アスリートや栄養学初心者の方にオススメです!

アスリートやスポーツ選手のご飯(白米)の適切な摂取量とは?

あじ
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こんにちは!元高校球児の管理栄養士あじです。 スポーツ選手の食事や栄養学について『わかりやすく!』をモットーに情報発信しています!
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こんにちは!

平成生まれの管理栄養士です。

今回は、ご飯の適切な摂取量についてです!

日本人の主食である【米】は、アスリートやスポーツ選手にとって重要な食材の一つです。

なぜなら、練習やトレーニングで消費するエネルギー量の大半を主食であるお米から摂ることになるからです。

しかし、テレビや雑誌などを見ていると『ちょっとこの食事は白米に偏っていないか?』と思うことがたまにあります。

そこで適正なご飯量がどのくらいなのか解説していこうと思います!

それは早速見ていきましょう!

お米から摂取できる栄養素とは?

まずはじめに、お米から得られる栄養素について見ていきたいと思います!

お米は日本人が最も多く食べている食品の1つですから、スポーツ選手やアスリートでなくても知っていて損することはありません。

お米の主成分はでんぷん(糖質)です。

でんぷんは多糖類の一種で人間が生きる上で不可欠な血糖値の元になるグルコースが連なっている物質です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

主成分はでんぷん(糖質)であっても、その他の栄養素が全くないか?と言われればそうではありません。

糖質以外の栄養素も含まれています。

では、お米100gにはどのような栄養素がどのくらい含まれているのでしょうか?

以下の表にまとめてみました!

精白米(うるち米)
栄養素 含有量
エネルギー(kcal) 358
たんぱく質(g) 6.1
脂質(g) 0.9
炭水化物(g) 77.6
ナトリウム(mg) 1
カリウム(mg) 89
カルシウム(mg) 5
マグネシウム(mg) 23
リン(mg) 95
鉄(mg) 0.8
亜鉛(mg) 1.4
銅(mg) 0.22
マンガン(mg) 0.81
ヨウ素(μg) 0
セレン(μg) 2
クロム(μg) 0
モリブデン(μg) 69
ビタミンA(μg) 0
ビタミンD(μg) 0
ビタミンE(mg) 0.1
ビタミンK(μg) 0
ビタミンB₁(mg) 0.08
ビタミンB₂(mg) 0.02
ナイアシン(mg) 1.2
ビタミンB₆(mg) 0.12
ビタミンB₁₂(μg) 0
葉酸(μg) 12
パントテン酸(mg) 0.66
ビオチン(mg) 1.4
ビタミンC(mg) 0

ご飯から摂取できる栄養素とは?

私たちはお米をそのまま食べることはほとんどのありませんね!

お米は水を加えて炊くなど加熱することで美味しく食べることができるのです。

ですので、今度はご飯100gに含まれている栄養素量を見ていきましょう!

ご飯100g当たりの栄養素量を知ることで日常的に使いやすい数字を知ることができます。

ご飯(精白米・うるち米)
栄養素 含有量
エネルギー(kcal) 168
たんぱく質(g) 2.5
脂質(g) 0.3
炭水化物(g) 37.1
ナトリウム(mg) 1
カリウム(mg) 29
カルシウム(mg) 3
マグネシウム(mg) 7
リン(mg) 34
鉄(mg) 0.1
亜鉛(mg) 0.6
銅(mg) 0.1
マンガン(mg) 0.35
ヨウ素(μg) 0
セレン(μg) 1
クロム(μg) 0
モリブデン(μg) 30
ビタミンA(μg) 0
ビタミンD(μg) 0
ビタミンE(mg) 0
ビタミンK(μg) 0
ビタミンB₁(mg) 0.02
ビタミンB₂(mg) 0.01
ナイアシン(mg) 0.2
ビタミンB₆(mg) 0.02
ビタミンB₁₂(μg) 0
葉酸(μg) 3
パントテン酸(mg) 0.25
ビオチン(mg) 0.5
ビタミンC(mg) 0

アスリートやスポーツ選手の理想のPFCバランスと炭水化物(糖質)摂取量

それでは実際にアスリートやスポーツ選手などの理想のPFCバランスを見ていきましょう!

その前にPFCバランスについてですが、PFCバランスというのは【P】と【F】と【C】のバランスことです。

  • P・・・Protein (たんぱく質)
  • F・・・Fat(脂質)
  • C・・・Carbohydrate(糖質)

これらのエネルギーバランス比を表しています。

一般的な人が食事をする際に理想とされているPFCバランスは 15:25:60 と言われています。

  • P・・・15%
  • F・・・25%
  • C・・・60%

つまり、全体のエネルギー量を100とすると、

  • たんぱく質由来のエネルギーから15%
  • 脂質由来のエネルギーから25%
  • 炭水化物由来のエネルギーから60%

それぞれ摂取することが理想とされるのです。

一つ例ととってみてみると、例えば一日2000kcalの場合は次のような比率になります。

  • P・・・300kcal(15%)
  • F・・・500kcal(25%)
  • C・・・1200kcal(60%)

このようなエネルギーバランスになるのが理想的なのです。

では、アスリートやスポーツ選手の理想のPFC比はどのくらいなのでしょうか?

実はアスリートやスポーツ選手の理想のPFC比もそのほとんどが 15:25:60 と、一般的な食事の理想とされるPFC比と同じなのです。

もちろん競技の違いによっても若干変わってきますが、基本的には 15:25:60 で大丈夫です。

一般的な人の食事と何が違うのか?というと、その量が違うということです。

バランスは変えずにたくさん食べることができると、とても理想的な食事となります。

それではPFC比が 15:25:60 の時の各摂取エネルギー(カロリー)量と必要な三大栄養素量を見ていきましょう!

スマホでこの記事をご覧になっている方はスマホを横にして見ると表が見やすくなります!

エネルギー量(kcal) エネルギー量分配(kcal) 摂取量(g)
P F C P F C
1200 180 300 720 45.0 33.3 180
1400 210 350 840 52.5 38.9 210
1600 240 400 960 60.0 44.4 240
1800 270 450 1080 67.5 50.0 270
2000 300 500 1200 75.0 55.6 300
2200 330 550 1320 82.5 61.1 330
2400 360 600 1440 90.0 66.7 360
2600 390 650 1560 97.5 72.2 390
2800 420 700 1680 105.0 77.8 420
3000 450 750 1800 112.5 83.3 450
3200 480 800 1920 120.0 88.9 480
3400 510 850 2040 127.5 94.4 510
3600 540 900 2160 135.0 100.0 540
3800 570 950 2280 142.5 105.6 570
4000 600 1000 2400 150.0 111.1 600
4200 630 1050 2520 157.5 116.7 630
4400 660 1100 2640 165.0 122.2 660
4600 690 1150 2760 172.5 127.8 690
4800 720 1200 2880 180.0 133.3 720
5000 750 1250 3000 187.5 138.9 750
5200 780 1300 3120 195.0 144.4 780
5400 810 1350 3240 202.5 150.0 810
5600 840 1400 3360 210.0 155.6 840
5800 870 1450 3480 217.5 161.1 870
6000 900 1500 3600 225.0 166.7 900

エネルギー量の分配に関しては、P(たんぱく質)・F(脂質)・C(炭水化物)からそれぞれ得られる 15%・25%・60% のエネルギー量を指しています。

さらに、P(たんぱく質)・F(脂質)・C(糖質)の摂取量は次のような計算によって成り立っています。

  • たんぱく質・・・1g=4kcal
  • 脂質・・・1g=9kcal
  • 糖質・・・1g=4kcal

エネルギー量の分配から、この計算式によってそろぞれ何g必要かを表しています。

上の表であなたに合った摂取エネルギー量や各栄養素量は見つかりましたか?

あなたが一日に必要な摂取エネルギー量を知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

一つ例を見てみましょう!

例えばあなたが一日に必要な摂取エネルギー(カロリー)量が1800kcalの場合は、

  • P・・・15%(270kcal)
  • F・・・25%(450kcal)
  • C・・・60%(1080kcal)

たんぱく質、脂質、炭水化物はこのような分配になります!

では、たんぱく質1g=4kcal、脂質1g=9kcal、糖質1g=4kcal、それぞれ摂取量に直してみると、

  • P・・・67.5g
  • F・・・50g
  • C・・・270g

このようになります!

先ほどリンクが貼られていた記事や、上の表からあなたが一日に必要な摂取エネルギー量をしっかり把握したら次にいきましょう!

アスリートやスポーツ選手の理想のご飯の量

それでは本題に入ります。

あなたに必要なご飯の摂取量はどのくらいなのでしょうか?

一日必要な各摂取エネルギー量別に、

  • 一日に必要なご飯の量
  • ご飯から得られるエネルギー量
  • ご飯から得られるエネルギー量が一日に必要な摂取エネルギー量の何%か

について下の表にてまとめていますのでご覧ください!

エネルギー量(kcal) 朝(g) 昼(g) 夜(g) 合計(g) エネルギー量(kcal) 比率(%)
1200 110 110 110 330 554 46.2
1400 125 125 125 375 630 45.0
1600 145 145 145 435 731 45.7
1800 160 160 160 480 806 44.8
2000 175 175 175 525 882 44.1
2200 195 195 195 585 983 44.7
2400 215 215 215 645 1084 45.2
2600 230 230 230 690 1159 44.6
2800 250 250 250 750 1260 45.0
3000 265 265 265 795 1336 44.5
3200 285 285 285 855 1436 44.9
3400 305 305 305 915 1537 45.2
3600 320 320 320 960 1613 44.8
3800 340 340 340 1020 1714 45.1
4000 355 355 355 1065 1789 44.7
4200 375 375 375 1125 1890 45.0
4400 395 395 395 1185 1991 45.2
4600 410 410 410 1230 2066 44.9
4800 430 430 430 1290 2167 45.2
5000 445 445 445 1335 2243 44.9
5200 465 465 465 1395 2347 45.1
5400 480 480 480 1440 2420 44.8
5600 500 500 500 1500 2520 45.0
5800 515 515 515 1545 2596 44.8
6000 535 535 535 1605 2696 44.9

あなたに合ったご飯の摂取量は見つかったでしょうか?

だいたいご飯から摂取するエネルギー(カロリー)量の理想は、全エネルギー量の45~50%くらいと言われています。

今回はご飯から得られるエネルギー量が、一日に必要な摂取エネルギー量全体の45%前後になるように計算しています。

もちろん、合計の数字に記載されているご飯の量を表のように3回の食事で均一に摂る必要はありません。

朝を少なくした分、昼や夜に多く摂るような感じが実際には現実的だと思います。

また、食が細い人は3回で摂りきろうとせずに、4・5・6回と複数に分けてご飯を摂取しても大丈夫です!

ご飯の各摂取量から得られるエネルギー(カロリー)以外の栄養素量とは?

ご飯100gあたりの栄養素量についての表や、実際にアスリートやスポーツ選手の理想のご飯の摂取量についての表を見ました。

ではそれぞれのg数でご飯を摂取した際のエネルギー量やその他の栄養素量を見ていきましょう!

栄養素 200g 400g 600g 800g 1000g 1200g 1400g 1600g
エネルギー(kcal) 336 672 1008 1344 1680 2016 2352 2688
たんぱく質(g) 5 10 15 20 25 30 35 40
脂質(g) 0.6 1.2 1.8 2.4 3 3.6 4.2 4.8
炭水化物(g) 74.2 148.4 222.6 296.8 371.0 445.2 519.4 593.6
ナトリウム(mg) 2 4 6 8 10 12 14 16
カリウム(mg) 58 116 174 232 290 348 406 464
カルシウム(mg) 6 12 18 24 30 36 42 48
マグネシウム(mg) 14 28 42 56 70 84 98 112
リン(mg) 68 136 204 272 340 408 476 544
鉄(mg) 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6
亜鉛(mg) 1.2 2.4 3.6 4.8 6 7.2 8.4 9.6
銅(mg) 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6
マンガン(mg) 0.7 1.4 2.1 2.8 3.5 4.2 4.9 5.6
ヨウ素(μg) 0 0 0 0 0 0 0 0
セレン(μg) 2 4 6 8 10 12 14 16
クロム(μg) 0 0 0 0 0 0 0 0
モリブデン(μg) 60 120 180 240 300 360 420 480
ビタミンA(μg) 0 0 0 0 0 0 0 0
ビタミンD(μg) 0 0 0 0 0 0 0 0
ビタミンE(mg) 0 0 0 0 0 0 0 0
ビタミンK(μg) 0 0 0 0 0 0 0 0
ビタミンB₁(mg) 0.04 0.08 0.12 0.16 0.2 0.24 0.28 0.32
ビタミンB₂(mg) 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16
ナイアシン(mg) 0.4 0.8 1.2 1.6 2 2.4 2.8 3.2
ビタミンB₆(mg) 0.04 0.08 0.12 0.16 0.2 0.24 0.28 0.32
ビタミンB₁₂(μg) 0 0 0 0 0 0 0 0
葉酸(μg) 6 12 18 24 30 36 42 48
パントテン酸(mg) 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4
ビオチン(mg) 1 2 3 4 5 6 7 8
ビタミンC(mg) 0 0 0 0 0 0 0 0

ご飯は炭水化物(糖質)しか含まれていないと思っている方が多いですが、実はそんなことはないのです。

意外に様々な栄養素が摂れますし、アスリートやスポーツ選手に必要なたんぱく質も摂取できるのです。

もちろん肉や魚、卵などに比べるとそのたんぱく質の『質』は落ちてしまいますが、お米からでもある程度のたんぱく質は摂取可能なのです。

各食品のたんぱく質の『質』を示すアミノ酸スコアについてはこちらの記事をご覧ください!

ご飯の量=炭水化物(糖質)量ではない!

この記事を読むまでは、『食事で摂取する炭水化物(糖質)は全てご飯から摂るものである。』と思っていた人も少なくないと思います。

アスリートやスポーツ選手、または一般的な人の食事でも糖質由来のエネルギーは比率で60%程度が理想でしたね!

しかし、ご飯から摂取するエネルギー量の比率は全体の約45~50%です。

では、残りの糖質由来のエネルギー量(約10~15%分)はどこから摂るのでしょうか?

それは野菜やイモ類、果物類、砂糖類など、その他のおかずやフルーツ、調味料として摂取するのです。

肉や魚にはほとんど炭水化物は含まれていません。

これらが食卓に並ぶといわゆる【主菜】となるのですが、主菜からはほとんど炭水化物(糖質)の摂取はできません。

ですので、ご飯だけ・おかずも肉や魚だけ』というような食事ではなく、他のおかずなどもしっかりと摂取する必要がります

主食として先ほど紹介したご飯の量からしっかりと炭水化物(糖質)を摂取して、その他のおかずからも炭水化物(糖質)を摂取することで、その比率はエネルギー比で全体の約60%くらいになります。

本当にバランスの良い食事というのはそこまで白米の量は多くはないのです!

やはり高校球児は白米を食べ過ぎている?

私は野球をしていたので野球選手の話をすると、野球選手はご飯に少し偏った食事をしている子が多いような気がします。

では実際にはどのくらいが適正量なのか見ていきましょう!

エネルギー量(kcal) ご飯量(g) エネルギー量(kcal) 比率(%)
1200 330 554 46.2
1400 375 630 45.0
1600 435 731 45.7
1800 480 806 44.8
2000 525 882 44.1
2200 585 983 44.7
2400 645 1084 45.2
2600 690 1159 44.6
2800 750 1260 45.0
3000 795 1336 44.5
3200 855 1436 44.9
3400 915 1537 45.2
3600 960 1613 44.8
3800 1020 1714 45.1
4000 1065 1789 44.7
4200 1125 1890 45.0
4400 1185 1991 45.2
4600 1230 2066 44.9
4800 1290 2167 45.2
5000 1335 2243 44.9
5200 1395 2344 45.1
5400 1440 2419 44.8
5600 1500 2520 45.0
5800 1545 2596 44.8
6000 1605 2696 44.9

高校球児は人によりますが、1日に約5000kcal程度の摂取エネルギー量が必要と言われています。

ですので、1日に5000kca必要な選手の場合はご飯の量が1335gくらいです。

この記事で紹介した各摂取エネルギー量に対する適正なご飯の摂取量よりも、自分が食べているご飯の量がかけ離れて多い場合は、少し食事内容を見直した方が良いかもしれません!

逆に少ない場合は、適正な量に届くように日々頑張って食べてほしいと思います!

もちろん体格や年齢、維持期・増量期・減量期など、一人一人環境や条件が異なるので身体作りに必要なご飯の摂取量も変わってきます。

この記事でしっかりと自分にとって適切な摂取量の目安を知り、身体やコンディション作りに活かしてほしいと思います!

 

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