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【優しい解説!】子供(小児)と高齢者が脱水症になりやすい理由とは?

あじ
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こんにちは!元高校球児の管理栄養士あじです。 スポーツ選手の食事や栄養学について『わかりやすく!』をモットーに情報発信しています!
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こんにちは!

平成生まれの管理栄養士です!

今回の記事は、夏場は特に気をつけたい脱水症についてです。

暑熱環境では運動をしなくても、普通に生活しているだけで脱水症になりやすく注意が必要です。

特にお子さんや高齢者の場合は、より脱水しやすいのでこまめな水分補給を心掛けてほしいと思います!

では、なぜ小児や高齢者の方は脱水症になりやすいのでしょうか?

それにはいくつか原因があるのです。

それらの原因をこの記事ではできるだけ丁寧に解説していこうと思います!

その前に脱水症や体内の水分に関する基礎知識について詳しく解説している記事のリンクを貼っておきますのでご覧ください!

この記事を見ることで、より今回の内容の理解が深まると思います!

それでは早速ですが、子供と高齢者の方が脱水になりやすい原因について見ていきましょう!

子供(小児)が脱水症になりやすい5つの理由

子供が脱水症になりやすい主な原因は次の5つです!

  1. 体内の水分(体液)量の割合が多い
  2. 不感蒸泄量が多い
  3. 腎機能が未発達なので体液が失われやすい
  4. 水分が入ってくる量に比べて出ていく量が多い
  5. 自分の意志で水分摂取できない場合が多い

では、それぞれ少しだけ詳しく解説していきます!

理由① 体内の水分(体液)量の割合が多い

人間は年齢によって体内の水分量の割合が変化していきます。

生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)は体内の約80%が水分です。

成長していく過程で水分の割合は少なくなっていき、成人になると体水分量はおよそ60%の割合になります。

また、子供は水分の割合が多いのですが、その内訳を見ると細胞外液が割合として非常に高くなっています。

発汗など体液の喪失は基本的には細胞外液から始まるので、子供は脱水しやすくなるのです!

理由② 不感蒸泄量が多い

子供は成人に比べて不感蒸泄量が多いです。

不感蒸泄量とはどういうものを指すのでしょうか?

不感蒸泄とは、発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失のことです。

中には不感蒸泄というのは皮膚からの蒸散のみを指すという意見もあります。

ここではわかりやすく、汗以外の皮膚・呼気からの水分喪失とします!

皮膚・呼気からの不感蒸泄の量は様々な条件によって大きく変わりますが、安静時には健康な成人で1日に約900ml程度です。

その内容は、以下の通りです。

  • 皮膚・・・約600ml
  • 呼気・・・約300ml

また、これらの不感蒸泄量は発熱による体温上昇や熱傷(やけど)、過換気状態(呼吸が多くなる状態)などで増加します。

では子供の不感蒸泄量はどのくらいなのでしょうか?

下の表にまとめていますのでご覧ください!

新生児 15~25ml/kg/日
乳児 25~50~70ml/㎏/日(脱水~通常~発熱)
成人 15ml/㎏/日

このように成人よりも新生児・乳児の方が不感蒸泄量の割合が多くなることから、脱水症になりやすいのです。

理由③ 腎機能が未発達なので体液が失われやすい

子供の場合、まだ腎臓の機能が未熟です。

腎臓やその他の臓器も成長過程において機能が発達していきます。

腎臓にある尿細管という部分は、水分や電解質を再び吸収して体内に戻してあげるという働きをしています。

こうすることで、無駄な水分排出を抑えているのです。

腎臓における再吸収が行われる結果、尿の濃度は濃くなり体液の喪失を防ぐことができます。

しかし、この機能がまだ未発達な子供の場合は、尿の濃度を濃くすることができず薄い尿が排出されます。

つまり体液が多く失われやすいということです!

理由④ 水分が入ってくる量に比べて出ていく量が多い

子供の場合は、成人と比べて体重あたりの水分出納が大きくなっています。

水分出納とは、水分の出入りのバランスのことです。

実際にそれがどのようなことなのか?というのを下の図に表してみました!

このように、乳児の場合は細胞外液が1400mlに対して水分の交換量が700mlとなっています。

つまり、乳児は体液の1/2の量を入れ替えているということです。

一方で成人は細胞外液が14000mlに対して水分の交換量が2000mlとなっています。

つまり、成人は体液の1/7の量を入れ替えているということです。

乳児は、体内に存在する水分量に対して交換する量の割合が大きいことから、発汗や下痢・嘔吐などを起こすとすぐに脱水症になりやすいのです。

理由⑤ 自分の意志で水分摂取できない場合が多い

子供の場合は、自分で水分をこまめに補給しないといけない理由がわかりません。

特に新生児や乳児は自分で水分補給をすることすらできません。

口や喉が渇くという感知はできるのですが、節水行動を起こすことができないのです。

ですので、小さなお子さんを持つ親御さんはこまめに水分補給させてあげてほしいと思います。

お子さんには脱水症を予防する能力がないために脱水症が簡単に起こってしまうのです。

高齢者が脱水症になりやすい7つの理由

高齢者が脱水になりやすい主な原因は次の7つです!

  1. 体内の水分(体液)量の割合が少ない
  2. 喉の渇きを自覚しにくい
  3. 食事由来の水分摂取量が少なくなりやすい
  4. 腎臓の尿濃縮機能が低下していまう
  5. トイレに行かないように水分摂取を我慢してしまう
  6. 治療薬の影響で体液を喪失しやすい
  7. 浸透圧の高い(塩辛い)食品を好む

では、こちらもそれぞれ少しだけ詳しく解説していこうと思います!

理由① 体内の水分(体液)量の割合が少ない

これは子供の脱水症になりやすい理由のところでも説明しましたが、年齢を重ねると体内の水分量が減ってしまうのです。

高齢者になると体内の水分量はおよそ50%になってしまうので、成人に比べると10%も水分量が少ないのです。

ですので、少し汗をかいたり下痢や嘔吐などによって脱水症になりやすいということです。

なぜ水分量が少ないか?という疑問についてですが、その理由の一つは筋肉量の違いです。

どうしても年齢を重ねると筋肉量は減っていきます。

筋肉は体内で水分の含有量が多い場所です。

言い換えれば、筋肉が水分を蓄えるタンクになっているということです。

つまり、筋肉を使わなくなって筋肉量が減ってしまうと、水分を貯蔵しておく場所がなくなるわけですから全体的水分量が減るということです。

ちなみに筋肉組織は、およそ80%が水分です!

昔は熱をもったところに馬肉を湿布代わり使っていたそうです。

このことからも筋肉の水分量の多さがわかりますね!

理由② 喉の渇きを自覚しにくい

年齢を重ねると、脳の機能も少しずつ落ちてきます。

人間には口渇中枢機能というものがあるのですが、その機能も低下していくのです。

口渇中枢とは、字の通り口が渇いたりするのを感知するための中枢機能です。

体液が失われていくと、口の中が渇いていきます。

しかし、口渇中枢が衰えてくると口の渇きを感じにくくなってしまい、口渇感を自覚しにくくなるのです。

その結果摂水行動を起こしにくくなるので、水分摂取が遅れたり水分の摂取量が少なくなってしまうのです。

こうして脱水症になりやすくなってしまいます。

理由③ 食事由来の水分摂取量が少なくなりやすい

少なくなってしまうのは飲料としての水分だけではありません。

私たち人間は、飲料からの水分摂取はもちろんですが食事からも水分を摂取しています。

体内に入る水分(ml) 体外へ出る水分(ml)
食べ物の水分 1000 尿・便 1600
飲料水 1200 600
代謝水 300 不感蒸泄 300
合計 2500 合計 2500

飲料まではいかずとも、ほぼ同等の量の水分量を食事から摂取していることがこの表からもわかります。

年齢を重ねると、日常生活において消費するエネルギー量が少なくなってきます。

それに伴って食べる量も少なくなりますので全体的な食事量が減り、そこから得られる水分量も減ってしまうのです。

また、嚥下機能(飲み込む機能)が低下してしまうとさらに食事量が少なくなってしまいます。

食事には、水分だけでなく塩分などの電解質も多く含まれていますので、水分・電解質両方が不足しやすくなるのです。

食べる量が減ってきたなと感じる方は、その分水分の摂取量には十分注意してほしいと思います!

理由④ 腎臓の尿濃縮機能が低下していまう

これも子供の脱水症になりやすい原因のところで説明したものとほとんど同じです。

子供の場合は腎機能が未熟なために、尿を濃縮することができず体液が失われやすいのでしたね!

高齢者の方の場合は腎機能が低下するために、尿を濃縮することができなくなってしまうのです。

加齢によって腎臓の尿細管での水分と電解質の再吸収の能力が落ちてしまうのです。

このような理由で体外へ体液を排出しやすい状態になるのです。

理由⑤ トイレに行かないように水分摂取を我慢してしまう

人間には、トイレが近くならないように抗利尿ホルモン(ADH)というホルモンが存在します。

抗利尿ですので、利尿に対して拮抗するホルモンということです。

この抗利尿ホルモンは、寝ている時などに分泌されることで私たちはぐっすり眠ることができます。

一方でアルコールを摂取すると、この抗利尿ホルモンが抑制されてトイレが近くなります。

高齢者の場合は、水分摂取に伴ってこの抗利尿ホルモンが低下してトイレが近くなってしまいます。

外出時にトイレに行かなくてもいいように水分摂取を抑えたり、夜間にトイレに起きないように水分摂取を抑えてしまう方も多いと思います。

このように自ら水分摂取を制限してしまうことが多いのです。

その結果脱水症になりやすくなってしまうのです。

理由⑥ 治療薬の影響で体液を喪失しやすい

高齢者の方の中には何かの病気の治療としてお薬を服用している場合が多いです。

高血圧など、心臓に負担がかからないようにするための薬の中には、降圧利尿薬などもあります。

この降圧利尿薬は、尿の排出を促すことで血圧を下げる効果がありますので体液が失われやすいのです。

このようなお薬を服用している方は特に脱水症に注意が必要です。

理由⑦ 浸透圧の高い(塩辛い)食品を好む

年齢を重ねると、味覚の閾値が下がってしまい味を感じにくくなってしまうと言われています。

味が感じにくいとどうしても濃いものを食べる傾向にあります。

濃い味のものを食べると体内の浸透圧も高くなってしまいます。

このように体内の浸透圧が高くなると相対的に水分が不足するのです。

脱水時に飲むべき飲料とは?

ここまで、子供たちと高齢者の方が脱水になりやすい理由を解説してきました!

それでは、実際に脱水症になってしまった場合はどのような飲料を飲めばよいのでしょうか?

子供の場合

このように、子供の場合には子供用の経口補水液がありますので、このような商品を選ぶと良いでしょう!

経口補水液がどのようなものなのか詳しく解説した記事がありますのでこちらをご覧ください!

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