『野球をしている息子の体重が増えない?』その理由と増量の方法を解説!
こんにちは!
スポーツ栄養士のあじです!
いきなりですが、こんな悩みありませんか?
『うちの息子が野球をしていて、頑張って毎日食べているんだけど全然体重が増えないの・・・』
実は、このような悩みを持つ親御さんは本当に多いです!
近年のアマチュア野球界(特に高校野球)は、トレーニング方法の発達や栄養学の浸透などによって、選手たちの身体がものすごく大きくなっています。
さらに、強豪校に進学し甲子園を目指している子の場合は、中学生・小学生の頃から身体作りをしています。
そのような流れがあるので、野球界が全体的に『たくさん食べて大きくなろう!』という風潮になりつつあります。
実際に甲子園に出ている選手たちがどのくらい大きいのか参考までにご覧ください!
このように甲子園に出るような選手の身体はとても大きいので、野球をしている子を持つお母さんたちからは『息子の身体が大きくなるようにサポートしたい!』と、そんな悩みを相談されることが多いです!
では、体重を増やすためにはどのようにすれば良いのでしょうか?
そんな疑問について、この記事ではできるだけわかりやすく解説していきたいと思います!
もくじ
子供たちの体重が増えていくのにはこの3通りしかない!
『体重を増やす』と一言で言っても、その中身をよく見てみると違いがあります。
ですので、まずはその違いを理解する必要があるのです。
それは以下の通りです!
- 体脂肪で体重が増える
- 筋肉で体重が増える
- 身長が高くなるなど、身体の成長で体重が増える
大人の場合には、①体脂肪と②筋肉でしか基本的には体重の増減はありません。
しかし、子供の場合には身体の成長に伴って、全身の細胞が増えて結果として体重が増えます。
もちろん、この成長による体重の増加も含め、①体脂肪、②筋肉、③成長、全てに共通して『しっかりと食べなくてはならない』という共通点があります。
例えばこの記事を読んでくれている方が、もし高校球児の親御さんだった場合は、人によっては成長が止まり①と②しか選択肢がないという方もいると思います!
ですので、この記事では主に①体脂肪、②筋肉、この2つでの体重の増量について解説していきたいと思います!
③の成長による体重の増加は、まず身長をより高くしなければいけません。
身長をできるだけ伸ばした後に、しっかりと体重をつけていくことが重要です。
ですので、まだお子さんが成長期で『身長を1cmでも高く伸ばすための生活習慣などを知りたい!』という方は、こちらの記事をご覧ください!
ということで、ここでは【体重の中身の違い】について解説しました!
次は、体重が増えない理由と私自身の体験などについてです!
体重が増えない理由と悩み
『強く(上手く)なりたかったらデカくなれ!』
私が高校生の時毎日のように耳にしていた、私にとってのとても嫌な言葉です。
『食べても食べても大きくならないんだよ・・・』
その言葉に対しての私の思いがこれでした。
そんな悩みは高校3年生の最後までぬぐい切れず、気が付いたら最後の大会が終わり引退していました。
こんな体験が理由の一つになっていますが、このような原因を追究しようと思って大学で栄養学を学ぶことを決意したのです!
色々と栄養学や食事について学んだ結果、当時私の体重が全然増えなかった理由に対して自分なりに答えが出ました!
それは次の通りです。
- 練習量に対して食事量が少ない
- トレーニング量が少ない
- 無駄なエネルギーを消費している
これらをもう少し詳しく解説していきます!
体重が増えなかった理由① 練習量に対して絶対的に食事量が少ない
まず一つ目は、消費するエネルギー量に対して摂取していたエネルギー量が全然足りていなかったという事実です。
大学に入り栄養学を勉強していく中で、自分が1日にどのくらいのエネルギー量を消費しているかということを計算によってだいたい把握できるようになりました。
そこで高校時代に消費していたであろうエネルギー量を計算してみると、平均で1日おおよそ3800~4000kcal程度であるとわかりました。
それに対して、食事で摂取できていた量は、多い日で約4000kcalくらい。
つまり私の場合、ほとんど毎日消費するエネルギー量に対して摂取するエネルギー量がトントンだったのです。
このような生活でしたので、体重は自分が思っていた通りに増えていくことはありませんね!
体重が増えなかった理由② 筋力(ウエイト)トレーニング量が少ない
二つ目の理由は、ウェイトトレーニングの量です。
これは確実に筋トレの量が少なかったと言えます!
というのも、私自身筋トレが大っ嫌いでした!笑
走って追い込むのは好きなのですが、筋トレで追い込むのが嫌いでいつもさぼっていました・・・笑
ですので、筋肉に良い刺激が入らず筋肉が増えていくことはなかなか望めませんでした。
しかも①の理由も重なっていますので、体重は増えませんね!
体重が増えなかった理由③ 無駄なエネルギー消費をしている
三つ目の理由が、消費しなくても良いエネルギーを消費していたことです。
私は高校時代、片道10km以上ある道のりを毎日自転車で往復していました。
その理由は、電車賃を浮かせるためです。
私の家は裕福ではなかったので、トレーニングも兼ねて自転車通学をすることにしました。
家からは徒歩10分以内の場所に最寄り駅があります。
ですので、同じ学区から通学していた人は全員電車で通学していました。
この往復20km以上ある道のりを自転車で通うということだけでも、かなりエネルギー量を消費します。
つまり、その分余計に食べないと身体を大きくすることはできないのです。
私が仮に自転車通学を辞めて電車通学に変えていれば、身体を作りの結果は大きく変わっていたと思います。
このように、生活の中で本来無駄に消費しなくてもよいエネルギーがどこかに隠れている可能性があります。
ですので、体重が増えないと悩んでいる方は、生活の中の無駄な消費エネルギー量を洗いだして減らす努力も必要です!
増量するうえで最も良い方法は、『食べて寝る』というのをひたすら繰り返すことです。
それはなぜかというと、寝ていることが一番エネルギーを消費しないで済むからです。
体重が増えないその他の理由
基本的には、今解説したこの3つの理由については、体重が増えないと悩んでいるほとんどの人に当てはまると思います。
しかし、その他にも体重が増えない理由はいくつかありますので説明していきます!
まずは、食べたものが吸収されていないという場合です。
これは無理やり食事をしている人に多いパターンです。
無理やり胃袋に詰め込んでも、消化吸収機能が落ちてしまい食べてものが身になっていないのです。
この画像のようなことになっている人が結構多かったりします。
胃腸が疲れているなと感じた時は、数日間かけて食事量を一度減らし、胃腸の状態を元気な状態にすることもとても大切です!
増量するための食事の仕方のイメージとしては、腹八分目の容量を増やしていくために腹8.2分くらいの食事を続けることで消化吸収能力を落とさず食事量を増やすのがオススメです!
食トレをしようとして、いきなりお腹いっぱい(腹十分目)まで食べてしまうから消化吸収能力が落ちてしまうのです。
また、体質的に代謝が高かったりすることで体重が増えにくい人もまれにいます。
しかし、この場合は、食べる量と消費する量のバランスを考えて食べるようにすることで少しずつではありますが体重を増やすことは可能です。
では次に、具体的にどうやって体重を増やしていくのかについて解説していきたいと思います!
体脂肪・筋肉 どちらで体重を増やしたい?
まずは、増量をする前にどのような身体作りをしたいのか?ということをしっかり明確にする必要があります。
身体を大きくするのは何かしら目的があるからだと思いますので、その目的にあった方法を正確に選ぶ必要があるのです!
- ○○のために体脂肪で身体を大きくする
- ○○のために筋肉で身体を大きくするのか
- ○○のために体脂肪・筋肉両方で身体を大きくする
- ○○のために一定期間はまず体脂肪でつけて、その後一定期間は筋肉で身体を大きくする
このように、まず『○○のために』という目的を決めて、その後に体重を増やす手段を選ぶと良いと思います!
では、体脂肪・筋肉それぞれのメリット・デメリットについて簡単に解説していきます。
体脂肪で体重を増やすメリット・デメリット
体脂肪で体重を増やすメリットは次の通りです。
- 筋肉をつけるための予備エネルギーになる。
- 1年を通して戦えるスタミナがつく。
- ケガをしにくくなる。
- 体重が増えた分、打球速度などがUPする
- まだ成長期にある子供の場合は、成長するための予備エネルギーとなる。
反対に体脂肪で体重を増やすデメリットは次の通りです。
- 体脂肪をつけすぎると動きにキレがなくなる。
- 体脂肪をつけすぎると膝や腰などの負担になる。
メリット・デメリットはこのような感じです!
次に筋肉について見ていきましょう!
筋肉で体重を増やすメリット・デメリット
筋肉で体重を増やすメリットは次の通りです。
- 筋力がUPするので、動きにスピードとパワーがつく。
- 体重が増えた分、打球速度などがUPする。
- 結果が見えることで自信がつく。
反対に体脂肪で体重を増やすデメリットは次の通りです。
- 動作に関係のない余計な筋肉をつけると動きにキレがなくなる。
- 筋肉をつけること自体、ものすごく大きな時間と労力がかかる。
筋肉をつけるメリット・デメリットはこのよな感じでしょうか?
もう少し野球選手が体脂肪や筋肉で増量するそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
【体脂肪】【筋肉】それぞれの増量の理論と方法
それでは本題の増量方法について解説していきます!
まずは体脂肪での増量方法について見ていきましょう。
体脂肪量を増やして体重を増やす方法
体脂肪で体重を増やすのは、筋肉で体重を増やすよりは難易度は低いです。
体脂肪は単純に、消費するエネルギー量よりも、摂取するエネルギー量が多ければ体重が増えていきます。
逆に消費するエネルギー量の方が、摂取するエネルギー量よりも多いか同じくらいだと体重は増えません。
ですので、体重を増やしたい!という人は、まず自分が日々の生活で1日にどのくらいのエネルギー量を消費しているのか?ということを知らなければいけません。
そのうえで、どのくらい食べてどのくらいのエネルギー(カロリー)量を摂取すべきなのかを把握する必要があるのです。
一人一人、生活習慣・練習量・トレーニング量・増量したい体重・増量する期間などが違いますので、細かいところは専門家の人に個人的に相談しないとその人に合った食事量を計算するのは難しいです。
しかし、おおまかにならこちらの記事から自分に合った摂取エネルギー量を見つけ出すことができます!
この記事で見つけたエネルギー量以上に食べることで、体脂肪は確実についてくると思います。
もし、お腹いっぱいになるまでしっかり食べても体重が増えない場合は、練習量を落として消費するエネルギー量を減らさないといけません。
例えば、1ヶ月(30日)で体重を1kg増やしたい(体脂肪で)場合、1日約720kcal余分に摂取しないといけません!
そして、これ以上食べる量を増やせない時には、このような方法をとるのです!
食べても食べても太らないという人は、消費するエネルギー量が多すぎて、食べる量が追い付いていない場合が多いからです。
消費するエネルギー量を抑えれば、食べる量を変えずに体脂肪を増やすことができるので、是非指導者の方と増量のために練習量などを減らすことができないか相談してみてください。
筋肉量を増やして体重を増やす方法
筋肉で体重を増やす方法としては、次の3つをしっかり行うことです。
- 筋力トレーニングで筋肉に刺激を入れる
- 十分なエネルギー量・たんぱく質が摂れる食事
- 質の良い睡眠や休養
これらを長期間継続することで筋肉は少しずつ増えていきます。
筋トレを始めてからは3ヶ月間はあまり目に見えて効果は表れません。
しかし、4、5、6ヶ月と続けていけば着実に筋肉はついていきます。
また、筋肉をつきやすくするためには、あらかじめ体脂肪を増やしておくことが重要です。
それによって、筋トレをする分のエネルギー量を賄えるので、筋トレによって痩せてしまうことを防ぐことができます。
食事内容としては、摂取量エネルギー量をしっかり確保することはもちろんですが、たんぱく質量にも注意しましょう!
おおよそ1日に体重×2g程度のたんぱく質の摂取量が必要です!
体重が50kgの場合は、筋肉をつけるために100g程度必要ということです。
もちろん先ほど説明したように筋肉に刺激が全くない状態でたんぱく質を摂っても全く意味がありません。
- 刺激
- 栄養
- 休養
この3点セットを是非覚えておきましょう!
また、たんぱく質をしっかり摂取するための知識として、こちらの記事をご覧ください!
- アスリートやスポーツ選手が必要なたんぱく質摂取量はどのくらい?
- 【アスリート・スポーツ選手必見!】たんぱく質を多く含む食品5選!
- 【アミノ酸スコア】によって良質なたんぱく質かどうかがわかる!?
- 【たんぱく質摂取量120gが目標!】日常的に食べる食品からたんぱく質を上手に摂取する方法とは?
ということで、ここまで体脂肪で体重を増やす方法と、筋肉で体重を増やす方法について解説してきました。
より簡単に丁寧に解説している記事がこちらになりますので、是非参考にしてみてください!
まとめ
いかがでしょうか?
今回、体重が増えずに悩んでいるという人たちのために、体重を増やす方法について解説してきました。
最後に今回の記事の内容をまとめていきたいと思います!
- 子供たちの体重が増える3通りの増え方
- 体脂肪量が増えることで体重が増える
- 筋肉量が増えることで体重が増える
- 身長が伸びるなど成長することで体重が増える
- 体重が増えない主な原因
- 練習量(消費エネルギー量)に対して絶対的に食事量(摂取エネルギー量)が少ない
- 筋力(ウエイト)トレーニング量が少ない
- 無駄なエネルギー消費をしている
- 食べたものが上手く消化吸収されていない
- 代謝が高いなど体質的に太りにくい
- 体重を増やす前に増量する目的と方法を明確に決める
- 体脂肪で体重を増やすメリット
- 筋肉をつけるための予備エネルギーになる。
- 1年を通して戦えるスタミナがつく。
- ケガをしにくくなる。
- 体重が増えた分、打球速度などがUPする
- まだ成長期にある子供の場合は、成長するための予備エネルギーとなる。
- 体脂肪で体重を増やすデメリット
- 体脂肪をつけすぎると動きにキレがなくなる。
- 体脂肪をつけすぎると足腰の負担になる。
- 筋肉で体重を増やすメリット
- 筋力がUPするので、動きにスピードとパワーがつく。
- 体重が増えた分、打球速度などがUPする。
- 結果が見えることで自信がつく。
- 体脂肪で体重を増やすデメリット
- 動作に関係のない余計な筋肉をつけると動きにキレがなくなる。
- 筋肉をつけること自体、ものすごく大きな時間と労力がかかる。
- 体脂肪量を増やして体重を増やす方法
- 自分の日々消費している1日分のエネルギー量を知る。
- 消費するエネルギー量を超える摂取エネルギー量を摂る。
- 消費するエネルギー量が多すぎて食事量が追い付かない場合は、練習量などを落として消費するエネルギー量抑える。
- 筋肉量を増やして体重を増やす方法
- 刺激・栄養・休養の3原則を忘れない。
- 摂取エネルギー量をしっかり摂る。
- たんぱく質をしっかり摂る。
- できるだけ筋肉をつける前に体脂肪をつけておくこどが大切。
もし、息子さんの体重はなかな増えず困っていたり悩んでいるという方は、コメントやメールをしていただければ質問にお答えします!
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