【筋肉or体脂肪】野球選手が体重を増やす2つの方法とメリット・デメリットとは?

こんにちは!
野球が大好きな管理栄養士です。
今回は、野球選手にとって重要な体重の増量に関しての記事です。
私も高校まで10年間野球をする中、体重の増量には非常に苦労しました・・・
そんな体重の増やし方には大きく2つあります。
- 筋肉量を増やすことで体重を増量する
- 体脂肪を増やすことで体重を増量する
一般的には筋肉量で増やすことが理想とされますが、両者には違いがあるのでしょうか?
この2つの方法に関しての違いや、それぞれメリットやデメリットなどについても解説していきたいと思います!
それでは早速見ていきましょう!
体重を増やす方法は実は3つある!?
体重を増やす方法は実は3つあります。
最初にもお伝えしたように、筋肉で増やす方法と体脂肪で増やす方法の2つです。
あと一つは身長が伸びるなど身体の組織が大きくなることで体重が増えるということです。
増やすというよりは増えるという感じですね!
もしこの記事を読んでいるあなたがまだ成長過程にある場合は、身長が伸びることでそれに従って体重も増えていきます。
しかし身長を伸ばすためにはしっかりと食事をする必要がありますし、質の良い睡眠をとる必要もあります。
成長過程にある子が身長を伸ばすための知識やその方法が書かれた記事がこちらですので是非順番に読んでみてください!
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しかし、このブログを読んでいるみんなが成長過程にある人ばかりではないので現実的に体重を増やす2つの方法について見ていきたいと思います!
筋肉で体重を増やすか?体脂肪で体重を増やすか?両者のメリットやデメリットなどについて解説していきます!
筋肉で増量する場合のメリット・デメリット
筋肉と脂肪のどちらで体重を増やしたいですか?と100人に質問したら、100人が【筋肉】と答えるでしょう。
しかし悪だと思われている脂肪にもメリットがありますし、場合によっては筋肉にもデメリットがあります。
それらをしっかりと理解した上で筋肉や脂肪をつけて体重が増えていくと良いと思います!
筋肉で体重を増やすメリット
まずは筋肉で増量する場合についてです。
筋肉をつける最大のメリットは、プレーに対するパワーとスピードが上がるということです。
野球のプレーにおいてパワーやスピードがつくとどのようなメリットがあるのかをまとめた記事がありますので、こちらをご覧ください!
基本的にはパワーやスピードをつけようと思った場合は筋肉で体重を増やす必要があります。
ピッチングや送球などの投球動作や、バッティング動作など、何か野球に関する動作を速くするのには基本的に筋肉が必要だからです。
しかし、筋肉を付ければスピードが必ず出るというわけではありません。
その筋肉をしっかり使えるようにする神経系のトレーニングも必要になります。
自分の筋肉や身体を速く・思い通りに動かすためにはそのようなトレーニングも絶対に必要です。
この記事の内容では筋肉と脂肪どちらで体重を増やすか?という話ですので、筋肉がつくことでスピードが上がると仮定します。
筋肉がどこにつくのか?筋肉がついた後にどのようなトレーニングをするのか?が大事ですが、筋肉量におおよそ比例してパワーやスピードが上がりパフォーマンスも上がっていきます。
では、筋肉をつけるデメリットはあるのでしょうか?
筋肉で体重を増やすデメリット
これは間違った筋肉や野球に関係ない筋肉がついてしまうとただの『おもり』になってしまうということです。
野球の動作に必要な筋肉が発達すれば、その筋肉を使って上手に身体を動かすことでよりパワーやスピードを生み出すことができます。
しかし、野球の動作に関係ない筋肉が発達している場合は、野球の動作の邪魔になってしまうのです。
筋肉量=野球のプレーのパワーやスピード という式が成り立つのであれば、ボディービルダーの選手が一番速い球を投げ、ボールを遠くに飛ばすことができますよね?
でも実際にはそうではありませんね!
ですので、筋力トレーニングをする場合にはどこの筋肉が何の動作に必要なのか?
という専門的な知識が必要になるということです。
特に成長過程にある子供の場合には野球の動作の反復によって筋肉が自然についていくことが理想的です。
ダッシュを繰り返して発達する足の筋肉、バッティング動作を繰り返すことで身に付く筋肉などのことです。
さらに高みを目指す際には、しっかりと自分で勉強したり専門的な知識を持つ人などに教えてもらいながら必要な部分を鍛えていくと良いでしょう。
また、筋肉で体重を増やすということは難しいといいますか、多くの時間がかかります。
脂肪はたくさん食べればその日に体重を増やすことができますが、筋肉はそう簡単にはいきません。
筋力トレーニングを開始してから2~3ヶ月は筋肉量は変わらないのです。
トレーニング初期は今持っている筋肉の中で使わていない部分を使って力を生み出そうとするのです。
その筋肉をより働くようにする神経系が先に発達するからです。
筋力トレーニングを2~3ヶ月続けると、神経系も発達し今の筋肉だけではその負荷に耐えられなくなります。
そこで初めて筋肉量が増えてくるのです。
また、筋力トレーニングをただすれば良いか?というとそんなこともありません。
- 筋力トレーニング
- しっかりと食事や栄養補給
- 質の良い睡眠
など、どれが欠けても筋肉量は増えないのです。
私も子供の頃は筋トレさえしていれば筋肉は大きくなると思っていました。
しかし、食事から得る筋肉に必要なたんぱく質の量や質、摂取エネルギー量、その他ビタミンやミネラルなどの微量栄養素など、様々なものが必要であるということを学びました。
たんぱく質が足りていても、エネルギー摂取量が不足していれば筋肉は分解されやすくなります。
また、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が足りないと代謝速度が落ちるので筋肉がつくスピードも落ちます。
筋肉を大きくして、筋肉量で体重が増えていくことは理想的ですが、それ相応の知識や努力が必要だということです!
体脂肪で増量する場合のメリット・デメリット
次は、脂肪で体重を増やす場合についてです。
体脂肪というと、アスリートやスポーツ選手から敬遠されがちなワードではないでしょうか?
もちろんあなたが思っているようにデメリットになる部分も多いですが、メリットの部分もあるのです。
それらのバランスを考慮して食事内容を変えていきましょう!
脂肪で体重を増やすメリット
体脂肪と言ったら、少ない量で爆発的なエネルギーを生み出すエネルギーの予備タンクです!
脂質は1gで9kcalのエネルギー量を生み出します。
一方で炭水化物やたんぱく質は1gで4kcalのエネルギー量を生み出します。
つまり、身体に脂肪が存在するということは、少ない量の貯蓄で大きなエネルギーを生み出すことを意味します。
人間には三大栄養素それぞれがエネルギーを生み出すための予備タンクのようなものが存在しています。
体内に存在する糖質由来のエネルギー源のタンクは、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンという物質です。
体内に存在するたんぱく質由来のエネルギー源のタンクは筋肉で、糖質や脂質からのエネルギー不足になると筋肉を分解しエネルギーを生み出します。
体内に存在する脂質由来のエネルギー源のタンクは体脂肪で、全身に蓄えられていますね!
この中で、最も効率よくエネルギー源になるのが体脂肪です。
理由は先ほども説明したように、脂質は1gで9kcalと多くのエネルギーを生み出すことができるからでしたね!
体脂肪は野球選手にとって悪いイメージがありますが、どのような効果をもたらすのでしょうか?
その一つは、練習やトレーニング、試合などに使うエネルギー源としての効果です。
身体を動かすと、糖質や脂質由来のエネルギー源を優先的に使っていきます。
しかし、これらがなくなってしまうと筋肉が分解され始めてエネルギーを生み出さなければいけないのです。
つまり、体脂肪など予備のエネルギー源が残っていることで筋肉量がキープされるのです。
逆に体脂肪がない状態や、脂質の少ない食事を続けた状態での練習やトレーニング、試合などを続けると筋肉がどんどん分解されていってしまいます。
年間140試合以上するプロ野球選手や、毎日ハードな練習をする高校球児などが、体脂肪がつかないように脂質を嫌った食事を続けてるとどうなのでしょうか?
これはつまり、一日に必要な摂取エネルギー(カロリー)量に対して摂取するエネルギー(カロリー)量が下回る日々が続く可能性が高いということです。
1週間程度など短期的にはそこまで影響はないかもしれませんが、長期的にみると必ず体力がなくなってきます。
それは、①脂肪というエネルギーの予備タンクがないこと+②筋肉が日々分解されて筋肉が落ちてくるから これらが重なって体力がなくなってくるのです。
ですので野球選手にはある程度の体脂肪は必要なのです。
特に長期間試合が続くプロ野球選手には体脂肪は絶対必要です。
その中でも毎日試合に出続けている野手や、毎日のように登板する中継ぎや抑えの投手などには一定の量は必要不可欠なのです。
さらには、毎日4000kcal以上消費する可能性のある高校球児には体脂肪は非常に重要となります。
高校生は基礎代謝量が成人より高いので、その分普通に生活を送っていても大人よりも多くのエネルギーを消費するのです。
つまり、高校球児は
- 成人よりも高い基礎代謝量
- プロ野球選手同等の日々の練習による消費エネルギー量
- 練習を毎日続ける為の予備のエネルギー量
- 身体を大きくするための摂取エネルギー量
これらを考慮した食事をしなければいけないのです!
いかに少ない量で多くのエネルギーを生み出す体脂肪や、食事から得られる脂質が重要かわかりますね!
脂肪で体重を増やすデメリット
これは単純に動きが重くなるということです。
野球選手に限らずアスリートやスポーツ選手が脂肪を悪とする要因ですね!
今の筋肉量で、仮に体脂肪が10㎏増えてしまった場合は身体が重くなると思います。
私も自分の身体を使って実験してみました!
とにかく身体が重くなりました。
これが脂肪ではなく筋肉で10㎏だった場合は、身体を動かす感覚はそこまで変わらないと思います。
体重も重くなっているけれども、その分それを動かす筋肉もついているからです。
筋力トレーニングをして筋肉を増やし体重を増やしていく過程では、関節周りの小さく細かい筋肉などもある程度一緒に発達します。
しかし、体脂肪だけで体重が増えてしまうと単に身体が重くなっただけなので関節などにも負担がかかります。
このように体脂肪をつけすぎた場合、今までより関節などに負担がかかるので怪我のリスクも高まります。
ですので、脂肪で体重を増やす場合はどの程度増やすか?が重要になります。
体脂肪をつけすぎると身体が重くなりパフォーマンスが落ちますし、逆に体脂肪をつけなさ過ぎても徐々に体力が落ち筋肉量も落ちてパフォーマンスが落ちていってしまうのです。
自分のベストコンディションを知るのが一番!
この記事をここまで読んできてこのようなことは言いにくいのですが、体重を増やすのには筋肉も体脂肪も両方必要でその割合や付け方は一人一人違うのです。
つまり一般的な正解はなく、個人個人で正解が違うのです!
筋肉はつけすぎても良いというわけではありませんし、筋肉量が少な過ぎてもパフォーマンスは上がりません。
体脂肪もつけすぎるとパフォーマンスは落ちますし、体脂肪が少な過ぎても問題です。
また、あなたが小学生か中学生か高校生か大学生か社会人かプロ野球選手かによっても、筋肉と体脂肪の必要性が変わってきます。
もっと言ってしまえば、あなたの生活スタイルやポジションなどによっても変わってきます。
ですので、まずは日々の体重の変化を記録するところから始めてください!
- 自分の調子の良い状態の時、体重や体脂肪率などがどのくらいなのか?
- 体重や体脂肪など日々減ったり増えたりして変化しているのか?
- 筋肉量や体脂肪量が増えている場合でもパフォーマンスは変わっているのか?変わっていないのか?
などなど、自分の体調や身体の状態とパフォーマンスを日々記録することであなたにとっての理想の体型や体格がはっきりと見えていきます。
また、専門的な知識がある人に相談してみるのも良いでしょう!
何かわからないことや質問があれば、私でよければコメント欄にコメントを頂ければお答えすることができます!
野球をプレーしてきた経験も、食事や栄養学などについての専門的な知識もありますのでお気軽にご相談くださいね!