【脱水症状を予防しよう!】運動時の体温上昇の仕組みと体温調節システムとは?

こんにちは!

私は平成生まれの管理栄養士です!

夏になるとよく目にする脱水症状による体調不良のニュース。

あなたは日常的に水分補給を意識されていますか?

また、運動習慣のある人やスポーツ選手など身体を動かす人は特に脱水症状は気を付けなければいけません。

これらの人は季節を問わず脱水症状を起こす可能性があります。

今回は、そんな脱水症状に関して重要な【体温上昇の仕組み】【体温調節システム】について解説していきたいと思います!

これらの仕組みをなんとなくでもよいので理解しておくことで、脱水予防にも役立ちます!

それでは早速見ていきましょう!

脱水の分類と脱水によって起こる症状とは?

脱水とはどのようなものを言うのでしょうか?

超超超超簡単に説明すると、脱水とは体内の水分が失われた状態を指します。

当たり前すぎますね・・・笑

その脱水の仕方によって3つに分類されます。

  1. 低張性脱水
  2. 等張性脱水
  3. 高張性脱水

これらは体内の電解質と水分の割合によって変わるもので、それぞれの脱水が起こる原因と症状が変わってきます。

水分量と電解質の関係は、

  • 低張性脱水・・・水分量に対して電解質が減り血漿浸透圧が低下する
  • 等張性脱水・・・水分量と電解質が同程度減るので血漿浸透圧は変化なし
  • 高張性脱水・・・電解質に対して水分量が減り血漿浸透圧が上昇する

もう少しイメージしやすいように表現すると、

  • 低張性脱水・・・電解質がより多く失われることで体液の濃度が薄くなる
  • 等張性脱水・・・水分量も電解質も一定の割合で失われるので全体的に少なくなるが体液の濃度は変わらない
  • 高張性脱水・・・水分だけより多く失われることで体液の濃度が濃くなる

このようなイメージですね!

脱水の分類が、体液の濃度や血漿浸透圧の変化の仕方によって3つに分かれるということはわかりましたね!

では脱水することでどのような症状が起こるのでしょうか?

脱水の症状は体内の水分の失われる割合(%)によって変わってきます。

一般的には喉の乾きから始まり、全身の脱力感など、さらにひどくなってくると手足のふるえ、呼吸困難など症状が重くなってしまいます。

さらに体水分量が失われていくと、最悪の場合死に至ることもあります。

いかに日々の水分補給が重要かわかりますね!

脱水症状はいつ起こりやすいの?

脱水症状が起こりやすい場面は次の3つです。

  1. 運動・スポーツ時
  2. 日常生活
  3. 夏場・冬場

運動やスポーツを経験した人であれば、自分がそうなってしまったという方も少なくないと思います。

自分でなくても、周りの仲間などが脱水症状になってしまった人もいるでしょう。

運動やスポーツによって起こる脱水は、身体を動かすことで生じる体温の上昇を発汗によって抑えるため水分量が失われるのです!

日常生活においては、就寝時や起床時、入浴後、飲酒後などに脱水になりやすいとされています。

『寝る前のコップ1杯、起きてからのコップ1杯』なんてよく言われますが、その1杯の水分量を意識するだけでも日常で起こる脱水症状の多くは防ぐことができます。

また、夏場は気温が高く普通に生活していても汗をかくので非常に多くの水分が知らず知らずのうちに失われていきます。

一方で冬場は、ノロウイルスにかかった際に起こる下痢や嘔吐、インフルエンザにかかった際の高熱による発汗などでよく脱水症状が起きます。

病気にかかることで二次的に脱水症状になりやすくなるので注意が必要です。

ここまで、簡単に脱水に関する基礎知識を紹介してきました。

ここからは運動やスポーツにおける体温上昇の仕組みについて解説していきたいと思います!

運動時の体温上昇の仕組み

運動やスポーツをしている時は、たとえそれが冬場であっても体温上昇に伴って脱水が起こります。

冬の寒い日にランニングをしたりスポーツの練習をしていても汗は出てきますよね!

それは当たり前ですが、身体を動かすことで体温が上昇するからです。

では一体なぜ体温は上昇するのでしょうか?

実はこの体温上昇にはエネルギー産生と関係があります。

栄養素の中でエネルギーを生み出すものは3つありますね!

三大栄養素と呼ばれる、糖質・脂質・たんぱく質の3つです。

これらが代謝されてエネルギーを生み出す際に、エネルギーと一緒に熱も生み出されるのです。

基本的にエネルギー源が十分にある場合は糖質と脂質が主にエネルギーに変わります。

糖質や脂質からATP(エネルギー源)という物質を作り出し、そのATPを分解することで筋肉の収縮が行われています。

ATPについてや、糖質・脂質からATPが生じるメカニズムについて少し詳しく知りたい方は、こちらの記事に詳しく解説しています!

このようにATPが作り出されたり、ATPを分解して筋肉を収縮している過程でエネルギーのロスが起こります。

実際に糖質や脂質から運動に使われているエネルギー量は20%程度しかないと言われています。

残りの80%のエネルギー量はどこへ行ってしまったのでしょうか?

実はこの残りの80%のエネルギー量が熱へと変換されるのです!

あくまでイメージですが、このように糖質・脂質から得られたエネルギーは一部は運動エネルギー、一部は熱エネルギーに変換されるということです。

こうして熱エネルギーが生み出されることで体温が上昇します。

寒い時に無意識にガタガタ震えるのも、筋肉を動かして熱を生み出すことで体温を上げて寒さから身を守ろうという私たちの身体に備わる一種の防御反応といえます。

このように体温が上がっていくのですが、体温を上げるシステムがある一方で体温を下げるシステムがないと体温は上昇し続けてしまいます。

人間の体温は43℃くらいまでしか耐えることができません。

ですので、体温が上がりすぎないように人間には体温を下げるシステムも備わっていてます。

その中で最も重要な体温を下げるシステムが発汗作用なのです。

体温上昇時の体温調節システム

体温を下げるシステムには大きく2つあります。

一つは発汗によってその気化熱で体温を下げるシステムと、もう一つは皮膚血流量を増やすことで体温を下げるシステムです。

体温調節機構について簡略化したものを図にまとめてありますのでご覧ください!

体温の上昇は運動によってのみ起こることではありませんね!

気温が高く暑かったり、風邪などをひくことで体温が上がることもあります。

このように体温が上がる原因は様々です。

ですが、体温が上がる時には体内の様々なセンサーよって感知されて体温を調節する中枢神経に信号が送られます。

そのセンサーには皮膚温度受容器深部温度受容器というものがあります。

特にこれらを覚える必要は全くありませんが、皮膚温度受容器は皮膚に存在していて、深部温度受容器は脳や内臓、骨に存在しています。

これらのセンサーから送られた信号は、脳の視床下部(視索前夜)という場所に送られてここが司令塔として体温が一定に保たれるように調節しているのです。

皮膚血流量増加による体温調節は車のラジエーターと同じ原理?

運動をすると熱が生み出されるのは先ほど解説しましたね!

また、その運動を暑い環境(気温が高い環境)で行うとさらに体温が上がりやすくなります。

このような環境で運動した場合、まず最初に体内で起こる現象としては皮膚の血流が増えるということです。

運動中に皮膚の血管が膨張して、腕や首筋などの血管がくっきりと浮かび上がる経験をしたことがあると思います。

これは、皮膚の血管を拡張させて皮膚への血流量を増加させているのです。

皮膚は外気と常に触れていますから、運動によって生じた体内の熱を血液に吸収させて皮膚に移動させることで外気に発散しているのです。

車の仕組みに詳しい人ならわかると思いますが、自動車にもエンジンの熱を下げるためにラジエーターという装置が存在します。

エンジンが動くことで生じる熱を、エンジン周りを循環する水が吸収しラジエーターに送り込みます。

ラジエーターは最も風があたるボンネットの最前部に設置されていて、風(外気)によってエンジンの熱を冷却する働きがあるのです。

車のラジエーターを使ったエンジンで生み出された熱を下げるシステムと、人間の血液を使った運動によって生じた熱を下げるシステムは同じということです!

ラジエーターに送り込まれた【エンジン熱を吸収した水】は、皮膚に送り込まれた【運動によって生じた熱を吸収した血液】と考えくれれば良いと思います!

また、人間の身体では気温が20℃くらいの環境で運動した時と比べて、35℃の環境で運動した時の方が心拍数が増加します。

このような暑い環境化では、本来は筋肉(骨格筋)に送り込まれるはずの血液が熱放散のために皮膚に送られてしまいます。

すると、筋肉(骨格筋)への血流が足りなくなってしまい、それを補おうとして心臓の動きが活発になるのです。

『もっと筋肉に血液を流さないと!』と心臓が頑張ろうとして心拍数が増えるのです!

まずこのような反応が体内で起こり、それでも熱の放散が間に合わない時に発汗作用が始まるようになります。

あなたも経験したことがあると思いますが、最初のストレッチなどではじんわり身体が熱くなってきて血管が浮き出てきます。

そして練習など運動の強度を上げていくと汗をかき始めるのです。

水分は身体にとって大切な資源だから発汗は最後の手段!?

水分は身体にとって非常に重要な物質です。

ですので、そのような大切な資源はできるだけ失われないようにする必要があります。

よって運動の初期は皮膚への血流増加によって体温を下げようとする体温調節機構が働くのです。

発汗は、汗(水分)が皮膚の表面に出てくることで、その汗(水分)が蒸発する際に熱を奪う気化熱によって体温を放散するのです。

暑い夏に打ち水をすると涼しくなりますよね?

また、手を洗ったあと手に水滴が残っていると手がひんやりと冷たく感じると思います。

これらと同じ原理です。

しかし、ここで重要なのは水分が蒸発するかどうかです。

何が言いたいかというと、汗の場合は蒸発せずに水滴となって滴り落ちることがありますよね?

こうなると気化熱によって体温は下がらないのです。

このように体温を低下させる作用をもたない発汗を無効発汗と呼びます。

逆にしっかりと蒸発することで体温を低下させることができる発汗を有効発汗と呼びます。

だいたい体重が70㎏くらいの人は、汗が100g蒸発すると体温が1℃低下させることができる計算になります。

汗は数リットルかきますが、体温は数10℃も下がることはありません。

それは、発汗の中でも滴り落ちて体温が下がらない無効発汗が多くなっているからです。

体温を下げて熱中症を避けるために水分が必要!

これまで2つの体温の調節機構について解説しました!

皮膚血流量が増加することと、発汗することで運動により体内に生じた熱を放散できるのです。

こうして暑い環境下でも体内のあらゆる生体機能を熱や暑さから守っているのです。

しかし、発汗が進み体内水分量が減ってくる、または最初から体内水分量が少ないと体温の上昇が起きてしまいます。

体内にはある程度一定の水分量が必要とされるので、体内に一定の水分量を残すことが優先的になり発汗作用が抑制されるのです。

すると体内の熱を放散するこができずに体温が上昇し、熱中症になってしまうのです。

体温が上昇しすぎると、体内のたんぱく質が変性してしまします。

生卵が熱によって変性し、固まってしまうと温度を下げても元に戻りません。

たんぱく質の熱による変性はこのように不可逆的であり、元の形には戻らないのです。

ですから、人間の体内に存在するあらゆるたんぱく質が体温が上昇によって不可逆的な変性を起こして組織にダメージを与えてしまいます。

最悪の場合だと熱中症で命を落とすこともありますが、それはこのような熱によるたんぱく質の不可逆的変化が原因の1つとなります。

このような状態にならないためにも、運動時はもちろん、暑い日などはこまめな水分補給が必要なのです。

自分で水分補給が困難である高齢者や乳幼児の場合には特に注意が必要となってくるのです!

まとめ

今回は運動における体温上昇と体温調節機構について解説してきました!

ここで大事なポイントをおさらいしていきましょう!

ポイント1 運動時に体温が上昇するのは糖質や脂質から得られたエネルギーが運動エネルギーの他に熱エネルギーにも変換されるから

ポイント2 体温上昇時の体温調節機構

  1. 皮膚血流量の増加
  2. 発汗作用

ポイント3 皮膚血流量の増加によって体内で生じた熱を外気に放散させる

ポイント4 発汗作用によって汗が蒸発する際に気化熱を利用して熱を放散させる

ポイント5 体内水分量が減少してくると熱を放散できず体温が上昇してしまう

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