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ナイアシンの生理作用・食事摂取基準・多く含む食品などを簡単にまとめてみた!

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こんにちは!元高校球児の管理栄養士あじです。 スポーツ選手の食事や栄養学について『わかりやすく!』をモットーに情報発信しています!
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スポーツ栄養士のあじです!(初めての方はこちらから)

今日はナイアシンについて紹介します!

このナイアシンは別名ビタミンB₃と言われています。

ビタミンB群の一種なので、体内で補酵素として働いてくれます。

そんなナイアシンについて、できるだけ要点に絞って解説していきますのでどうぞ読み進めてください!

葉酸を動画で学びたい人はこちら

※動画内では食事摂取基準2015を使用しています。(動画作成時は最新だったため)現在の最新版である食事摂取基準2020はこの記事内に記載しています。

ナイアシンのプロフィール

ナイアシンはニコチンアミドニコチン酸の総称を言います。

このニコチンアミドとニコチン酸の名前の由来はみなさん一度は聞いたことのあるニコチンから来ています。

ニコチンはご存知の通りタバコの葉っぱに含まれている物質です。

このニコチンと化学的な構造が似ていることから、それぞれニコチンアミド、ニコチン酸と名付けられました!

ニコチンは有害物質として一般的に知られています。

なのでニコチンとしっかりと区別するためにニコチンアミド、ニコチン酸の総称をナイアシンと名付けました。

ナイアシンも他のビタミンB群同様にエネルギー代謝に関わる酵素の補酵素として働きます。

ナイアシンは、ニコチンアミドやニコチン酸として体内に取り入れるだけでなくアミノ酸からも作ることが出来ます。

そのアミノ酸はトリプトファンです。

なので、たんぱく質をしっかり摂っていればトリプトファンというアミノ酸から作ることが出来るのです。

ここからナイアシンについてさらに詳しく見ていきましょう!

ナイアシンの生理作用

ナイアシンは、ニコチンアミドやニコチン酸の総称であることは先ほど説明しました。

これらの栄養素は植物性食品にも動物性食品はにも含まれています。

ニコチンアミドは動物性食品に、ニコチン酸は植物性食品に含まれています。

このようにナイアシンは食品には幅広く存在しているのです。

また、必須アミノ酸であるトリプトファンからも合成することが出来るのです。

トリプトファン60mgからナイアシン1mgが作られます。

そんなナイアシンは、エネルギー代謝においてものすごく重要な働きをしています。

三大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質すべての代謝に関わっています。

これらの三大栄養素が体内でエネルギーに変わる過程で必要な酵素の補酵素としてナイアシンは関わっているのです。

補酵素とは、酵素のお手伝いをするものです。

なのでこの補酵素という存在がないと酵素は働くことができません。

つまり、ナイアシンは三大栄養素がエネルギーに変わる過程において欠かせない存在ということなのです!

それ以外にもこのナイアシンは体内で約500種類の酵素が補酵素として必要とされています。

「僕が働くために支えてくれ!」と500人の男性から言い寄られているモテモテ女子なのです。

女子かどうかは知りませんが、そんなイメージです。

体内の酵素の約20%はこのナイアシンが補酵素として必要と言われているくらいですから驚きですね!

皮膚や粘膜の健康を維持し、神経の安定にも必要

ナイアシンは三大栄養素のエネルギ代謝での補酵素としての役割だけでなく、皮膚や粘膜さらには神経系にも重要な栄養素です。

ナイアシンは不足すると皮膚に障害が出てしまいます。

医薬品としても、口内炎、舌炎、皮膚炎、など皮膚や粘膜の治療に使われています。

また、精神的な面でもナイアシンはとても重要です。

イライラ、不眠、めまいなどナイアシンが不足することで起こる症状があるのです。

酒を飲んだらナイアシン

ナイアシンはアルコール代謝にも実は大きな役割を担っています。

アルコールは体内に入ると、吸収され最終的には肝臓で分解されます。

この時、アルコールアセトアルデヒド酢酸水・二酸化炭素というような過程で分解されていくのです。

アルコールは、アルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに変わります。

このアセトアルデヒドは二日酔いや、頭痛・吐き気などの原因物質です。

そしてこのアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素によって無害な酢酸に分解されるのです。

ナイアシンは、このアルコール脱水素酵素、アセトアルデヒド脱水素酵素の2つの酵素の補酵素として働くのです。

これらを簡単に示した図がこちらです。

このように、お酒を飲んだらアルコールを最終的には水と二酸化炭素に分解しなければなりません。

お酒を飲めば飲むほどナイアシンの必要量は増えてきます。

酒を飲んだらナイアシン!!

覚えておいてくださいね!

ナイアシンの欠乏症

ナイアシンの欠乏症といえば「ペラグラ」が有名です。

これは皮膚炎や下痢、さらには鬱や頭痛などの神経障害に至るものです。

アメリカやヨーロッパのある地域に集中してこのペラグラは起こりました。

そのある地域とは、トウモロコシを主食とする地域です。

実はこのトウモロコシは、必須アミノ酸であるトリプトファンが第一制限アミノ酸となっています。

第一制限アミノ酸とは、必須アミノ酸の中でもっとも少ないアミノ酸ということです。

トリプトファン60mgからナイアシン1mgが作られるという話は先ほど説明した通りです!

このトリプトファンが少ないトウモロコシを常食としていたので、ナイアシンが体内で不足しました。

その結果ペラグラになってしまう人が多かったのです。

日本でも実はこのペラグラはみられます。

それはアルコール依存症の人です。

お酒をたくさん飲む人はナイアシンの必要量が増えます。

お酒をたくさん飲みすぎてしまい、ナイアシンが足りなくなってしまうとこのようにペラグラになってしまうのです。

ナイアシンは水溶性ビタミンですが、過剰症が存在します。

摂り過ぎた場合、血管が拡張し皮膚が赤くなったり下痢や嘔吐などの消化器官の異常がみられるのです。

またその他にも肝機能障害も起こります。

普通の食事をしていれば欠乏症も過剰症もほとんど心配ありません。

しかし、極度の偏食や医薬品の服用などで過剰症になることもあるのです。

ナイアシンの食事摂取基準

ナイアシンの食事摂取基準を、年代別、性別にそれぞれまとめていますのでご覧ください!

あなたに合った摂取量を見つけることは出来ましたか?

それでは、ナイアシンがどのような食品に多く含まれているか見ていきましょう!

ナイアシンを多く含む食品

食品名 一食分の目安量(g) 成分含有量(mg)
穀類 精白米 150(1膳) 0.3
玄米 150(1膳) 3.8
豆類
いも類
種実類 ひまわりの種 9(大さじ1) 0.6
落花生 9(10粒) 0.1
きのこ類 まいたけ 30(1/3パック) 2.7
えりんぎ 30(1/3パック) 2.5
海藻類
野菜類
果物類
魚介類 たらこ 40(1腹) 19.8
かつお 100(1切れ) 19.0
ムロアジ 80(1切れ) 12.2
マグロ 80(1切れ) 11.4
サバ 80(1切れ) 8.3
肉類 豚レバー 50 7.0
牛レバー 50 6.8
豚ロース 50 5.8
60(1個) 0.1
乳製品

これらがナイアシンを多く含む食品です。

ナイアシンは動物性食品に多く含まれていることが分かりますね!

しかし植物性食品にも含まれていないわけでもありません。

ナイアシンは幅広く食材に含まれているということがわかります。

ナイアシンの効率的な摂取方法

ナイアシンは特に肉や魚などの動物性食品に多く含まれています。

この肉や魚などの動物性食品には、ナイアシンそのものも多く含まれていますが、合成原材料であるトリプトファンも豊富です。

なので動物性食品をしっかり摂っていれば不足することはありません。

また、ナイアシンは熱などに強いため普通の食事をしていれば不足の心配はないと思います。

ナイアシンは水に溶けるため、煮汁やゆで汁ごと食べられる調理法がオススメですよ!

まとめ

今回はナイアシンについてまとめてみました!

ということでポイントのおさらいをしていきましょう!

ポイント1 ナイアシンの主な生理作用

  • 三大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質のエネルギー代謝において補酵素として関わる
  • 皮膚や粘膜、髪の毛の健康維持
  • アルコールの分解酵素の補酵素

 

ポイント2 ナイアシンの欠乏症と過剰症

  • 欠乏症・・・ペラグラ(皮膚炎、神経障害など)
  • 過剰症・・・皮膚障害、嘔吐・下痢、肝機能障害

 

ポイント3 ナイアシンを多く含む食品

  • 動物性食品、特に魚介類のたらこやカツオ
  • その他幅広く食品には存在する

 

いかがでしたか?

次回も楽しみにしていてください!

 

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