということを頭に入れてください。

飽和脂肪酸だと、炭素の2本の手は水素が一つずつつないでいます。

炭素の残りの手は隣の炭素の手をつないでいます。

こうして、炭素同士の鎖に水素が2個ずつついた状態になっているのです。

炭素の余った手が水素で埋め尽くされているのが分かります。

炭素の余った手が水素でいっぱいですよね?

炭素の余った手が水素で飽和状態になるのです。

そうなんです!

だからこのような構造をもつ脂肪酸は全て飽和脂肪酸と呼ばれているのです!

このように、水素で炭素の手を隙間なく埋めているため結合が強い。

よって常温でも溶けることなく固体を保てるというわけです。

不飽和脂肪酸は団結力が弱い

一方不飽和脂肪酸は飽和状態ではないことが、なんとなく先ほどの説明で想像できると思います。

炭素の余った手が、水素で飽和状態でないから不飽和脂肪酸なんだなとイメージができるでしょう!

では実際にどうなのか見てみましょう!

二重結合の部分では炭素の余った手には水素が1個しかついていません。

炭素のもう一本の余った手は、なんと隣の炭素と仲良くつないでいるではありませんか!!!!

このように、不飽和脂肪酸は二重結合の部分は水素で炭素の手が飽和されていないですよね?

なのでこれらの二重結合をもつ脂肪酸を不飽和脂肪酸と呼びます。

不飽和脂肪酸のこの二重結合部分を持つので、飽和脂肪酸に比べると原子同士の結びつきが弱い。

だから常温では固体という形が保てず、液体となっているのです!

  • 飽和脂肪酸・・・二重結合を持たず、水素で炭素の手を埋め尽くしている脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸・・・二重結合を持ち、水素で炭素の手を埋め尽くしていない脂肪酸

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の性質の違いは、構造上(二重結合部分)の原子同士の結びつきの強さの違いと説明することが出来ます。

ここで飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の分類を理解してもらえたと思います!

次は、飽和脂肪酸の説明を簡単にした後、不飽和脂肪酸の分類や種類をさらに詳しく解説していきたいと思います!!

飽和脂肪酸は炭素数で性質が変わる

飽和脂肪酸は炭素の鎖に対して全て水素で飽和している脂肪酸です。

なので炭素の数が増えれば増えるほど、鎖の長さが長くなるということになります!

そしてその炭素数、つまり脂肪酸の長さが長くなればなるほど融点は高くなり液体になりにくくなります。

実際に炭素数が多い脂肪酸の割合が高い油脂ほど、融点が高くなります。

飽和脂肪酸の融点

分類 脂肪酸名 炭素数 融点(℃)
飽和脂肪酸 酪酸 4 -5
カプロン酸 6 -3
カプリル酸 8 17
カプリン酸 10 32
ラウリン酸 12 44
ミリスチン酸 14 54
パルミチン酸 16 63
ステアリン酸 18 70
アラキジン酸 20 76

炭素数が増えるほど融点が高くなるのがこの表からもわかると思います!

なので飽和脂肪酸の特徴を簡単にまとめるとこんな感じです!

つまり炭素の数が多い脂肪酸ほど冷やすと固まりやすくなるということですね!

飽和脂肪酸の名前は覚えなくても大丈夫なので、この上の図のザックリとした特徴は是非覚えてください!

不飽和脂肪酸は二重結合の数で一価と多価に分類される

不飽和脂肪酸、それは一価不飽和脂肪酸と、多価不飽和脂肪酸の総称です。

これは、名前からも一価不飽和脂肪酸は何かが1個で、多価不飽和脂肪酸は何かが多いんだなとイメージできると思います。

実はその通りです!

先ほど、不飽和脂肪酸は二重結合と言って水素と炭素のつながりが途切れている箇所があると説明しました。

その途切れている二重結合の箇所が1箇所のみの脂肪酸を一価不飽和脂肪酸といいます。

そして、途切れている二重結合の箇所が多い脂肪酸(二箇所以上の脂肪酸)が多価不飽和脂肪酸です。

それにしても図が大雑把すぎてすみません・・・笑

一価不飽和脂肪酸の代表選手はオレイン酸

分類 脂肪酸名 炭素数 二重結合数
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 n-9系 オレイン酸 18 1
多価不飽和脂肪酸 n-6系 リノール酸 18 2
γ-リノレン酸 18 3
アラキドン酸 20 4
n-3系 α-リノレン酸 18 3
EPA 20 5
DHA 22 6

この表を見ながら説明していきます!

一価不飽和脂肪酸にはオリーブオイルに多く含まれているオレイン酸という脂肪酸があります。

このオレイン酸は炭素と水素のつながりが炭素の鎖の端から数えて9個目の炭素で途切れているのです。

なので、これをオメガ9系の脂肪酸と呼びます。

また私たちは学問的にはn-9系なんて言ったりします。

TVなどでは、オメガ9という表現の方がポピュラーな気がします。

多価不飽和脂肪酸の代表選手はオメガ3系とオメガ6系の脂肪酸

分類 脂肪酸名 炭素数 二重結合数
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 n-9系 オレイン酸 18 1
多価不飽和脂肪酸 n-6系 リノール酸 18 2
γ-リノレン酸 18 3
アラキドン酸 20 4
n-3系 α-リノレン酸 18 3
EPA 20 5
DHA 22 6

また、多価不飽和脂肪酸にはいくつか種類があるのですが、その中でも覚えてほしいものが2つあります。

それはオメガ3系、オメガ6系の2つです。

オメガ9系に対して、オメガ3系とオメガ6系が出てきました。

これもさっきと考え方は同じで、炭素と水素のつながりが、炭素の鎖の端の炭素から3個目で途切れているのがオメガ3系。

6個目で途切れているのがオメガ6系です。

これらも栄養学的にはn-3系、n-6系と習います。

この図のように3個目で途切れていれば、鎖の長さに関係なくどんな不飽和脂肪酸もオメガ3系に分類されます。

同じく6個目であればオメガ6系に分類されます。

日常で見るものとしては、オメガ3系の脂肪酸はえごま油、アマニ油、青魚に含まれている油に多いです。

オメガ6系の脂肪酸は、菜種油、ごま油などのサラダ油と呼ばれるものに多く含まれています。

 

先ほど、飽和脂肪酸のところでは、炭素の数が多ければ多いほど固体から液体になる融点が高くなると説明しました。

不飽和脂肪酸ではどうなのでしょうか?

実は不飽和脂肪酸では、二重結合の数が多ければ多いほど融点が下がるという特徴があります。

分類 脂肪酸名 炭素数 二重結合数 融点(℃)
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 n-9系 オレイン酸 18 1 13
多価不飽和脂肪酸 n-6系 リノール酸 18 2 -5
アラキドン酸 20 4 -49
n-3系 α-リノレン酸 18 3 -11
EPA 20 5 -54
DHA 22 6 -78

なので簡単に図でまとめるとこんな感じです!

つまり、二重結合の数が多い脂肪酸ほど冷やしても固まりにくくなるということですね!!

脂肪酸は炭素数によっても分類することができる

脂肪酸は炭素の手が水素で飽和しているかしていないか(二重結合をもつかもたないか)で分類することが出来ました。

実は炭素の鎖の長さ(炭素の数)でも分類することが出来るのです。

  • 炭素の数が4個以下の場合・・・短鎖脂肪酸(自然界にはほとんどない)
  • 炭素の数が5~12個の場合・・・中鎖脂肪酸
  • 炭素の数が12個以上の場合・・・長鎖脂肪酸

この炭素数の区切りには実は諸説あります。

ですので、なんとなく短いもの・・・中くらいの長さのもの・・・長いもの・・・と、大まかに覚えてくれれば大丈夫です。

そして自然界の脂肪酸はそのほとんどが炭素数が偶数個の脂肪酸とされています!

いかがでしたでしょうか?

なんとなく脂肪酸の分類の方法がわかりましたか?

最後に脂肪酸を大まかに分類し、それぞれの脂肪酸を多く含む油脂を紹介したいと思います!!

脂肪酸の種類と含有食品

脂肪酸の分類はもう完璧かと思います!

でもここで大事なのは、どんな油脂にどんな脂肪酸が多く含まれているか?ということです。

なのでここではそれを紹介したいと思います!!

分類 脂肪酸名 食品名
飽和脂肪酸 パーム油、ココナッツ油、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、バターなど
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 n-9系 オレイン酸 オリーブ油、菜種油、調合サラダ油など
多価不飽和脂肪酸 n-6系 リノール酸 紅花油、大豆油、コーン油、ごま油など
γ-リノレン酸 月見草油、母乳など
アラキドン酸 レバー、卵黄など
n-3系 α-リノレン酸 しそ油、えごま油、亜麻仁油など
EPA ぶり、さば、さんま、さわらなど
DHA いわし、さば、ぶり、さんまなど

ここで紹介した油脂は、主にその脂肪酸が多く含まれているというものです。

なので、例えば魚の油にはオメガ3系の脂肪酸のみが含まれているのではなく、色々な脂肪酸の中でもオメガ3系が多く含まれているということです。

食品で「これさえ食べれば健康になれる!」なんてスーパーフードは残念ながら存在しません。

油脂も全く同じで、いくらTVでオメガ3系のオイルやココナッツオイルが良いと言っていたからと、それだけを摂ることは決して正しい選択ではありません。

様々な良質な油脂を少しずつまんべんなく摂ることで身体の機能も整ってくるのです!

まとめ

いかがでしたか?

今回は脂質の中でも特に脂肪酸にのみ特化して、できるだけ丁寧に解説してきました!

脂肪酸は栄養学では最も出てくる脂質の一つですので、是非何回も読んで覚えてほしいと思います!!

ということで、早速今回の記事の内容をまとめていきましょう!!

ポイント1 脂肪酸のプロフィール

  • 脂質は大きく、単純脂質、複合脂質、誘導脂質に分類され、脂肪酸はこの誘導脂質の仲間である。
  • 中性脂肪の性質の違いは、それを構成する脂肪酸の性質の違いである。

 

ポイント2 脂肪酸は二重結合の有無で2つに分類される

  1. 飽和脂肪酸・・・二重結合なし(炭素の鎖が水素原子で飽和している)
  2. 不飽和脂肪酸・・・二重結合のあり(炭素の鎖が水素原子で飽和していない)

 

ポイント3 不飽和脂肪酸は二重結合の数で2つに分類される

  • 二重結合数1つ・・・一価不飽和脂肪酸
  • 二重結合数2つ以上・・・多価不飽和脂肪酸

 

ポイント4 飽和脂肪酸は特に炭素の数で3つに分類される

  • 炭素数~4個・・・短鎖脂肪酸
  • 炭素数5~12個・・・中鎖脂肪酸
  • 炭素数12個~・・・長鎖脂肪酸

 

ポイント5 ぜひ覚えてほしい主な脂肪酸

  1. オメガ9系(一価不飽和脂肪酸)・・・オレイン酸
  2. オメガ6系(多価不飽和脂肪酸)・・・リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸、
  3. オメガ3系(多価不飽和脂肪酸)・・・αリノレン酸、EPA、DHA

 

ポイント6 それぞれの脂肪酸を多く含む油脂

分類 脂肪酸名 食品名
飽和脂肪酸 パーム油、ココナッツ油、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、バターなど
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 n-9系 オレイン酸 オリーブ油、菜種油、調合サラダ油など
多価不飽和脂肪酸 n-6系 リノール酸 紅花油、大豆油、コーン油、ごま油など
γ-リノレン酸 月見草油、母乳など
アラキドン酸 レバー、卵黄など
n-3系 α-リノレン酸 しそ油、えごま油、亜麻仁油など
EPA ぶり、さば、さんま、さわらなど
DHA いわし、さば、ぶり、さんまなど

以上です!!

こんな記事を書いてほしい!

なんて希望がもしありましたら是非コメントくださいね!!

それでは次回の記事もよろしくお願いします!!