【人の体は何でできているの?】身体組成を知ることで栄養素の働きも理解できる!
こんにちは!
平成生まれの管理栄養士です。
栄養学を学んでいく上では欠かせない【人間の身体組成】
人の身体は『様々なもの』から構成されています。
私たちが日ごろ口にしている食物は、その『様々なもの』に変換されたり、変換されなかったものは排泄されたりしています。
このような『様々なもの』の元になるのが身体組成のことで、身体組成も次のように様々な見方をすることができます。
- 原子レベルでみた身体組成
- 分子レベルでみた身体組成
- 組織レベルでみた身体組成
各レベルの身体組成は、上から順に小さいレベルでみたものとなっています。
原子によって分子ができ、分子によって組織ができ、組織によって私たち人間という『個体』が生まれます。
今回は、これらの身体組成を少しだけ理解するとともに、アスリートやスポーツ選手に是非知ってほしい身体組成についても解説していきたいと思います!
それでは早速みていきましょう!
3つのレベルからみた人間の身体組成
先ほども説明しましたが、人間の身体組成は次のようなレベルでの分類をすることができます。
- 原子レベル
- 分子レベル
- 組織レベル
それでは、各々のレベルでみる身体組成について少し詳しくみていきましょう!
①原子レベル
まず、人の身体組成を最小単位でみてみると、それは原子にたどり着きます。
これは人だけでなく、例えば空気や石や金属などにも同じことが言えますね!
原子レベルで人の身体組成をみてみると以下のものが大きな割合を占めることとなります。
- 酸素(O)
- 炭素(C)
- 水素(H)
- 窒素(N)
他にいくもの原子が存在しますが、主に上記の4つです。
文献などによっても異なりますが、以下のような割合になっています。
- 酸素(O)・・・65%
- 炭素(C)・・・18%
- 水素(H)・・・10%
- 窒素(N)・・・3%
私たちがエネルギーとして利用している3大栄養素である【糖質】【脂質】【たんぱく質】もこれらの原子から構成されていますね!
②分子レベル
続いて、原子がいくつか繋がって構成された分子レベルでみていきましょう!
分子レベルで人の身体組成をみてみると以下のものが大きな割合を占めることとなります。
- 水
- 脂肪
- たんぱく質
これら3つの分子が人の身体組成の主となっているのです。
割合としては以下のようになります。
- 水・・・約50~65%
- 脂肪・・・約15~25%
- たんぱく質・・・約15~20%
他にもミネラルや核酸、糖質などが存在していますが、これらは数%しか存在しません。
不思議に思われる方もいると思いますが、3大栄養素のうち人間が最も多く摂取するのが糖質なのにも関わらず体組成では最も少ないのです。
③組織レベル
分子は細胞となって、細胞が集まると各組織を作ります。
筋肉や、体脂肪、各種臓器、骨、血液などがそうです。
ここまでくると、目に見えるのでなんとなく実感がわいてきますね!
では、組織レベルで人の身体組成をみるとどのようになっているのでしょうか?
- 骨格筋
- 脂肪組織
- 骨
- 血液
- その他の臓器
このようになっています。
組織の大きさや重さは個人・性別差が大きいですが、おおよそ以下のような割合になっています。
- 骨格筋・・・約40%程度
- 脂肪組織・・・約20%程度
- 骨・・・約10%程度
- 血液・・・約8%程度
そして、これらの組織が集まって、人間という【個】が構成されているのです。
ここで、人の身体組成を原子・分子・組織レベルそれぞれでみた時の割合などをまとめてみました。
アスリートやスポーツ選手が知っておきたい身体組成とは?
ここまでは、人間の身体がどのようなもので構成されているのかについてみてきました。
では、アスリートやスポーツ選手にとってその身体組成がどのように関わってくるのでしょうか?
アスリートやスポーツ選手は、特に次の2つの身体組成に関して多くの人が気にかけているのではないでしょうか?
- 体脂肪
- 骨格筋
現在販売されている体重計の中で、少し値段が高く機能が充実した体重計であれば簡単にその組成を知ることができます。
もちろん、一般的な体重計でも計算方法を知ってさえすれば体脂肪量や骨格筋量などは簡単に値を求めることができます。
では、簡単にその目安を知る計算方法について見ていきたいと思います!
体脂肪量の計算方法
体脂肪量は体脂肪率さえわかれば簡単に算出可能です!
まず最初に体重計に乗ってあなたの体重と体脂肪率を把握してください!
あとは、下のSTEP1の式に当てはめるだけです。
例えば、体重が70kgで体脂肪率が20%であれば
体脂肪量 = 70 × 20 ÷ 100 = 14kg
このようになります!
体脂肪率さえわかってしまえば、このように自分自身の体脂肪量を簡単な計算によって把握することができるのです。
筋肉量・筋肉率の計算方法
筋肉量や筋肉率を把握するためには、先ほどの体脂肪率や体脂肪量を計算式の中で使います。
ですので、先ほどの計算方法や算出された値はしっかり覚えておいてください!
また、この方法で算出された値はあくまで目安量であって正確な数字ではありません。
正確な数値が知りたいという方は、体組成計で調べることをおすすめします!
では計算方法についてみていきましょう!
筋肉量や筋肉率の計算方法は次のようになります。
- 体重×体脂肪率÷100=体脂肪量
- 体重-体脂肪量=徐脂肪体重
- 徐脂肪体重÷2=筋肉量
- 筋肉量÷体重×100=筋肉率
図を使ってわかりやすく説明していきます!
まず最初のステップ1はもう終わっていますので飛ばしますね!
ステップ2で徐脂肪体重を求めます。
体重から脂肪量を除くことで、徐脂肪体重を計算します。
ステップ3で筋肉量を計算します。
筋肉量は徐脂肪体重の約半分と言われています。
ですので、徐脂肪体重÷2 をしてください!
ステップ4で筋肉率を求めます。
体重に対してどのくらい筋肉量があるのか計算すればOKです!
筋肉量÷体重×100 こうすることで、筋肉率を算出できます!
では、あなたの筋肉量や筋肉率がどのくらいなのか評価してみましょう!
男性 | 女性 | ||
年代 | 筋肉率 | 年代 | 筋肉率 |
20代 | 44% | 20代 | 39% |
30代 | 37% | 30代 | 37% |
40代 | 34% | 40代 | 33% |
50代 | 31% | 50代 | 30% |
60代 | 29% | 60代 | 26% |
70代 | 25% | 70代 | 23% |
平均的な値として上の表を参考にしてみてください!
特にアスリートやスポーツ選手は自分の身体をしっかりと把握することが一番重要です。
ですのでこの記事を参考にして、セルフチェックを欠かさず行うように努めてください!
できれば、毎日同じ時間やタイミングで体重計に乗るなど日々の体重・体調の変化を知ることをおすすめします!
まとめ
それでは、この記事の内容を簡単にまとめていきたいと思います。
- ポイント1 人の身体組成は次のように様々な角度から見ることができる
- 原子レベル
- 分子レベル
- 組織レベル
- ポイント2 それぞれの身体組成の割合をまとめると以下のようになる
- ポイント3 アスリートやスポーツ選手が特に気にすべき身体組成は以下の2つである
- 体脂肪
- 骨格筋
- ポイント4 体脂肪量や骨格筋量・骨格筋率のおおよその目安の計算方法