憧れのマー君こと田中将大投手の食事を管理栄養士の私が徹底調査してみた!
こんにちは!
スポーツ栄養士のあじです。
今日は【マー君】こと田中将大投手の食事についての記事です!
田中投手は説明しなくても皆さんご存知のように、ニューヨークヤンキースのエースピッチャーですね!
大リーグで最も人気のある常勝軍団の投手陣を引っ張る存在です。
日本野球界史上最高の投手の1人であることは間違いないですね!
そんな田中将大投手ですが、『奥さん(里田まいさん)が作る料理が素晴らしすぎる!』と賞賛の声が多数です。
そこで今回は、田中将大投手が日頃食べている食事を管理栄養士である私が勝手に徹底調査したいと思います!
すみませんが、ちょいと田中投手に関する私の思い出話をさせて下さい!
2006年8月20日、夏の甲子園決勝戦で引き分け再試合。
伝説と化した北海道・駒大苫小牧と東京・早稲田実業の対決。
高校生離れした両投手の投げ合いに国民が息をのんで観戦していたことと思います!
駒大苫小牧高校エースの田中将大投手と、早稲田実業高校エースの斎藤佑樹投手の投げ合いは、当時高校1年生だった私にとってもものすごい衝撃的な試合でした!
テレビで見ていても、同じ高校野球をしているとは思えませんでした。
プロ野球選手になることを目標に野球をしていた私は、『ほんとにこの人たち高校生かよ!』と、その実力差に意気消沈したのを覚えています!
そして、時は7年が経ち2013年、私は大学を卒業し新社会人として都内の会社で働き始めました!
2013年と言えば野球ファンなら誰もが知っているあの大記録が誕生した年ですね!
私は慣れない新社会人生活を送っている中で、唯一の楽しみだったことがあります。
それは、夜遅い帰りの電車の中で見るプロ野球の速報でした。
『おいおい!今日も勝ったよマー君!』
『おいおい!今日も打ったよバレンティン!』
シーズンが終わりに近づく9月・10月は、この2選手の結果を速報で見るのが楽しみで仕方ありませんでした!
田中投手はその年【単独シーズン24連勝】というギネス記録を達成しました!
一度も負けずにシーズンが終わるって神ですね!笑
多分一生この記録は抜かれないんじゃないでしょうか?
田中投手の活躍は、当時毎日都内の満員電車に揉まれながら疲れ切って家路につく私に本当に力をくれました!
勝手に感謝しています!ありがとうございました!
いつか直接感謝の言葉を伝えられたらいいなぁ~。
なんて、思い出話はあと4000文字あっても絶対に尽きないのでこの辺で!
田中将大投手が摂取すべき各種栄養素量の計算
栄養計算した結果をもとに摂取栄養素量などを分析していくのですが、その前に田中将大投手の体格などから必要な栄養素の摂取量を算出したいと思います!
まず、田中将大投手のプロフィールですが以下の通りです。
- 身長・・・190cm
- 体重・・・97.5㎏
ここから、まず必要なエネルギー摂取量について見ていきましょう!
摂取エネルギー量の算出
目安の摂取エネルギー量を計算する際に体脂肪率の数値を使うのですが、どこを探しても出てこなかったので予想値で算出したいと思います!
プロ野球選手は1年を通して戦うため、体脂肪がある程度必要になります。
だいたいプロ野球選手の投手の場合には体脂肪率が15~20%の中には入ってくると思います。
今回は中間をとって、体脂肪17.5%で計算していきたいと思います!
97.5㎏ × 0.175(体脂肪率) = 17.1(体脂肪量)
体脂肪量が17.1㎏と出たので、次は徐脂肪体重を求めていきます!
97.5㎏ - 17.1㎏(体脂肪量) = 80.4㎏(徐脂脂肪体重)
徐脂肪体重は80.4㎏と算出されました。
80.4㎏ × 28.5(スポーツ選手の基礎代謝を算出する指数) = 2291kcal(基礎代謝量)
基礎代謝量が約2291kcalですので、
2291kcal × 2(身体活動レベル) = 4582kcal(必要摂取エネルギー量)
身体活動レベルは、シーズンの何期なのか?によっても変わってきます。
ですので、ここはシーズン中という設定でこのような数値で計算してみました。
つまり、田中投手は、シーズン中はだいたい1日で約4600kcal程度の摂取エネルギー量が必要であるということです!
もちろん登板した次の日や、調整日、シーズンオフなど、その日がどんな日なのかによっても1日の消費エネルギー量は大きく変化します。
推定摂取エネルギー量の計算方法を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
次は必要なたんぱく質量についてです。
3大栄養素の摂取量の算出
まず、たんぱく質について大まかに計算していきたいと思います!
たんぱく質は体重1kg当たり○gというように、体重に対して摂取する量がある程度決まります!
シーズン中はだいたい体重1kg当たり、1.6~1.7g程度は摂りたいところです。
田中投手の体重は97.5㎏でしたので、
97.5kg × 1.7g = 165.7g
このような式になりますので、1日だいたい166g程度たんぱく質を摂取できればOKになります!
約4600kcalの摂取エネルギー量に対して166gのたんぱく質の場合、たんぱく質のエネルギー比が約14.5%ですので、許容範囲かなと思います!
たんぱく質の摂取量の計算方法を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
脂質は、エネルギー比で約25%程度ですので、だいたい128gくらいになります。
糖質は、エネルギー比で約60%程度ですので、だいたい690gくらいになります。
以上をまとめると、田中将大投手の体格でシーズン中の場合の各種栄養素の摂取量はこのようになります!
スマホを横にすると下記のグラフが見やすくなります!
栄養素 | たんぱく質 | 脂質 | 糖質 | 合計 |
重量 | 166g | 128g | 691.5g | – |
エネルギー量 | 664kcal | 1152kcal | 2766kcal | 4582kcal |
エネルギー比率 | 14.5% | 25.1% | 60.3% | 100% |
では、実際に田中将大投手の食事のデータと照らし合わせてみましょう!
ここからが本題!マー君の食事を栄養学的に分析してみた!
今回、田中投手がいつも食べているであろう食事を栄養計算ソフトを使って計算してみることにしました!
その計算に使う食事の写真がこちらです!
これは奥様の里田まいさんが作った夕飯です。
この画像はこちらのページから引用しています!
なんと豪華な食事でしょう!!
毎日こんな食事が家に帰ると用意されていたら、誰でもお仕事頑張っちゃいますよね!
もちろん、毎日食事のメニューは違うと思いますが、今回はこの食事について調査してみたいと思います!
写真を見て重さなどを判断しているため、実際にとは異なる計算結果になると思いますが、そこはご了承くださいね!
では、まず上の写真から献立について見ていきましょう!
- ご飯 (主食)
- 照り焼きチキン (主菜)
- 卵・納豆 (主菜)
- あさりの酒蒸し (副菜)
- ごぼうと人参のきんぴら (副菜)
- サラダ (副菜)
- カプレーゼ (副菜)
- ・・・
- 味噌汁(汁物)
- グレープフルーツ (果物)
ちょっと⑧が画像からどんな食品を使ったメニューだか判断できませんでした。
ですので、栄養計算上も⑧のメニューを省いて計算することにします。(ご了承ください。)
それでは、献立がわかったところで実際に栄養計算していきたいと思います!
このように栄養計算ソフトに各食材の重さなどを入力して・・・
計算した結果をまとめると以下のようになりました!
栄養素(単位) | 田中投手の実際の摂取量 |
エネルギー(kcal) | 1565.1 |
たんぱく質(g) | 76.0 |
脂質(g) | 50.4 |
炭水化物(g) | 181.9 |
食物繊維総量(g) | 13.1 |
ナトリウム(mg) | 3144.5 |
カリウム(mg) | 2326.5 |
カルシウム(mg) | 390.6 |
マグネシウム(mg) | 316.1 |
リン(mg) | 994.7 |
鉄(mg) | 9.1 |
亜鉛(mg) | 9.2 |
銅(mg) | 1.1 |
マンガン(mg) | 1.9 |
ヨウ素(µg) | 45.8 |
セレン(µg) | 78.0 |
クロム(µg) | 4.5 |
モリブデン(µg) | 266.2 |
レチノール活性当量(V.A)(µg) | 522.4 |
ビタミンD(µg) | 3.4 |
α-トコフェロール(V.E)(mg) | 5.7 |
ビタミンK(µg) | 503.3 |
ビタミンB1(mg) | 0.6 |
ビタミンB2(mg) | 1.2 |
ナイアシン当量 | 33.3 |
ビタミンB6(mg) | 1.1 |
ビタミンB12(µg) | 28.5 |
葉酸(µg) | 327.4 |
パントテン酸(mg) | 6.0 |
ビオチン(µg) | 48.2 |
ビタミンC(mg) | 80.7 |
食塩相当量(g) | 7.9 |
田中投手の理想の栄養素摂取量と実際に食事で摂取した栄養素量を比較してみます!
栄養素(単位) | 田中投手の実際の摂取量 | 各栄養素の必要量 | 充足率 |
エネルギー(kcal) | 1565.1 | 1527.0 | 102% |
たんぱく質(g) | 76.0 | 55.3 | 137% |
脂質(g) | 50.4 | 42.7 | 118% |
炭水化物(g) | 181.9 | 230.0 | 79% |
食物繊維総量(g) | 13.1 | 6.6 | 199% |
ナトリウム(mg) | 3144.5 | – | – |
カリウム(mg) | 2326.5 | 825.0 | 282% |
カルシウム(mg) | 390.6 | 264.0 | 148% |
マグネシウム(mg) | 316.1 | 112.2 | 282% |
リン(mg) | 994.7 | 330.0 | 301% |
鉄(mg) | 9.1 | 2.3 | 395% |
亜鉛(mg) | 9.2 | 3.3 | 278% |
銅(mg) | 1.1 | 0.3 | 387% |
マンガン(mg) | 1.9 | 1.3 | 142% |
ヨウ素(µg) | 45.8 | 42.9 | 107% |
セレン(µg) | 78.0 | 9.9 | 788% |
クロム(µg) | 4.5 | 3.3 | 136% |
モリブデン(µg) | 266.2 | 8.3 | 3226% |
レチノール活性当量(V.A)(µg) | 522.4 | 280.5 | 186% |
ビタミンD(µg) | 3.4 | 1.8 | 186% |
α-トコフェロール(V.E)(mg) | 5.7 | 2.1 | 266% |
ビタミンK(µg) | 503.3 | 49.5 | 1017% |
ビタミンB1(mg) | 0.6 | 0.6 | 98% |
ビタミンB2(mg) | 1.2 | 0.7 | 171% |
ナイアシン当量 | 33.3 | 6.9 | 480% |
ビタミンB6(mg) | 1.1 | 0.5 | 218% |
ビタミンB12(µg) | 28.5 | 0.8 | 3603% |
葉酸(µg) | 327.4 | 79.2 | 413% |
パントテン酸(mg) | 6.0 | 1.7 | 364% |
ビオチン(µg) | 48.2 | 16.5 | 292% |
ビタミンC(mg) | 80.7 | 33.0 | 244% |
食塩相当量(g) | 7.9 | 2.6 | 298% |
表だと少しわかりにくいので、グラフにまとめてみました!
いかがでしょうか?
グラフの中央の赤い線が、1回の食事で摂取すべき各種の栄養素の基準値となります!
ほとんどの栄養素に対して、十分な量摂取できていることがわかります。
このバランスのとれた食事こそが、どんな時でもよりベストパフォーマンスに近い形でピッチングができる大きな理由の一つですね!
もし、このような食事を毎日しているのであれば、体調管理は万全です!
唯一摂取量が少なかったのがビタミンB₁です。
このビタミンB₁は、糖質がエネルギーに変わっていく過程でとても重要な栄養素となります!
ビタミンB₁の摂取が少ないと、糖質からエネルギーを生み出す代謝がスムーズに行われなくなるため、パフォーマンスに影響が出ます。
ビタミンB₁をより多く摂取するためには、どのような食品を食べれば良いのでしょうか?
それは、こちらの記事に書いてありますのでご覧下さい!
また、糖質の摂取量に関しては、おかわりを1杯して、合計で2杯食べたと仮定して計算しています。
ですので、もっと食べている可能性もありますし、食べていない可能性もあるのでなんとも言えません。
ピッチャーにとって糖質の貯蓄は非常に重要ですので、試合前はできるだけ多めに摂取した方が良いでしょう!
グリコーゲンをしっかり貯めておくことで、ピッチングのエネルギーを十分に満たした状態で試合に臨むことができます。
まとめ
今回、田中将大投手の食事内容を勝手に調査してみましたが、本当にバランスがとれていて素晴らしいということがわかったと思います!
夕飯の画像を見ても、その品数の多さから里田まいさんの愛が伝わりますね!
このような食事をしている選手と、例えばスナック菓子や加工食品ばかりを食べている選手、プロテインなどたんぱく質しか意識していない選手とを比較すると、明らかにパフォーマンスに差が出てくると予想されます。
仮にパフォーマンスに差が出てこなくても、ケガのリスクや、ケガをした後の回復を考えると、バランスがとれた食事の方が圧倒的に有利です。
やはり、トップレベルの選手の奥様たちはかなり食事に神経を使いそうですね!
仕事を辞めてまで旦那さんの選手生活を支えるという人が多いのも納得です。
今後も多くのプロ野球選手がメジャーリーグに挑戦すると思いますが、まだ独身の選手でも必ずこのような食事を作ってくれる人がいる環境を作ってあげたいですね!