アスリートやスポーツ選手はインスタントラーメンを食べてはいけないのか?
こんにちは!
元高校球児の管理栄養士です!
今回の記事は、全世界で愛されているインスタントラーメンについて書いていきたいと思います!
私は年に数回、どうしてもインスタントラーメンが食べたくなることがあります。
あの感覚は本当に不思議ですよねぇ~!
ですので、3~4ヶ月に1度くらいは食べていると思います。
私が好きなのは、カップ麺であれば【日清カップヌードル】のカレー味かシーフード味です。
カップ焼きそばでは【一平ちゃん】が好きです!
また、袋麺を使ってたくさんの野菜や卵を入れて作るラーメンも好きです。
あなたも好きなインスタントラーメンはありますか?
そんなインスタントラーメンは、アスリートやスポーツ選手にとっては敬遠されがちです。
一般的にはアスリートやスポーツ選手はインスタントラーメンを食べてはいけないと言われています。
もちろん私自身も野球をしていた時は意識して食べないようにしていましたし、サッカーW杯で活躍した大迫選手も食べている姿を見たことはなかったと高校の時のチームメイトが証言していましたね!
このように、アスリートやスポーツ選手が食べてはいけないと言われている理由や、どうしても食べたい時の上手な利用方法について解説していきたいと思います!
それでは早速みていきましょう!
もくじ
インスタントラーメンとは何か?
まず、インスタントラーメンとはどのような食品のことを言うのでしょうか?
Wikipediaさんによるとインスタントラーメンは次のように定義されています。
熱湯をかけたり、鍋で煮る等で、簡易に調理できる即席のラーメンである。包装は袋入り・カップ入り、麺はフライ麺・乾麺等の種類がある。即席麺、即席ラーメンとも呼称される。
インスタントラーメンは広い意味では、ラーメン以外にも、うどん・そば・焼きそばなども含めて、様々な袋入り即席麺(袋麺)およびカップ入り即席麺(カップ麺)全体を指しています。
また、狭い意味では、袋入りラーメンに限定してインスタントラーメンと呼んだりしています。
今回の記事においては、広い意味で使われているインスタントラーメンという解釈で話を進めていこうと思います。
ですので、袋麺もカップ麺もカップ焼きそばも、うどんやそばのシリーズなども全部含めてインスタントラーメンということです。
インスタントラーメンの歴史は日本で生まれ、1958年に日清食品によって開発された【チキンラーメン】が世界初のインスタントラーメンと言われています。
インスタントラーメン誕生から約60年経った今では、日本国内での生産量は約56.7億食となっています。(2016年の統計)
これは日本の人口1人あたり年間で約45食食べている計算となります。
私が食べていない分、あの人が80食くらい食べているのか・・・?( ゚Д゚)
インスタントラーメンは日本だけにとどまらず、世界全体で年間975億食も生産されているのです。
ここまでくると、世界を代表する日本食の一つですね!
このようにインスタントラーメンは、美味しくてすごく便利な食品です。
しかし、アスリートやスポーツ選手には敬遠されがちな食品でもあります。
では一体なぜ、アスリートやスポーツ選手が食べるのを避けているのでしょうか?
監督やコーチ、親がインスタントラーメンを食べるな!と言う理由
この記事を読んでいるあなたがもし現役の選手であれば、一度は『インスタントラーメンは食べちゃダメだ!』と言われたことがあると思います。
また、これを読んでいるあなたがスポーツ選手を子に持つ親御さんの場合でも、スポーツをしていた人なら同じように子供の頃にそう言われたことでしょう。
インスタントラーメンは決してヘルシーな食べ物でないことはみんな理解していると思います。
人間は色々な食品から、様々な栄養素を取り入れることで身体を維持しています。
しかし、インスタントラーメンは普通の食事と比べると多くの栄養素を摂取することがなかなか難しい食品です。
スポーツをしている子供たちには『将来のためにも強く大きな身体に育ってほしい』と、関わっている大人は皆そう願っているはずです。
選手を思う気持ちがあるからこそ、そのようなことを言ってくれているのだと選手本人も理解する必要がありそうですね!
インスタントラーメンを食べるデメリット
アスリートやスポーツ選手がインスタントラーメンを食べるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
私は次のように考えます。
- 習慣化しやすい
- エネルギー(カロリー)量は多いが栄養価が低い
- 塩分が多い
- リンの摂取量が多くなる
- 1食の食事をインスタントラーメンに置き換えると食事の栄養価が低くなる
- 脂質のバランスが崩れる
それぞれ少し詳しく見ていきましょう!
習慣化しやすい
まず最初に考えられるのが、インスタントラーメンを食べる生活に慣れやすいということです。
味が濃かったり旨味を強くしたものが多いので美味しく感じたり、手軽に食べられることから、とても習慣化しやすい食品なのです。
いわゆる『癖になる』というものです。
仮にインスタントラーメンを毎日食べる習慣がついてしまったら、スポーツ選手としてはあまり良い習慣とは言えません。
エネルギー(カロリー)量は多いが栄養価が低い
インスタントラーメンに多く含まれる栄養素は、糖質と脂質です。
麺は主に糖質で、麺を油で揚げたり調味液に油が含まれているので脂質も非常に多くなります。
一方でたんぱく質やビタミン、ミネラルはそこまで豊富ではありません。
ですので、アスリートやスポーツ選手にとっての身体作りのための食品としてはあまり向いていないということになります。
どちらかというと、エネルギー摂取に重きがあると言えます。
塩分が多い
インスタントラーメンは基本的に塩分が多い商品が多いです。
しょっぱいものを小さい頃から食べる習慣があると、微妙な味の違いを感じることができなくなってしまいます。
また、たくさんの塩分を取ると水分が余計に欲しくなってしまい、その他の食事量にも影響します。
運動している最中や、運動後など大量に発汗した際は塩分はある程度必要となりますが、普段の食事は薄味が理想となります。
リンの摂取量が多くなる
最も多くの人が懸念するのが、インスタントラーメンに添加物として含まれているリンです。
リンは、リン酸塩として様々な用途に使われています。
リンは体内にも多く存在するミネラルですが、摂りすぎるとカルシウムや鉄、亜鉛などの吸収を阻害してしまいます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
特に成長過程においては、骨にカルシウムを吸着させたい時期ですので、余分なリンを摂取し続けるのはおすすめできません。
普通の食事をしていてもリンは必要量は含まれていますが、インスタントラーメンを食べるとリンの摂取量が多くなってしまいます。
もちろん一回の食事だけで過剰なリンが身体に影響することはないでしょう!
しかし、特にサッカーやラグビーのようなコンタクトプレーが多いスポーツをしている子は、そのような食事の習慣化が骨に多少なりとも影響があるということを理解してほしいと思います。
1食の食事をインスタントラーメンに置き換えると食事の栄養価が低くなる
インスタントラーメンを1回の食事と数えた場合、まず摂取エネルギー量は少なくなります。
例えば一日3000kcalのエネルギー(カロリー)量を摂取する必要がある選手は、一回の食事で約1000kcal前後の摂取エネルギー量を必要とします。
そのような選手が、昼食や夕食などでカップ麺を食べたとします。
だいたい、カップ麺のエネルギー量は1個あたり350~450kcalですので、全く足りません。
また、一日に必要なビタミンやミネラル、筋肉の材料になるたんぱく質も足りません。
このように、インスタントラーメンはアスリートやスポーツ選手の食事とはなり得ないのです。
仮に間食として食べた場合は、結構な量のエネルギー摂取となります。
摂取エネルギー量が多い割に栄養価は低いので、体脂肪を増やさないために一日に摂取するエネルギー量を保ちながら、不足した栄養素量を他の食事で補わないといけません。
そのような献立を作るのは、私たち管理栄養士でも至難の業です。
脂質のバランスが崩れる
インスタントラーメンで使用されている油の多くは植物油です。
脂質もただ摂れば良いわけではなくて、そのバランスが大切です。
特にオメガ6系とオメガ3系のバランスが重要なのですが、インスタントラーメンのような食品を摂取し続けると、そのバランスが崩れます。
おおまかに説明すると、オメガ6系は炎症を促す働きがあり、オメガ3系は炎症を抑える働きがあります。
そのバランスが保たれることで人の身体は正常に機能します。
しかし、インスタントラーメンなどの加工品に使用される油ばかりを摂取してしまうと、オメガ6系の油の摂取量に対してオメガ3系油の摂取量が少なくなってしまうので脂質摂取量のバランスが崩れやすくなります。
その結果、炎症を促しやすい体質になりやすくなってしまうのです。
そういった油のバランスという意味でも、アスリートやスポーツ選手におすすめできる食品とは言えないのです。
オメガ6系、オメガ3系など、油の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
インスタントラーメンを食べるメリット
これまでデメリットについて様々な角度から解説してきました。
では、メリットはどのようなことなのでしょうか?
インスタントラーメンを食べるメリットは、やはりその手軽さではないでしょうか?
例えば、子供が一人で家にいてもお母さんの帰りを待たずに数分で簡単に作ることができます。
つまり、どうしても小腹が空いた時などに簡単に利用できるのです。
このように、手っ取り早くエネルギー(カロリー)を摂取できるというのは利点だと思います。
しかし、エネルギーに対してビタミンやミネラルが不足してしまうので、次に紹介するような食べ方を是非参考にしてみてください!
インスタントラーメンは絶対に食べるな!ではなく上手に利用しよう!
『アスリートやスポーツ選手はインスタントラーメンは絶対に禁止!』と言ってしまえば簡単です。
しかし、それでは食事の機能の一つである【楽しく食事をする】という精神的な面で制限されてしまいます。
楽しく食事をするのもアスリートやスポーツ選手にとって大切な要素です。
ですので私個人的には、デメリットをしっかりと理解した上でインスタントラーメンを上手に利用すれば良いと思っています。
上手に利用するとは、具体的にはどのような利用方法なのでしょうか?
私が考えるインスタントラーメンの上手な利用方法はこちらです!
- カップ麺ではなく袋麺を利用する
- 麺は油で揚げていないノンフライのものを選ぶ
- 茹でたお湯とは別のお湯でスープを作る
- できるだけ野菜、海藻、きのこ、卵など具を追加する
- スープは必ず残す
それでは一つ一つ少しだけ詳しく見ていきたいと思います!
カップ麺ではなく袋麺を利用する
カップ麺は、お湯を入れれば出来上がってしまうので一般的にはそれ以上の工夫をしようとしません。
しかし、袋麺であれば麺と一緒に野菜などの具を入れたりすることができます。
このように、インスタントラーメンでも一工夫するだけで摂取できる栄養素が多くなります。
麺は油で揚げていないノンフライのものを選ぶ
インスタントラーメンは基本的には油で揚げることで瞬時に麺を乾燥させて即席麺を作っています。
ですので揚げた時に油が含まれる分、エネルギー(カロリー)量が多くなります。
一方で、ノンフライの麺の場合は油で揚げない製法で作っているので余分な油を摂らなくて済みます。
本来摂る必要のない油はできるだけカットしたいので、できるだけノンフライのものを選ぶようにしましょう!
できるだけ野菜、海藻、きのこ、卵などの具を追加する
ラーメンは基本的にはそれが一品のメイン料理、一回の食事になることが多いと思います。
インスタントラーメンをおかずに・・・というような食事をする人は稀でしょう。
ですので、できるだけたくさんの食材を入れて様々な栄養素を摂取できるように工夫する必要があります。
インスタントラーメンの最も多い成分は麺の糖質ですので、野菜、卵、きのこ、海藻などを具として追加することでバランスの良い食事に変身するのです。
スープは必ず残す
インスタントラーメンのスープは美味しいですが、できるだけ残すように心がけてください。
その理由の一つが塩分の多さです。
塩分が多く摂取すると、喉が渇いてしまい余計に水分を摂る必要性がでてきます。
そうすると、次の食事量にも影響してきてしまう可能性があるのです。
また、スープに含まれる添加物を気にする方も多いと思いますので、できるだけスープは残して麺と具だけを食べるようにしてください!
何事も0か100かではなく妥協点を見つけることも大切!
最後にこれだけは伝えたいのですが『インスタントラーメンが絶対にダメ!』と言っているわけではありません!
また、アスリートやスポーツ選手にとってデメリットが多いから食べるなというわけでもありません。
私もカップ麺などはとても好きですし、たまに食べることもあります。
何が言いたいかというと、使い方や付き合い方が大事ということです。
メリットもデメリットもしっかり知った上でどのように利用するか?ということが大切です。
このような記事を読むと、『絶対に食べないようにしよう!』『子供には食べさせないよにしないと!』このようになってしまう人がいます。
白か黒か、食べるか食べないかではなく、状況によって使い分ける必要があるのです。
どうしてもお母さんが夕飯を作る時間がなくて、でもお腹が空いたときはインスタントラーメンを食べることも良いでしょう!
また、自分なりのインスタントラーメンの利用方法を楽しみながら探すのも良いと思います。
このように、食事を通して自分で良い方法を見つける努力をするということは、選手自身の競技にも繋がってくることです!
是非この記事の内容を参考にしながら、インスタントラーメンと上手な付き合い方をしてほしいと思います!
なんだかインスタントラーメンについて調べたり、記事を書いたりしていると食べたくなってしまいますね!笑
まとめ
それでは、この記事の内容を簡単にまとめていきたいと思います!
- ポイント1 アスリートやスポーツ選手がインスタントラーメンを食べるデメリット
- 習慣化しやすい
- エネルギー(カロリー)量は多いが栄養価が低い
- 塩分が多い
- リンの摂取量が多くなる
- 1食の食事をインスタントラーメンに置き換えると食事の栄養価が低くなる
- 脂質のバランスが崩れる
- ポイント2 アスリートやスポーツ選手がインスタントラーメンを食べるメリット
- 時間が無い、空腹、手間をかけられない時に素早くエネルギーを摂取できる
- ポイント3 インスタントラーメンの上手な利用方法
- カップ麺ではなく袋麺を利用する
- 麺は油で揚げていないノンフライのものを選ぶ
- 茹でたお湯とは別のお湯でスープを作る
- できるだけ野菜、海藻、きのこ、卵など具を追加する
- スープは必ず残す